チェーンストア経営の目的と現状 [新訂版] チェーンストアの新・政策シリーズ

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  • 実務教育出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788906280

作品紹介・あらすじ

本書は、すでに二〇%の全小売業売上高占拠率をもつにいたったわが国チェーンストア志向企業群が、きたるべき二十一世紀初頭にかけて、何をしようとしているかについての「現状報告」とその「行動指針」とをまとめたものである。チェーンストア産業独特のロマンとしての経営理念と過去三〇年間にわたる行動の軌跡とを詳細に扱っている。

感想・レビュー・書評

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  • 「21世紀のチェーンストア」に改訂されています。記載の内容を転記いたしますので内容について参考にしてください。

    、欧米に比べて立ち遅れている日本の商業というビジネス活動を、チェーンストア経営システムを抜本的に改善することによって、日本に流通革命を起こそうという問題提起である。
    それこそは、この日本で現在もっともやりがいのある仕事といい、読者にこの新しく生きがいとやりがいとを実現させる場を明示する契機となる、が結論です。

    チェーンストアとは、①一定の法則で店舗や商品が用意され運用されていること、②普通のお店やさらにその集団でもとうていやれそうにない異質なすごいことをやってのける経営形態であること

    欧米では、標準化された店舗が200店以上あることがチェーンストアのイメージで、ものすごい効果が発揮されるのは、500店舗を超えてからになる。
    <渥美氏のいう店舗の規模と課題>
    ~5,7店舗 江戸時代の商家での限界、家訓に残る
    ~10店舗 事実を数字でつかみにくくなる
    ~30店舗 現場からの報告の内容が信用できなくなる
    50~100店舗 理論をまなんだからといって直ちに管理できるわけではない、綿密で周到なシステム設計が長期にわたって必要となる
    ~200店舗 企業文化の水準が急上昇するか、転落するか。働く人々の感じ方、考え方、日常の行動形式に変化が現れる

    <チェーンストアとは>
    ①レギュラー・チェーン 本部と直営店に分かれていて一つの会社である
    ②ボランタリー・チェーン 一つの本部と多数の加盟店とで構成されていた経済事業体をいう。それぞれは独立した法人格を有している。
    ③フランチャイズ・チェーン 本部と、加盟店とが特別の契約を結ぶことで運用されている形式
    ④ラック・ジョバー 総合店の一部の売り場に直営店同様出店しているが、店名もださず、店員も派遣しない。商品構成、陳列方法、補充方法、売価に決定をもっている。
    ⑤コンセッショナリー ラック・ジョバーと同様に売場出店するが、店員を派遣する
    ・規模によって、ナショナルチェーン、リージョナルチェーン、ローカルチェーンという。各店舗が対象とする領域を、ドミナント・エリアという

    自動車のナショナル・チェーン化
    部品の規格化と、段取りの標準化で、作業の正確さと迅速さによって従来の三分の一という低価格化を実現、
    科学的管理法から、生産工学、IEへと技術理論体系が開発され、あらゆる生産面で実行されるようになった
    <日本の現状>
    2007円時点でビックストア900社の小売業売上占有率は64%に達していて、商業の寡占化がすすみ、欧米並みになってきている。
    アメリカのマーケティングは、ウォンツだけでなく、ニーズまでもを問題とするが、日本は、いまだ、ウォンツのみである
    日本には、くらしを一つづつ確実に良くしていくという視点がなかった。それは作る立場から、売り込む、売りつける、ムリして売るというまちがった努力が優先されてきたから
    結局は、商業とは、仕掛けで無理して売る、べき運命のものと間違って規定することになる
    それに対して、作る 立場からの発想によるストーリーを 使う 立場の発想に切り替えるべき
    日本に、なぜ、問屋、卸がおおいのか、それは生産者が見込生産で物をつくっているから、これからは、実需を理解しているチェーンストアからの受注でつくる、受注生産にしなければならない

    <流通革命とは>
    日本の、1960年代からの”流通革命”とは、百貨店中心の勢力から、スーパーがとってかわったものに過ぎない。真の流通革命とは、作る立場・売る立場から、使う立場・買う立場への転換した商品供給体制に変えることである
    流通革命の条件とは、 ①ビッグストアづくりで、資産と人材を準備、②標準化された店舗の多店化、③同志企業が数百社に増える
    流通革命には、マス・マーチャンダイジング・システム作りが必要、極言すれば、200店舗を超えた、まったく別の領域での価値創造を伴う、新しいマネジメントを行うこと
    加えて、経営の科学化(エンジニアリング)、標準化を進めて、修正し続けることとなる。

    目次は、以下です。

    第Ⅰ編 文明史におけるチェーンストア
     1 用語の意味
     2 チェーンストア産業づくりの歴史
     3 商業の復権

    第Ⅱ編 チェーンストア経営がめざすもの
     1 チェーンストア経営の本質
     2 間違いやすい考え方

    第Ⅲ編 チェーンストア産業への道
     1 まず、ビッグストア
     2 チェーンストアへの出発

    資料編 チェーンストアの基礎資料

    用語索引

  • チェーンストア理論の第一人者である渥美俊一先生が昭和60年に出版された書籍です。
    30年以上日本のチェーンストア化の指導をしてきた著者の理論が凝縮された一冊でした

    ダイエーやイトーヨーカ堂、ジャスコやマイカルといった現在の小売りのビッグチェーンは
    全て著者が主宰していたペガサスクラブの会員であったことは有名です。

    30年に渡り、600社以上の有名チェーン店を指導してきた著者は、
    日本のチェーンストアの父と言っても過言ではないでしょう。

    チェーンストアと聞くと、画一的なサービスがマニュアル的に行われいてるイメージを持ってしまうかもしれません。
    しかしながら、本著で終止述べられているのは、豊かさを追求する手段としてチェーンストアがあるという点です。

    本著では、その豊かさを、10の条件として整理し紹介されています。

    ①用途(TPOS)毎に
    ②同時に使うときに必要な品種は、すべてそこにそろっており、
    ③品質(機能)は、使う側にとって便利で楽しい事に限定し
    ④誰もが(正しくは大部分の人々が)
    ⑤手ごろに買えて
    ⑥安心して
    ⑦気軽に、
    ⑧楽しく、快く
    使い分けられ、しかも
    ⑨全国どこでも
    ⑩毎日のように(日常)
    その豊かさが味わえる

    今でこそ当たり前に感じてしまう上記の要件ですが
    戦後の復興の過程においては、大いにロマンがあったことでしょう。

    事業を興す目的は人それぞれですが
    国を「豊か」にするために事業を興した当時の起業家たちから学ぶべき点は
    多く在るように感じました。

  • 最低だった

  • 驚くほどツマラナイ一冊。

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