- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791762255
作品紹介・あらすじ
『ジェンダー・トラブル』で、バトラーはアイデンティティの理解に革命をもたらした。性、セクシュアリティ、ジェンダー、言語、主体をめぐる概念の終わりなき戦略とは?バトラーの理論と格闘するための最良の入門書。
感想・レビュー・書評
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ヘーゲル的主体を進行中の主体であるとするバトラーの見方は彼女のテクストを読む上でとても重要なことで、何故なら彼女は常に問い続けることを念頭に置いているからだ。ある課題に対してなにかゴールを定めることは非中立性を伴っており、そこには排除の可能性も含まれている。バトラーはそのことついて過剰なまでに慎重だ。だからこそ私はバトラーの思考を信頼できるんだなと思った。
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多分、もっともラジカルな「社会構成主義?」ともいえるジュディス・バトラー。
ジェンダーが社会的に構成されるという主張はもっともだけど、セックス(性別)も社会的構成である、というのは、面白くはあっても、????な感じ。
バトラーの文章は難解でなにを言っているかわからないし、その主張(と思われること)も賛成できないところが多い。にもかかわらず、なんか気になって、ときどき読んでしまう。
そんなバトラーの解説書。
まだまだ解説されるほど、過去の思想家ではない、しかもこの本が原著がでて、20年近くたって、その後もたくさんの著作がでている、のだけど、多分、一番、過激だったと思われる80年代後半〜90年代の本の議論をコンパクトにまとめている。
バトラーの議論を相当にわかりやすく整理していて、だいぶ見晴らしがきいてきた感じ。
そして、わたしがバトラーを読みながら、「なんか変じゃない?」と引っかかりながら、明確に言語化できなかった疑問がはっきりと言語化されたうえで、それに対するバトラーの考え、そして、その考えがどの程度まで疑問に答えているのか、どんな批判があるかを整理してくれる。
バトラーの議論は、基本的には、ポスト構造主義的な社会構成の理論とフロイトの心理学的な理論が大きな柱になっているわけなのだが、人の内面にあると思われる心理的なものと、話す行為の裏側にはなんら実在はないのだという考えは、どうも相性が悪い気がしていた。多くの人がそうした疑問をもって、バトラーを批判していたのだな。
やっぱ、普通、そこは無理あるだろうとわたしも思う。
バトラーは、ある意味、「普通、こんなものだろう」という常識をひっくり返す。そこには、なんか不快な感じがあるわけで、多くの論敵をつくってきたのだが、まあ、ある意味、フーコーと似ているんだな。
「今、自然なものとして存在するように見えるものは、じつは社会的に構成されたもので、変えることができる」ということを伝えるための「パフォーマンス」なのかな?
訳者のあとがきには、2000年以降、バトラーの本がわかりやすくなってきたと書いてあって、なるほど。
現実を批判することから、よい世界(?)を一緒に作っていくためのよりポジティブな側面に移ってきている感じは、私もしている。
この「シリーズ 現代思想ガイドブック」は、なかなか良い本が多いな。 -
バトラーについてとりあえず知りたいので。
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まだ読みかけ。