商品構成 (チェーンストアの実務原則・シリーズ)

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  • 実務教育出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784788906358

感想・レビュー・書評

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  • ペガサスクラブ主催のコンサルタント、渥美俊一氏の書
    チェーンストアの実務原則シリーズの1つです。

    気になったことは、以下です。

    ・江戸時代にはじまった商業の近代化、最も大事な教訓は、「商人が人々の暮らしを守り、育てる」
    ・マーチャンダイジングは、使う側に立って製品を作り、商品として国民に提供する活動のすべての総称。マーケティングは、売る立場、作る立場から見た活動。
    ・マーチャンダイジング活動は、まず小売売価を決定し、第二にそれでどれだけの品質(機能)を果たせるかを考える。
    ・チェーンストア経営システムの努力方向のスローガンとして、3S主義がある。①差別化、②単純化、③標準化

    ・売れるものなら何でも は正しいようでそうでもない。裏返せば、売れないものは絶対に扱わない 実際に試し売りをして、その売れ数に応じて仕入を変えていく行動原則
    ・2つの条件だけを追求する ①有利さ ②便利さ
    ・ドライ商法とは、本当に影響力の大きいものだけを、徹底的に完全に実現しようという、商売の基本態度のことである。
    ・有利で便利な商品とは、実は大衆品であり、同時に実用品である。
    ・売上をふやすための絶対条件は、客数の拡大であり、客層を広げることである。そのためには、一部の客層だけが使う品ではなく、ほとんどの客層が共通に使う品をモットーにしなければならない
    ・小商圏品とは、近所の客のほとんどが買いに来てくれる品であり、大商圏品とは、遠方の人ばかり買いに来る品である。

    ・適正規模とは、客が豊富な品揃えを感じる売場面積、メニューの範囲である。
    ・①それを感じるのは客であり、店側、ベンダーではない、②それは感じるものであり科学的ではない、あまりに多くの品を用意すると本当にほしい品が埋没してしまい、客は逆に豊富だとは感じなくなることが知られている。
    ・売場面積など適正規模に近づけば、作業そのものがラクになり、作業コスト、人件費のトータル・コストが下がっていく

    ・客からいて商品が一列に見えるときを、フェイシングという。見せる商品は、陳列位置は、ゴンドラの場合上段の一部、平台ならば、二段として、その上段の一部
     売りたい商品は、陳列台1台あたり1,2品目として、最大のフェイシングを確保する。ゴンドラ中段の一部、平台の手前、顧客から見て一番多い陳列亮に見えるところに置く
    ・売れる商品は、スポッタ(POPが付いた広告)をつけて、顧客の通路上の動線に対して直角で、通路にはみ出して陳列する。
    ・商品の補充は、店員が言われて探してもなかったではない。少量残っても顧客は売れ残りとおもって買わない。発注点から補充時期を加味した時期を想定して補充時期を決める。
    ・商品の大原則は、先入先出しだ。鮮度を保つために、古いものが前になるようにおくこと、まちがっても、楽だからといって補充品を前に入れてはいけない。

    ・商品の組み合わせ5原則 ①気軽に買える価格帯でそろえているか、②買うとき選択するので便利な状態か、③組み合わせて使うとき、もっと素晴らしくそろえる、④在庫の多さは関係ない。多すぎるとかえって豊富に見えなくなる。⑤統一感がある組み合わせになるように実験され提案されていること

    ・商品の分類 ①客が選ぶ立場で便利である、②客が使う立場で便利である、③だれでもわかる表現、④見やすい形式、⑤エキサイティングなプレゼンテーション
    ・品質がよくて値段が安い、値段が安くて品質もよい が取り組むべき課題。よいではなく顧客にとって適切が正しい
    ・チープは、従来からの流通の仕組みや慣習とは別の方法で得た安さ、ディスカウントは、生産や加工の慣習や仕組みを変更して得た安さ
    ・トレードオフ ①耐久期間、②頻度・回数、③安全性、④簡便さ、⑤代替性、⑥使いやすい売価 を見直すことで価格を画期的に変更する
    ・特売はのべつまくなしに行われているが、本来そうではない。①見切り、②強調・おすすめ、③コレクション特売(季節品、臨時品揃え)
    ・今日チェーンストアとしてA級にランクされている企業はいずれも、第1号店のときから他社と異なる特性をもった品揃えをしている。
    ・わが店が扱う商品のもつ個性は、独自の製品開発でのみ生まれてくるものであり、そのスペシャリゼーションなくしては、わが社が客にわざわざ選ばれる理由はないという常識。

    目次は以下の通りです。

    本書のまえがき

    1 チェーンストアの商品政策
    2 部門構成と商品ライン構成
    3 適正規模
    4 扱う品と、扱わない品
    5 品目構成
    6 マーチャンダイズ・ミックス
    7 分類=アソートメント
    8 売価と品質
    9 セグメンテーション
    10 特売
    11 製品開発
    12 プレゼンテーションとセルフ・サービス
    13 今後の問題点
    14 誤解されやすいコトバ

    参考図書・資料リスト
    用語解説
    用語索引

  • 昭和58年の初版発行から、30年余り経っても改訂を続ける、チェーンストア経営の基本論であり、唯一のマニュアル書。
    重要な内容が事細かに書いてあり、何度も復読が必要で、完璧に自分の身になった時には、すごい人になれてしまうんじゃないかと思ってしまう程の内容。
    若干現在の仕事とズレているため、難しい(想像し難い)部分が多くあった。いずれ役に立つ事を信じ、最低でも後二回は複読したい。
    チェーンストアに携わる方には必読本です。

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