不如意の身体 ―病障害とある社会―

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  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791771196

作品紹介・あらすじ

異なる人たちの、〈公平〉な社会にむけて
動けない「足」が障害なのか、車いすで移動するのに適さない「社会」が障害なのか。支援するためには病や障害の原因を「同定」することが必須なのか。公平な社会のあり方を考えてきた政治哲学が、障害を取りこぼしてしまってきたのはなぜなのか。
誰もが不利益を不当に被ってしまわない社会――政治、経済を見失わず、確固たる思想的基盤をひとつひとつ作り上げていく、明日の社会のための強靭な思想。

感想・レビュー・書評

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  • [読書]/社会/立岩真也著/不如意の身体/能力主義に異議申し立て | 沖縄タイムス紙面掲載記事 | 沖縄タイムス+プラス(有料会員限定)
    https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/375255

    「不如意の身体」 - 松井なつ代のやま
    https://natsuyono.hatenablog.com/entry/2018/12/06/073927

    立岩真也『不如意の身体――病障害とある社会』| arsvi.com:立命館大学生存学研究所
    http://www.arsvi.com/ts/2018b2.htm

    青土社 ||哲学/思想/言語:不如意の身体
    http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3233

  • 【版元】
    定価 本体2800円+税
    発売日 2018年11月17日
    ISBN 978-4-7917-7119-6

    異なる人たちの、〈公平〉な社会にむけて
    動けない「足」が障害なのか、車いすで移動するのに適さない「社会」が障害なのか。支援するためには病や障害の原因を「同定」することが必須なのか。公平な社会のあり方を考えてきた政治哲学が、障害を取りこぼしてしまってきたのはなぜなのか。誰もが不利益を不当に被ってしまわない社会――政治、経済を見失わず、確固たる思想的基盤をひとつひとつ作り上げていく、明日の社会のための強靭な思想。
    http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3233

    【目次】


      Ⅰ
    第1章 五つある
     1 不如意な身体に五つある
     2 五つについての必然的でない事情、関係・併存
     3 各々について、誰にとっての正負
     4 できないこと
     5 各々について
     註

    第2章 社会モデル
     1 短く言ってみようとする
     2 インペアメントを言う人には苦痛と死を言っている人がいる
     3 インペアメントがある、と言う必要はない
     4 原因と解する必要はない
     5 だれにとってのできないことの得失
     6 分岐は規範の水準にある
     7 社会モデルの本義
     註

    第3章 なおすこと/できないことの位置 
    1 なおすことについて
      1 なおすことについて
      2 例えば脳性まひ
      3 考える場はあること
      4 例えば脳性まひ・続
      5 ほぐしていくこと
      6 近辺でなされた仕事の例
    2 できないことの位置
      1 できなことは何と言うか
      2 A:できないがべつに・対・B:あればできる
      3 存在証明という方角もあるが


    第4章 障害(学)は近代を保つ部品である、しかし 
     1 近代、とその次?
     2 障害とは何か、とは問わない
     3 非‐能力/障害
     4 批判者である障害学は願いをかなえもする
     5 しかしとどまることはしない
     6 ではどんな方向に行くのか?
     註

    第5章 三つについて・ほんの幾つか
     1 異なることについて
     2 苦と死
     3 表わすこと
     4 慰めること
     註

    第6章 加害のこと少し
     1 厄介であること
     2 社会防衛が護るもの
     3 やがて社会防衛が一部で否定される
     4 基本的には加えることがないこと
     5 それでもどちらがよいかと考えることはできる
     6 免責と免責されても残るもの
     7 範疇・確率
     註


      Ⅱ
    第7章 非能力の取り扱い――政治哲学者たち
    1 政治哲学者たち
      1 言われたことを検討すること
      2 ロールズ・1
      3 ロールズ・2
      4 ロールズ・3
      5 ヌスバウム・1
      6 ヌスバウム・2
      7 ヌスバウム・3
    2 代わりに
      1 有限であり、既にあり、隔たりがあること
      2 へ/の
      3 において
      4 根拠?
      5 効用を狙った、実行における平等のための、手段の提供
      6 如何ともし難い、ように思えるもの
      7 知性・理性について
      8 幸/不幸
     註

