私立大学はなぜ危ういのか

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  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791769926

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  •  日銀出身で山口大経済の教授、そして文教大理事長を務めた著者は流石に大学の実情に詳しいだけではなく、戦後70有余年の教育行政の変遷、デリバティブなどの金融に関して資産運用の危険性を訴える場面では相当詳しい!文科省の長年の無策により大学数増加、学生定員の増加まで招き、それにずるずるストップをかけられずに現在まで続いている…。悲劇というより喜劇のよう!同じ状況に置かれた韓国の「大学構造改革推進計画による定員削減の実施」などに見られる政治の的確な対応との差が目立ち、日本の国としての将来までが昏く感じる次第。私立大学の立場として今後の舵取りの参考になるものではなく、できることとしては、国の無策から未来は確実に暗いこと、その中で就学中の学生を無責任に投げ出さないために、「勇気ある決断をしかるべき時期にするべきこと」を教えられる厳しい本だった。2030年までに多くの大学が破綻に追い込まれるが、金融機関の時とは異なり、公的資金投入はないことが確実視されることは肝に銘じておく必要がある。

  • データをもって今後の大学の需給バランスのとり方を示唆する一冊。

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著者プロフィール

1950年生まれ。
1974年東京大学教養学部教養学科卒業(国際関係論専攻)。
日本銀行に約25年勤務した後、地方国立大学教授を経て、2001年首都圏の私立大学教授。2009年同大学理事長。2016年理事長退任。その後、コンサルティング会社を設立。赤字覚悟で私立大学経営のサポートに当たっている。
趣味は嘗ては欧州旅行。現在は数年前から始めた尾瀬逍遥とクラシック音楽の合唱。「一日一生」という言葉を大切にしたいと思っている。

「2019年 『スペイン巡礼 緑の大地を歩く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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