- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784790713142
作品紹介・あらすじ
どうして日本は「赤ん坊の生まれない国」に成り果ててしまったのか?小谷教授が過激な筆致で、世間にのさばる根拠なき偏見を一刀両断。「専業子ども」をめぐる世代間関係を描き出す、社会学的物語。
感想・レビュー・書評
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ちょっと古臭いかな?
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烏兎の庭 第四部 書評 8.31.13
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto04/bunsho/jerousy.html -
子ども論というより若者論が中心だった。
若者の変化を社会の変化と結び付けて考えていて、
その変化は大人の変化がつくりだしているというもの。
日本の経済と社会の動向の流れと子どもの変化が、とても分かりやすくまとまっている。
現代の若者には、少年犯罪の凶悪化、いじめ、フリーターやひきこもり、
シングルパラサイト、ニートなどの問題がメディアによってつきつけられている状態。
フリーターやニートは、若者達の怠けが根本原因ではなく、
若年層の労働環境の過酷さが原因なのである。
しかし、現代は若者叩きの若者論が多く見られる潮流であった。
それらは統計上の操作によって、簡単に事実や思考を歪めているのだが、
それがいくつもの例で示されている。
未来志向の思想やヴィジョンを持たない、若者を見殺しにする日本という国で、
これからどのように社会そして子どもは変化していくのだろう。
「専業子ども」の生きてゆく未来はやはり辛く苦しいものかもしれないが、
柔軟なライフコースの可能性、地域と学校が結びついた教育の構想に、私も賛同したい。