- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787274588
作品紹介・あらすじ
ベトナム反戦運動や学生運動を背景に、社会批判や反戦のメッセージを込めた関西フォークは、多くの若者を引き付け、強い支持を得た。1969年の新宿駅西口広場でのフォークゲリラにつながる関西フォークはどのように現れ、どのような人々が関わり、何を表現し歌ったムーブメントだったのか。
本書では、関西フォークの歌詞と現代詩との関わりに着目して、岡林信康、高田渡、松本隆、友部正人などのフォークシンガーの音楽実践を「ことば」を中心に描き出す。そして、歌い手をサポートした片桐ユズルや有馬敲らの文学者・文化人の活動やその意義にも光を当てる。
関西という地でフォークソングを歌い新たな表現を追い求めた若者たちとそれを支えた文化人の交流の場として関西フォークを位置づけ、「声の対抗文化」として評価する。関西フォークの音楽性や文学運動としての側面を検証する研究書。片桐ユズルへのインタビューも収録。
【目次】
序 章 現代詩を超えて
第1章 片桐ユズルとアメリカ
第2章 関西フォークを支えた作家たち
第3章 〝フォークの神様〟岡林信康と農村回帰
第4章 高田渡が歌う演歌と現代詩
第5章 フォークゲリラの登場
第6章 文学青年・松本隆の〝風〟と〝街〟
第7章 詩人・友部正人の可能性
終 章 〈関西〉なるもの
付 録 片桐ユズルさんが語った関西フォーク
感想・レビュー・書評
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60年から70年のフォーク・ロックは憧れの風景だった。高田渡やはっひいえんども素敵だったが、唄をうたう原点は友部正人にある。
難解で孤高な言語表現はなじまなかった。現代詩でも中原中也、金子光晴、谷川俊太郎がしっくりする。
うたうことばが必要だった。やさしくても高揚することばが。