    第8章 とは何か?と問うを問う
    1 星加良司『障害とは何か――ディスアビリティの社会理論に向けて』
      1 検討に際して
      2 批判篇の行論
      3 インペアメントの棄却
      4 しかし分け隔てるものがある、ようだが
      5 原因論
      6 帰責性による解釈の処理
    2 榊原賢二郎『社会的包摂と身体』
      1 同定という行ない
      2 局所?
      3 むしろ動きを捉えること
      4 まずは、身体に関わってできない(+違っている)こと、程度で
     註

    第9章 普通に社会科学をする
    1 どこを出発点におくか
      1 星加規範論の仕組み
      2 不利益の集中
      3 定義としては成立しないが
      4 不利益の集中(複合化・複層化)が肝心とされること
      5 総合評価について
      6 大変さを示すことで要求するのがよいか
    2 大きな話は終わっていない
      1 ではどうするか?
      2 社会(科)学は
      3 ただ一つひとつ応ずればよいではないか
      4 嘘を言うから「障害」が要ると言われる



      Ⅲ
    第10章 ないにこしたことはない、か・1
     1 どんな主題なのか
     2 死なず痛くなければよい、とはいえ、できるにこしたことはない、か?
     3 できることは必要だが、私が、である必要はない
     4 支払いをみると、他人にやってもらった方が楽なことがある
     5 得たいものは、因習にこだわらなければ、さまざまに得られる、こともある
     6 そこに肯定されてよい世界が現われ、そしてそれは障害であることと両立する
     7 選択の幅が広い方がよいから、とも簡単に言い切れない
     8 他方、周囲の人にとってはないにこしたことはない
     9 補足1・「社会モデル」の意味
     10 補足2・差異と平等/社会モデルと文化派

    第11章 なおすことについて 
    1 はじめに
    2 調べてみたらよいと思う
      1 対立のある場面を調べること
      2 大衆化する手前のこと
      3 たとえば
    3 場にあるもの/ないもの
      1 失われるものが測られない
      2 なおす人は見ない
      3 本人に決めてもらうという案
      4 社会的利益と損失
      5 価値

    第12章 存在の肯定、の手前で 
    1 存在を肯定する作業療法はあるか?
    2 痛みと死をもたらす病に
    3 障害の諸相、のうちの異なり
    4 できる/できない
    5 補うこと/してもらうこと
    6 しかし社会は
    7 仕事の場合は境界が異なってくる
    8 常に当座できることはある

    第13章 障害者支援・指導・教育の倫理 
    1 現況とそこで倫理を問うことについて
    2 病・障害にある成分
    3 自閉圏はどう捉えられるか
    4 なすべきことの実現は可能でありそれは自閉圏の出現が示している
    5 基本的に同じことが現場についても言える
    6 もとからなくすことは正当化されない
    7 分けることについて
    8 教育・療育
    9 マニュアルの使い方

    第14章 リハビリテーション専門家批判を継ぐ 
    1 批判の相手はかつて褒め讃えた人であったこと
    2 相手はどんなところにいる人たちなのか
    3 すくなくとも私が教わること

      Ⅳ
    障害学の本・1(医療と社会ブックガイド・24) 
    障害学の本・2(医療と社会ブックガイド・25) 
    障害学の本・再度(医療と社会ブックガイド・38) 
    『障害の政治』(医療と社会ブックガイド・66) 

    あとがき
    文献表

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著者プロフィール

立岩 真也(たていわ・しんや):1960年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。社会学専攻。著書に『私的所有論 第2版』(生活書院)、『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術』『造反有理――精神医療現代史へ』『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』(以上、青土社)、『介助の仕事――街で暮らす/を支える』(筑摩書房)、『自由の平等』(岩波書店)、『自閉症連続体の時代』(みすず書房)、『人間の条件――そんなものない』(新曜社)など。共著に『ベーシックインカム――分配する最小国家の可能性』『税を直す』『差異と平等――障害とケア/有償と無償』『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』(以上、青土社)、『生の技法――家と施設を出て暮らす障害者の社会学』(生活書院)ほか多数。

「2022年 『人命の特別を言わず/言う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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