- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791110940
作品紹介・あらすじ
かつては「多重人格障害」と呼ばれた病は,誤解を招く用語であるとして現在の世界的な診断基準では診断名として「解離性同一性障害」(略称:DID)と呼ばれていますが,その性質からいまだに非常に多くの誤解を持たれがちであると言えるでしょう。本書は,解離性同一性障害の豊富な臨床経験をもつ著者らが,当事者やご家族のために,主人格や人格交代などの専門用語を使いながらも,事例を交え,時には脳のメカニズムにも触れながらわかりやすく解説しています。解離性障害の患者さんにこれから出会う方々や,これからどのように治療していこうかと思案されている治療者の方々にも役に立つでしょう。
感想・レビュー・書評
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事例がいくつか記述されており、入門としてかなり読みやすいと感じた。
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「本書は解離性障害、特に解離性同一性障害の問題を
抱えた人との臨床経験を持つ4人が書いた本です。主に読んでいただきたいのは、当事者やその家族の皆さんですが、心理士や精神科医の先生方にもぜひ手に取っていただきたいと思います。」
ー本書「イントロダクション」より
主に当事者やその家族に読んでほしいと書かれていることからも分かるが、本書はとても読みやすく、解離性同一性障害(DID)のことをよく知らない人でもすんなり読み進めることのできる、格好のDID入門書だと思う。
私自身DIDについての本を読んだのは、本書が初。
それでも分かりやすく一気に読めた。
豊富な事例、またそれらの事例に対してどのように治療を進めたのか、他の病気とDIDとの違い(特に統合失調症と似ている症状(幻聴など)がある為誤診がよくあるらしい)、またDIDの患者さん(もしくはクライアント)を治療する上での治療構造についてなど、患者本人や治療者が読んでも為になる内容となっている。
黒幕人格こと黒幕さんや、黒幕人格が生まれるまでのメカニズム、人格の統合を目指す治療の是非およびDIDの治療方針について、付録の学会でのDIDについての座談会(多面(私たちが日々家族・友人・パートナー・上司etcに対して使い分ける顔)と多重(DIDの人のように顔の使い分けを制御できない状態)の違いなど特に)なども興味深かった。
DIDについての専門書や手引書はまだまだ少なく、精神科医の間でも診断候補の中にDIDがなく診断ができないことが多いのが現状だそうだが、DIDについてもっと知りたいと思ったので他の関連書籍にも当たりたいと思った。
目次
イントロダクション
第1章 解離の患者さんとの出会い方
第2章 解離を生み出すトラウマ
第3章 治療構造のあり方とその工夫
第4章 家族への対応と連携
第5章 自傷行為と解離
第6章 「黒幕さん」といかに関わるか
第7章 治療による変化とその意義
付録
付録1 黒幕人格が形成される過程について
付録2 座談会――「人格の統合」は治療の目標だろうか?
付録3 コラム 文化結合症候群との関連
付録4 解離の臨床Q&A
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【図書館の電子書籍はこちらから→】 https://kinoden.kinokuniya.co.jp/tit.library/bookdetail/p/KP00077449
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【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/464158 -
とても読みやすく、かわりやすかった。
あまりこういった本を目にしたことがなかったので、解離障害とはどういうものなのか、どういうことがおきていて、それに対してどういう風にとらえ、どうしたら良いのか、知りたいことを知れた。
例がたくさんあり、こんなことも、そんなこともあるのかと人間の脳の不思議さと無限大さを感じた。
一般的な人との違いは何なのか。一般的な人でも持ち得るであろう自分のなかの別な自分。
今は統合というより共存。
この障害を抱える方々の家族にぜひ読んでいただきたい。色々なパターンがあると思うが、治療の流れやなんとなく全体像やしくみがわかる気がする。実際を知ることが大事とおもう。
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7月新着
東京大学医学図書館の所蔵情報
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003613038