- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791766376
作品紹介・あらすじ
強者はより強者に、弱者はより弱者に-。なぜ世界では不平等と格差が無くならないのか?不確実な時代の真実を解き明かす世界的社会学者の最新成果。
感想・レビュー・書評
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バウマン社会学の主要テーマである(らしい。よく知らないけども!)、消費主義、グローバリゼーション、倫理、不確実性、モダニティ分析などの要素が全て含まれているように感じた。
私はまだ社会学についてあまり詳しくないので、様々な社会学者の主張の引用なども多く、たくさんの知識を得られて面白く感じたが、教授曰く語り尽くされたことのまとめで新鮮みに欠ける、らしい。
読みやすく、わかりやすい例が多く出てくるので、初学者に向いているのかもしれない。
特に「ゲーテッド・コミュニティ」や消費が道徳的であるための行為になっている、悪はどこからくるのか、という話が興味深かった。
メインテーマの社会的不平等と排除についても関心が持てた。不平等をなくすことは現実的に不可能であるので、排除はなくしていかなければいけない、ということを言いたいのであると思う。
バウマンの若い頃の近代とホロコーストや、廃棄される生などのがっつり自分の考えを書いた本も読んでみたい。 -
「コラテラルな犠牲者という言葉は、最近作られた軍事用語であり(略)、意図しない、計画されていない、そしていわば誤って予期せぬ被害を与えてしまう効果を意味する。」ウィキリークスの動画等で有名になったこの言葉。本書では軍事的な巻き添え被害に限らず、著者がリキッド・モダンと呼ぶ後期近代に特有の状況を象徴する言葉として使われる。権力と政治が分離した状況で、国家の庇護を国民に実感させるためにとられる、福祉行政ではなく、セキュリティの強化という手法や、流動化・短期化する労働環境、人間同士の絆に介入する消費主義、等々といった具体的なテーマに沿って語られる11章。