- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788508873
作品紹介・あらすじ
アメリカでの投獄、戦時下の捕虜虐殺と慰安所運営、60年安保とベトナム反戦、丸山真男や吉本隆明との交流…。戦争から戦後を生き抜いた知識人が、戦後60年を前にすべてを語る。
感想・レビュー・書評
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目次
1日目
原点としての生立ち
ジャワでの捕虜殺害
「従軍慰安婦」の問題
雑談1 1日目夜
2日目
8月15日の経験
占領改革と憲法
『思想の科学』の創刊
丸山眞男と竹内好
50年代の葛藤
戦争責任と「転向」研究
雑談2 2日目夜
3日目
60年安保
藤田省三の査問と女性史の評価
吉本隆明という人
アジアの問題と鶴見良行
全共闘・三島由起夫・連合赤軍
ベ平連と脱走兵援助
雑談3 3日目
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/4-7885-0887-7.htm
https://yasu-san.hatenadiary.org/entry/20160812/1471047660詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あくまで読者の視点ですが、対談の空気感が伝わるような構成はいいなって思いました。
たとえば、あまりにきれいに纏まりすぎてる(1つの結論に皆で必死に向かっているような雰囲気の)ものや、対談者の裏の上下関係がうっすら窺えるような対談本もありますが、そういう胡散臭さがないなって。相手に敬意を持って、真剣に正直にぶつかってる感じが好きです。 -
感想
戦争の知識を試験の道具としか見ていない私達の世代。当事者の話を聞き血を流し込まないと塵の如く流される。次に起こることを厳しく見張りたい。 -
鶴見俊輔に対して、小熊英二と上野千鶴子が質問する、という形式である。戦争中のことはあまりないが、鶴見を中心として、いままでの出来事とその仲間について説明をしてもらう、という形である。ニュースで中心であった有名人がどんどん出てくる。最大の山場は安保闘争とべ兵連の運動での人のやりとりである。わずか3日間の対談ではあるが、鶴見やほかの人の本を読むよりは、この対談集を最初に読んで、吉本、埴谷、小田実の本を読んだ方がいいかもしれない。また共産党という組織についてもよくわかる。
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黒川創が「鶴見俊輔伝」を書きあげた今となっては、鶴見俊輔に関する一次資料のような位置になったのかなあ、そんな感慨を持ちますが、小熊と上野という、鶴見にとって次世代の論客(?)による、その時あなたはどうしたのかとでもいう感じの、鋭いツッコミに満ちたインタビュー?いや鼎談集。
「ほんとうのこと」を言おうとしている哲学者と、「ほんとうのこと」を聞こうとしている、三人の掛け合いが、なかなか、絶妙。一気読み本ですよ。 -
鶴見俊輔を囲んでの座談形式の記録。
米国から戦時交換船で帰国することを選んだ動機、そして国家や性についての話題、60年安保…。
上野千鶴子や小熊英二の話の引き出しもいい。