- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787274397
作品紹介・あらすじ
コティングリー妖精写真は、1917年と20年にイギリスのコティングリー村に住んでいたいとこである2人の少女フランシスとエルシーが野外で出会った妖精の姿を撮影した不思議な写真である。公表されるやいなや真偽が話題になり、「シャーロック・ホームズ」シリーズの作者アーサー・コナン・ドイルなどを巻き込んで、当時のイギリスにセンセーションを巻き起こした。
この事件の調査に関わった神智学者エドワード・L・ガードナーが所有していた鞄が、100年を経て海を渡り、日本にやってきた。その鞄に入っていた貴重な新資料――「2人の少女と妖精」の5枚の写真プリントやネガフィルム、未公開の写真、手書きの手紙・文書などをフルカラーで紹介する。
資料の詳細な解説に加えて、社会的・文化的な背景や心霊写真との比較、写真にだまされる「楽しみ」を論じる論考も所収して、妖精写真から人々の感性や時代性を浮き彫りにする。
感想・レビュー・書評
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写真とは何かを改めて考える。少女たちの作品とも言うべき心象を描いた写真、近年のデコ盛り写真、「真を写す」とは果たして?
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コナン・ドイルが関係して有名になったコティングリー妖精
事件。その調査に関わったガードナーの遺品である鞄が日本
の英文学者であり、妖精研究で高名な井村君江により落札
されていた。長い間眠っていたこの鞄にはコティングリー
妖精事件の問題の写真を初め、様々な貴重な資料が残されて
いたのだ。再発見されたこの鞄の展覧会を機に資料内容と
多くの研究家の小論を集めて出版された本である。妖精事件
の全貌を細かく調査した本、のような内容を期待していた
こともあり、少々肩すかしを食らった感じではあったが、
資料的価値は高く、好きな人なら持っておくべき本である。
コティングリー妖精事件がここまで有名になったのは、当然
コナン・ドイルのネームバリューもあるのだが、何よりも
あの写真が「良い」写真であったことが要因であろう。そこ
には真偽を越えた何かがあるような気がする。