- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791763207
作品紹介・あらすじ
文字の方向やタテ組ヨコ組など、ブック・デザインの詳細な具体例から、デザインの本質が「重力」の演出にあることを論証。この議論をふまえ、多くの写真集をデザインした立場から、写真界の国際的トップランナー荒木経惟、森山大道を徹底分析し、「デザインされた重力」と映画の関係までを語る。
感想・レビュー・書評
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本に仕立てる装丁を業としてきた人の重い気付きなのだろう
縦書き横書き・左綴じ右綴じ何でもありの
日本文化を浮き彫りにする
視点を空にした鳥瞰図の地図と
水平線上から見上げた地図では左右が反転する土竜図だという
星座の図も見上げた図なのでまさに土竜図なのだそうだ
鏡の国と同じく左右が反転して上下はそのままという図である
ないものとされる句読点などの記号については
疑問が残った
字や数字も同じように意味を持たされた記号なのではないだろうか
行間・字間・行替えを単純明快に一定にすることなく
見た目に不自然がないように調整する美学
二章からはワイズマン・ゴダール・荒木・森山と
映像作家を通して哲学倫理学美学を語る
面白くもあり屁理屈のようでもあり
もう少しシンプルになれないものだろうかとも思う
とかくプロというものは視野を狭くして
迷うものだとつくずく思う詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全体に、出版に関するかなり専門的なエッセイ集。
表題は版組の縦横などを重力という言葉に絡めたもの。
とてもよく考察されており、目の付け所などは
赤瀬川原平を感じさせる(氏よりはかなり専門よりだが)。
ただ、それだけに話が深く深く入り込んでしまい、見失ってしまう。