私の身体は頭がいい―非中枢的身体論

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  • 新曜社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788508477

感想・レビュー・書評

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  • 自分が日頃感じていることがすっきりクリアに表現されていて、わくわくニヤニヤしながら何度も読んだ。非日常的な身体の使い方を通じて身体受容力を高めること、頭と身体の繋がりをクリアにして適格適切に身体を行動に動かすこと!

  • 10年前の本です。
    その当時は内田センセイのことは知りませんでしたが、文章には見覚えがありました。

    最近のセンセイの文章と比べると、話は例によって同じなんですが、例証の仕方が格段にシャープになっておられるのが分かりました。

    そう言えば、武術や身体論に特化した記述を読むのは今回が初めてに近いので、
    とても参考になりました。

  • ここのところ、内田樹の本を読む割合を高めています。
    が、ちょっと飽きてきた感じです。

    本の中で、同じようなことを繰り返すことが多いのも、その原因だと思います。

    ただ、他にも気になる内田樹の本があるので、ひとまずそれらは読んでみるつもりです。

  • 読了。合気道を通して心と身体の関係を論じる。読みやすく、説明がクリアなのでふに落ちやすい。
    心と身体のつながりをとき、反射的に身体が動く状態にする、失敗する可能性を考えた瞬間に人の運動能力は驚くほど低下。
    呼ばれたときに振り返る、または操り人形に引っ張られる感覚、か。なるほど。

  • 「研究を投げ打って(合気道の)稽古に行った日はあっても、稽古を休んで研究した日はない」「稽古だけでは食べられないから大学教授をやっていた」内田先生による身体論。内容は僕には説明できないので興味ある方は読んでください。面白いです。

  • 師と仰ぐ教授だけれど、「身体論」だけはいまいちわからない。「そこが私のキモなのだ」と言われそうだが。だからこの本もずっと読んでなかったのだけれど、意を決して手に取った。やっぱりわかんない。「身体」を見失っている頭でっかちの人間には無理かしらん…。

  • p88に「武道の根本にある原理は、武道は勝つことを欲望する主体の廃絶を目指す、ということである。」とあります。力が抜けました。

  • 無我の境地を言葉で説明するのは難しいものですね。

  • 分類=身体論。03年5月。(参考)内田樹ブログ→http://blog.tatsuru.com/

  •  内田は多田宏という合気道師範に就きつつ甲野善紀との交流もある。

     NHK人間講座「古の武術に学ぶ」を見た。甲野は自らの体術の理論の一つとして、井桁崩しという表現を用いていた。それは普通の近代スポーツで用いられる局部的な筋肉の使い方と違い、身体のそこかしこが「アメーバのように」一斉に動くというものだった。

     内田の非中枢的身体論では、人間が予測・認識するために身体が動かなくなる「居着き」と、動作の徴候が身体にあらわれてしまう「起こり」という二つのことを回避することが述べられている。そのために知覚情報を身体各部が「現場で処理をする」ことをスキームとしている。それは「中枢からの指令抜きで、手足を動かす」ことである。

     甲野の「井桁崩し」も相手に動きの起こりを悟られずに一瞬で目的を達成するものである。考え方は微妙に違うのだが、中心がなく、一見すると矛盾し不可能な動作を一瞬で行うこと、そして相手に悟られないことなど、共通することは多い。

     2人は武術における身体を媒介に、西洋近代的?な価値観を正しく揺さぶり新しい地平に到達することに成功している。そしてその活躍ぶりから、この身体的、脱中心的、非二元論的な考え方が一般にも受け入れられていることが理解できるのである。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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