エドワード・ホッパー ―静寂と距離―

著者 :
  • 青土社
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本棚登録 : 80
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791772346

作品紹介・あらすじ

妄想を誘発する〈絵画〉
どの絵からも、都会の孤独、犯罪のにおい、エロティックな妄想など、見るものにさまざまな「物語」を立ち上がらせる、ホッパーの世界。現代人の孤独感・喪失感・疎外感を体現させ、その人気は絶対的にNo1。都会の郷愁溢れる、ハードボイルド的・サスペンス的な、ホッパー描く「光と影」の魅力を、大胆自由に考察する。

感想・レビュー・書評

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  • エドワード・ホッパーの絵を初めて観たのは1993年上野の森美術館のMoMA展での『ガソリンスタンド』だ。その時の展覧会での目玉はゴッホの『星月夜』で、もちろんホンモノを観れて感動した筈だが当日一番心に残ったのがホッパーだった。
    以来画集を眺めたり展覧会が開催されると観に行ったりするような好きな画家の一人となった。
    写実的っぽいのになんか郷愁を感じさせるタッチ。現代的な孤独感。何故そんなに惹かれるのか。自分でもよく説明できない。
    そんなモヤモヤ感をクリアにしてくれたのが、この本である。
    ホッパーの絵に出てくる人物はどれも表情が無い。絵のストーリー性も主張しない。しかし観る者がそれぞれストーリーを組み立てる。アメリカン・ハードボイルドの世界感に近い。ダシール・ハメットやヘミングウェイに通づる。その手の小説が好きだから惹かれてるのかと納得。そして代表作『ナイトホークス』について語る項では、マイケル・コナリーのボッシュを引き合いに出しており、個人的に、そうそう!と膝を叩く。一度見たら忘れられなくなるような印象をあたえる絵がホッパーなのだ。
    あとがきで紹介していた『短編画廊』も是非読みたい本のリスト入り。

  • ホッパー絵画の時が止まった感じとか人物の表情のない静けさの魅力を文章で整理することができる。

    作品はオールカラーにするとよかったかも

  • 中野京子さんの本から、エドワード・ホッパーのナイトホークに惹かれ、さらにホッパーを知るために読んでみた。
    専門的な評論で、素人の自分には難しく、理解度は50%くらい。ホッパーの絵は多くを語らないが故に、鑑賞者が自らを投影しやすいと。なるほど、たしかに、ホッパーの絵の人物は表情が少ないし、街には人々の生きている様子が感じられない。だからこそ、時代も場所も離れた我々が惹かれるそうです。

  • あまり美術評論という感じはしなかったのだが、この方、文化人類学者なんですね。

  • 著者のホッパー鑑賞体験が書かれてる ホッパーのタッチに迫る解読が欲しい 主観的な感想文ぽさ 不必要な言い回しが読みづらくさせてる

  • そんなでもない。

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著者プロフィール

1938年東京都生まれ。文化人類学者。東京大学大学院修了、大阪大学で博士号取得。東南アジアをはじめ各地でフィールドワークに従事。元文化庁長官、大阪大学名誉教授、前国立新美術館館長。主な著書に、『儀礼の象徴性』(1985年、岩波書店、サントリー学芸賞)、『「日本文化論」の変容』((1999年、中央公論新社、吉野作造賞)などがある。

「2023年 『佐藤太清 水の心象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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