死海文書のすべて

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791754137

作品紹介・あらすじ

イエスの時代を解明する鍵としてセンセーションをまき起こし、近年ようやく全巻公開されたテクストを、精緻に吟味し、その謎に包まれた全貌を犀利にときあかした、定評ある最新の研究。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/26608

  • キリスト教文化圏ではない日本人にとっては、この文書発見のインパクトは到底わかりません。
    ってことで、ウィキペディアで調べてみました。

    死海文書の意義:
    ・・・死海文書の発見によって聖書テキストが、時代を経てどれほど変遷しているかを確認することができるようになった。死海文書以前に知られていた最古のヘブライ語写本は、925年頃書写されたと考えられるアレッポ写本(Aleppo Codex、モーセ五書を欠く。モーセ五書を含めれば最も古いのはレニングラード写本)であったので、最古の写本が一気に1000年さかのぼったのである。(ギリシア語テキストでは4世紀のバチカン写本 (Codex Vaticanus Graecus) とシナイ写本 (Codex Sinaiticus) が最古。)死海文書に含まれる聖書テキストを分析すると35%がマソラ本文と一致し、5%が七十人訳聖書の系統であり、5%がサマリア五書の系統に含まれるものである。残りはまったく独自の系統に属するものである。これによって当時のヘブライ語聖書の流動性が示され、第二神殿時代のユダヤ教の実情に光があてられた。
    1996年版の『オックスフォード考古学ガイド』は死海文書について、 クムランで発見された聖書テキストは、エステル記とネヘミア書を除く全ての旧約聖書文書を含み、それまで知られていたどんな写本よりも圧倒的に古いテキストを研究者たちに提供した。死海文書の中のあるものはマソラ本文とほとんどと変わらないが、第4洞窟で見つかった出エジプト記やサムエル記などのテキストのように、マソラ本文との間に非常に大きな違いが見られるものもある。死海文書によってわかったことは、2000年前のユダヤ教文書が現代の学者たちの想像以上に豊富なバリエーションを持っていたことということであり、それによって現代のヘブライ語聖書は歴史的には三つの源(マソラ本文、七十人訳聖書のオリジナルとなったヘブライ語聖書、サマリア五書(サマリア人共同体の伝えてきたモーセ五書))から発しているという広く定着していた仮説が覆されるに至った。現代の研究者たちは紀元100年ごろに行われたユダヤ教での聖書正典化作業以前ヘブライ語聖書の内容は非常に多様かつ流動的なものであったと認識している。・・・

    いくら紀元前の文書だとしても、伝聞による伝聞記録という写本作業、さらに言えば、他言語から他言語への翻訳がどの程度正確に行われていたのかという点は、今となっては検証の仕様がありません。
    つまり、こんな文献もあったという程度の意味しかないように思えますが、信者たちからすればオリジナル原本に近い時代に残された写本という点では無視できないのでしょうね。

  • 青銅の死海文書が財宝の在りかを教えているというBSの番組に興味を惹かれて読んでみたが、そんなセンセーショナルな内容は微塵もなく、きわめて学術的に死海文書についての研究を紹介した本である。
    自分のようなユダヤ教についての知識がほとんどない者でも、それなりに興味を持続させて読むことができた。
    少なくとも、死海文書なるものがミステリアスな文書であるということだけは否定できることがわかっただけでも、この本を読んでよかったと思う。

  • キリスト教の外典について体系的にまとめてある本。こんなに多くの外典をまとめてある資料は初めて見た。

    捕虜の右眼をすべてくり抜き、2度と謀反を起こせないようにしたサウルの話は怖い

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