ただ愛しくて (ヴィレッジブックス F ハ 11-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784789732635

感想・レビュー・書評

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  • 教師のアンは、未婚の母だが息子のデイヴィッドと幸せに暮らしていた。ウェールズに旅行に行った際に、半身に傷を負った男性と知り合い、ひかれていく自分を感じてしまった。二人は別れてしまったが、予想外の出来事が、二人を再度結び付ける。
    すっごく「大人の恋愛」……恋愛?夫婦愛、かな……。な話でした。再会よりも大事なことは、過去に出来事にお互いに傷つき合っている彼らが、それぞれに過去の傷に立ち向かっていくところがぐーっ!できれば、もっと絵をラスト近くにもうまく使ってほしかったが……そこまでは無理か(笑)。みんなで集まったところがすごくよかったです。

  • タイトルどおり、恋愛ものなのですが
    言葉の一つ一つが綺麗で、うるうるしちゃいました。

    抜粋すると、くさいとか照れちゃうとか思うかもしれませんが、その前後の文章もすごく綺麗で、作家さんも訳者さんも言葉を吟味しながら、文章にされていったんだろうな、気をつけているんだろうなと思います。

    「物事の真の意味は奥深いところに隠れている、物事の真の意味はつねに美しい。だって、あふれるような愛があるんですもの」(自然の美、人の見た目について登場人物が語る台詞)

    「人は自分の人生をまわりの状況に順応させ、たとえ一瞬の幸せであろうと、その幸せをつかまなくてはなりません。それができなければ、神の恩寵を受ける機会を逃すことになります。いまがまさに幸せな瞬間ですわ。いつまでも忘れません」
    (散歩をしながら、不幸な過去の事件が話題になり、その後、今は幸せかという質問がでたときの台詞)

    台詞も綺麗ですが、風景の描写もこれまた綺麗です。
    舞台である土地を知らないのに、文章を読むと、自分の記憶の中のきれいな景色が呼び出され、頭の中で構築されて、自分も一緒に見てきたような気持ちになります。
    ああ、本を読む楽しさの一つが、こうして旅する気持ちになることなんだって感じました。

    お話自体は、不幸な過去をもつ男女が出会い、惹かれるというものなんですが、不幸ぶりがもう・・・・・・
    この二人はそれぞれ何て勇気があるんだろうと思います。

    男性は、貴族の家柄で、画家ですが、戦争に参加した軍人で、敵の拷問にあい、片腕と片目をなくします。体の半分は、切り刻まれ、焼かれただれて、子供が見て、怯える姿になってしまいます。
    それでも新たな生き方をというので、貴族の領地の管財人として成功。

    女性は、家庭教師をしている教え子を襲おうとする輩から、教え子を守るのですが、自分がレイプされてしまい妊娠・出産。婚約者に去られ、家族から見放され、一人で教師をしながら赤ちゃんを育てて9年。

    どちらも深い傷を負っていますが、恨み辛みを遠ざけて、自立して、友情をはぐくむ、文字通り大人です。

    派手なアクションもなければ、悪人もいない恋愛もので、そうそう。でてくる人も、敵役がいないのが印象的です。
    ヒロインの家族も、実際会えば、苦悩し、決断し、その結果を抱えきれずまた悩む姿が描かれていて、気持ちのかけちがいの悲しさが出ています。

    主人公たちは結ばれますが、この先がおとぎ話のようにめでたしめでたしだけでは済まないことが、お互いよく分かっています。
    特に、女性の子供と義父としての関わり。
    子供はいつか自分の出生を知ってしまうというのもあるでしょうし。
    でも、これだけ語り合える二人だから、問題解決しながら乗り越えていって欲しいと願うのです。

    何気に読んだけど、もしかしてシリーズなのかな?

  • 顔に傷荘園管理人 × シングルマザー教師

    登場人物が多く、その誰を取っても1冊本が書けるのではというぐらい、濃い本でした。
    ヒーローもヒロインもかなりつらい人生を送ってきたが、逆境に負けず、日々を最善のものにしようとする姿勢がすばらしい。
    描写が丁寧で、読み終わった後もはっきりと頭の中に映像が残るほどの印象を残した。
    出会って恋して結婚してメデタシメデタシとは行かないのが本当の人生。
    ロマンス小説というより人間ドラマというべきかも。
    何度も胸が締め付けられたが、それも含めてすばらしい本です。

  • それまでに読んでいたロマンス本に比べると、ヒーローとヒロインの過去が重すぎてビックリした。
    でもそんな重い過去がある二人だからこそ、ロマンスが必要なんだろうととても感動した作品。
    手篭めにされて未婚の母となったヒロインと戦争で体の半分を損なったヒーロー。二人とも何も悪くないのにアウトロー的存在で、世の中で小さくなって生きていくしかない。
    そんな二人が惹かれあって、寄り添い愛し合う姿に感動する。
    お互いの家族の描写とか、愛を交わす時の変化など、繊細なタッチで綴られているのが良いです。

  • お互いにトラウマを抱えながら、結婚生活で愛し合うふたり。

    バログのいいところは、結婚でめでたし、じゃなく結婚生活を通してじわじわ深まっていくところ。
    そのかわり結婚式がみじめだったりするけど。笑

  • 右目と右腕のないヒーローとヒロインの孤独な境遇の中の恋、切なくて涙々でした。

  • 1作目より切なくてじれじれでよかった。

  • シドナム・バトラーという重々しい名前が似つかわしい
    右目、右腕がないヒーロー。
    ヒロインは、一人で子供を育てなくてはならなくて
    決して幸せとはいえない・・・。
    そんな二人が出会い、惹かれていく。

  • Simply Love by Mary Balogh:
    シドナム・バトラー
    アン・ジュウェル

  • シンプリー・カルテット、第2作

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