- Amazon.co.jp ・本 (590ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788504615
作品紹介・あらすじ
2種のチンパンジー(コモンチンプ、ピグミーチンプ)とたった2%の遺伝子しか異ならないヒトは、いつ、いかにして彼らに別れを告げ、今日の文明へと大躍進を遂げたのか?どこまで動物性を残しているのか?そして、ますます大規模な自然破壊や虐殺をくり返し、核の脅威を終わらせられないのはなぜか?人類の未来に待ち受けるものを、その自然史に探る。
感想・レビュー・書評
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確かに名著なんでしょうが、何せ出版が20年前だ。
最新の研究はどうなっているのか。知りたいような、知るのが怖いような。
でも単なる読み物としてもGoodですよ。
以前から、日本の空き地を見ると「豊かだなあ」って思ってた。
放っておくと草がぼうぼうに生えるって、相当豊かだと思う。
放っておくと砂漠になってしまう場所のほうが多いんじゃないですか。
メソポタミアやアフリカが、以前は文明が栄えて
今は砂漠になってしまった理由が、明確に書いてあります。
また希望も書いてあります。著者はその辺意識して、
悲観的になりすぎないよう書いているように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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ジャレド・ダイアモンドの処女作にして、それ以後の著作の萌芽がすべて詰まった本である。さらに、以後の著作に含まれないインド・ヨーロッパ語族の起源やETにまつわる進化収斂、性淘汰、ジェノサイドなど興味深い知見が随所にある。まさに知の宝箱である。
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「祖先の物語」の参考文献。
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2015.6.7非常に多岐に渡る視点から、人類史及びヒトの生物的特徴について述べた本。人類は当たり前だが動物なのであり、性行動も、芸術や言語、タバコなど人間特有と思われる行動すらも、そしてジェノサイドなどすら動物界に見られる行動で、ヒトと動物との大きな違いはその行動の種類でなくその程度であるようである。また著者の他作である、銃・病原菌・鉄で述べられていた、人種間の発展の差異を地理的要因に求める主張も述べられていた。これらの多くの、ヒトについて、そして人類の種についての、数百万年前から現代にかけての生物的文化的進化の変遷、そこで得たものと失ったもの、奪い壊したもの、そしてこれから壊そうとしているものを、歴史的事実を紐解きながら、人類学、分子生物学、動物行動学、進化生態学、美術史、病理学、天文学、言語学、民俗学、考古学、農学、地理学、歴史学、心理学、環境科学、社会学、倫理学という学問分野より述べられている。尋常じゃない知見の広さである。私の中にあった人間中心の世界観は悉く壊されたといっていい。そしてたまにテレビなんかで聞いた、私たちは地球の一員だ!的なよくわかんない綺麗事みたいな台詞の意味も、なんとなくわかってきた気がする。正直すごく人類に対し、また人類の未来に対し悲観的になってしまった。我々は進化のためにという過程の中で、自らを根絶やしにできる、そして自らの住む地球の生態を破壊し尽くすことのできる技術を発展に寄って得てしまった。歴史的事実を眺めていくと、動物としての人間の本能に、言語獲得により生まれた文明文化技術が重なることで発展が加速し現在に至るのは、原則に沿っているというか、必然的な気もする。このまま動物としての生を全うするなら人類は世界を食い尽くし滅亡するだろう。言わば諸刃の剣を手に入れたようなもので、自らを傷つけないようにその武器を使う能力は、まだ我々にはない。これからどれだけ、過去から学び、後世に伝え、人間の行動基準として、森羅万象との共存の姿勢を内面化していくか、それをどう人類70億という規模でやっていくか、それが人類の課題ではないか。我々は長い歴史の中で、多くの種を根絶やしにしながら、今や自らも根絶やしにできる力を手に入れた。それは理性、知性による、人間特有の能力である。ならばそれを抑えコントロールする能力、理性や知性もまた人間特有のものとして存在すると信じたい。といいつつ、私一人の人間で考えても、私の理性は私の欲望にしばしば屈服するのであり、改めて理性、知性を養い世界に対し知見を広げる、教育の役割は大きいなと感じる。人間という動物の、動物故の愚かさと、人間故の恐ろしさ、そして未来への可能性について考えさせられる一冊。内容は素晴らしいが訳が微妙なのか、回りくどくて読みにくい印象もありました。
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図書館で借りましたが、自分でも欲しいです。
☆異性の選り好み
中指や耳たぶの広さでさえも異性を選ぶ傾向に相関関係がある。
しかも、親や兄弟姉妹や幼友達と、似ているけれど、それ自身ではないものを選ぶ。
☆皮膚や目の色などの人種の違い
皮膚の色は太陽光と緩やかな関係があることは確かだけれども、まったく当てはまるわけではない。
よって、自然淘汰とともに、性淘汰が大きく関係しているらしい。
☆芸術
絵を描くぞうさん、チンパンジー
ニワシドリのあずまや -
ジャレド・ダイアモンド博士による、人類がサルから進化を遂げた、その名残と、将来への懸念がテーマの一冊です。
チンパンジーと人間の近縁さはしばしば言われますが、我々の持つ本能的な行動、時に理解しがたいものもありますが、がいかにチンパンジーのそれと類似しているか。そして高度な文明を築いた、と自負する我々の本能にどれほど危険なものが潜んでいるか、警鐘を鳴らします。
正直冗長な部分や、過去の著作「文明崩壊」や「銃・病原菌・鉄」と同じことを言ってると思える部分は多いですが、ジェノサイドについての分析は一読の価値があるな、と感じました。 -
『ぼくらの頭脳の鍛え方』
書斎の本棚から百冊(立花隆選)22
人類史・文化人類学
タイトル通りの内容。 -
人間は、偉大な狩人でなくて実は、女たちの集めた穀物で生き延びてたらしい。さらに、農耕が始まる前のカロリー摂取はそれなりであり、そこそこしあわ暮らしていた可能性がたかい。そもそも、700万年生き延びているわけやしの。農業が始まると、パンドラの箱を開けるように、栄養失調、飢饉、伝染病、階級差別が出現した。また、それにより、ジャノサイドも大規模になっていく。
ネアンデルタール人は、野蛮な猿人だがクロマニヨンは現代人とあんま変わらないの意外。性の謎、性淘汰説、ベルモットモンキーのことば、農耕や放蓄するアリなど色んな知識が詰まっている。 -
第1部 単なる大型哺乳類の一種
第2部 奇妙なライフサイクルを持った動物
第3部 特別の人間らしさ
第4部 世界の征服者
第5部 一夜にしてふいになる進歩
エピローグ 何も学ばれることなく、すべては忘れられるのか?