オウム真理教元幹部の手記

著者 :
  • 青林堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784792606404

感想・レビュー・書評

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  • 予想を超える面白さ。他のオウム元信者の手記や評伝とは異なる生々しさがある。はじめて麻原と出会った際に受けた「霊能力」に圧倒された著者だが、他の幹部ほどには強い帰依の念はなかったというのが面白い。地下鉄サリン事件の起きる前年の末、著者はオウムシスターズと呼ばれた女性出家信者と駆け落ちのようにして施設から脱け逃亡生活を送るくだりは、現実の出来事とは思いないような眩暈感がある。

  • 駄作。
    最初から最後まで誤字脱字だらけ。元幹部、というほど上の人でもないし、結局ほとんど関与してない、殺意はないから無罪だ、ヨーガが学びたかっただけ、などオウムについて知りたい人が読む本ではなかった。

  • オウム真理教事件が起きた1995年当時、信者の間で人気があったことが垣間見られたシーハ師の手記。マハームドラーによる解離を体験することを拒否していたため、ポアなどの活動には関わっていなかったが、松本サリン事件に警備役として関与していたため、懲役18年を宣告され、刑期を終えて出獄した。全般的に内部の人間関係を覚めた目で見ていたことがわかり、そのことだけでも興味深い。また、いつの間にか欠落していたパイロット・ババやカール・リンポチェの関与についても描かれているのが特筆に値する。さらに、著者は、麻原が初期には能力者であったことを率直に認めている。そして、著者の男女関係との絡みで、麻原による「白いイニシエーション」の実態も明らかにされている。これもいつの間にかうやむやにされていた逸話だ。さらに、ある脳機能学者が元信者の女性と結婚したことが話題になったことがあるが、実は、その女性がシーハ師の妻であり、その女性から偽装離婚ということで持ちかけられた離婚届に署名捺印をしたところ、その直後にその女性と脳機能学者が結婚したことが暴露されている。当時は女性の再婚禁止期間が半年だったが、それが満たされていたのかという疑問も浮かんだ。シーハ師は、松本サリン事件で、散布車の後ろの車に乗車し、サリン散布の妨害に対して生身で阻止する役を仰せつかっていた。サリンの致死性について理解していれば、ありえない役目だ。にもかかわらず、このような罪に問われたことにはいまだ納得していないことを正直に認めている。オウム真理教の内部事情について次々と手記が公刊される中で、本書は興味深い位置を占めている。

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