カッコウはコンピュータに卵を産む 上

  • 草思社
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本棚登録 : 510
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794204301

作品紹介・あらすじ

発端は75セントだった。研究者のコンピュータ・システムの使用料金合計が75セントだけ合致しない。天文学研究のかたわら、新米のシステム管理者となった著者の初仕事が、その原因の究明だった。どうせプログラムのミスさ、と軽い気持ちで調査するうちに、正体不明のコンピュータ・ユーザーが浮かび上がってきた。-ハッカーだ。誰かがコンピュータに侵入している。しかもこのハッカーは、研究所のコンピュータを足場に、国防総省のネットワークをくぐって各地の軍事施設や基地のコンピュータに侵入し、陸軍のデータベースを読みあさって、CIAの情報にまで手をのばしている。この電子スパイの目的は何か。どこからどうやって侵入しているのか。そしてその正体は?世界中に報道された国際ハッカー事件。そのハッカー相手に孤軍奮闘した若き天文学者がみずから書き下ろした、電子スパイ追跡ドキュメント。

感想・レビュー・書評

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  • わたしがITシステムネットワーク管理者を目指すきっかけになった本です。上下巻。アメリカ国防総省、CIAと電脳追跡に実話を当事者が小説風に書いています。小さな気づきからのスリリングな頭脳戦。で、こういう風に世の中を守る職業もあるんだな!と知って、すぐ情報処理の書籍を買い資格取得勉強を始めた事が今でも鮮明に覚えています。この世界なら運動神経が鈍い筋力も弱い女のわたしでも、悪い人から世を守れる!って目指す職業を決めたんですよね。

  • これは読み応えあり!ただ、作者とハッカーの戦いを日誌ベースで描かれているので、かなりヤキモキ。今回の上巻でハッカーの所在がだいぶ掴めた。下巻が楽しみ楽しみ(^^)

  • 物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
    東大OPACには登録されていません。

    貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
    返却:物性研図書室へ返却してください

  •  アメリカ人天文学者、クリフォード・ストールによる作品。自らのハッカー追跡の経験を描いた、ノンフィクション小説。著者はユーモアたっぷりで、学者とは思えないほど文章がうまく、読者を作品の世界に引きこんでいく。
     ちなみに筆者はTEDにも出ている。
    http://www.ted.com/talks/lang/en/clifford_stoll_on_everything.html
    これを見ると、どのような人物か、わかっていただけると思う。

  • コメントは下巻にまとめて

  • wired・ギークカルチャー・3位

    mmsn01-

    【要約】


    【ノート】
    (wired)
    システム管理者だった著者がひょんなことから見つけたハッカーは、国防総省やCIAの端末にまで侵入していた。ハッキングを世に知らしめた傑作電子犯罪ドキュメント。

    ◆ユーザーからのコメント
    実話だけどおもしろい。ハッキングされた側がハッカーをどんどん逆探知して探す話/天文学者のハッカー追跡。追跡者の考え方が面白い/この本は大好きで人にあげまくったなぁって、いま手元にないやw/あーこれも面白かった。中一のときかな、実話なのにミステリみたいで/たった75セントから始まるネット黎明期の追跡劇。ネットに残る足跡からハッカーを追う過程は推理小説のようだった/高校生のとき、ものすごくわくわくしながら読んだ。これがいまの私の仕事につながっている/ギークカルチャー分野はこれだなぁ。ありえないほど面白い本だった/この本を読んでハッカーとクラッカーの違いを憶えたっけ/これ読んだころは「地球の裏側にあるコンピューターにアクセスして……」なんてまったくの絵空事だった/当時はベストセラーになったのよ。クラッキングを世に知らしめた名著

  • 天文学者であるクリフは、研究所のコンピュータ・センターに職場替えになった。新米のコンピュータ管理者として、また天文関係のプログラマーとしての日々が始まった。コンピュータ課金システムを調べていた時に75セントだけ収支が合わないことに気が付いた。それから、思いもしなくハッカー追跡をすることになっていく。

  • 007.3-スト-1・007.3-スト-2
    300171659・300171667

    夜明けまで犯人を追う.以前ある出版社がミステリーフェアを行ったときに,書籍の帯に書いていたキャッチコピーである(そのものではないので注意).ミステリーを読んで徹夜したという意味なのだが,これが現実になってしまった顛末記が本書である.
     アメリカの某研究所に勤務する本職は天文学者の主人公.コンピューターにも詳しく,研究所のコンピューターシステムの運用もしている.そんな或る日,コンピューターの不正使用の痕跡を見付けたことからその犯人を追う日々が始まる.
     カッコウの仲間の鳥には托卵という面白い習性がある.卵を他の鳥の巣に産み付け,その鳥に雛を孵し育ててもらうのである.雛は自身が確実に成長するために,その鳥の本当の卵よりも僅かに早く孵り,他の卵を巣の外に落としことで食料を独占する.コンピューターへの侵入者はまさしくカッコウさながらに,侵入したコンピューターに卵を産み付け違法行為を繰り返す.
     1990年代前半,コンピューターネットワークが徐々に発展する中で,ネットワークを通じてコンピューターに侵入し不正使用するという事件が多発した.これはアメリカに限ったことではなく世界各地で,もちろん日本でも起こっている.事実,私が管理するコンピューターも侵入を受け,著者と同様犯人を追ったことがある.今で言うサイバー犯罪,ど素人の何の権限も無い人間に国境を越えた侵入者を追い切れるはずもなく,解決には至らなかった.本書の舞台は1980年代後半のようだが,私が出会ったケースよりも遥かに充実した捜査が行われている.
     現代社会はコンピューターに依存しており,コンピューターウイルスを始めとしてサイバー犯罪は社会の存続を危うくするテロリズムといえる.発刊当時の帯に“セキュリティマニュアル”と書いてあったらしい.今となってはそうとは言えない部分も多いが,事件の記録として十分参考になる.そして考え方のマニュアルとして古びることは無いであろう.
     コンピューターに興味があるならば,『闘うプログラマー』も併せて読むと得るものがきっとある.

  • 2015/06/30 読了

  • 1980年代半ばに起きた、著者が体験したハッキング事件を描いた本です。翻訳本が発売された当時にも読みましたが、今読んでも面白いです。
    今は一般人でもネットワークセキュリティには注意していますが、この当時はまだセキュリティに対する一般的な関心は高くありませんでした。そんな古き良き時代のおおらかさを感じさせる部分も楽しかったです。

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著者プロフィール

クリフォード・ストール(Clifford Stoll)
1950年、ニューヨーク州バッファロー生まれ。ニューヨーク州立大学を経てアリゾナ大学で博士号取得。天体物理学者。ローレンス・バークレー研究所のシステム管理者だった1986年、同研究所のシステムを経由して軍関係のサーバへの侵入を繰り返すハッカー発見、追跡。この事件は世界的に報道され、自身の体験をまとめた本書はベストセラーとなった。のちにハーバード・スミソニアン天体物理学研究所に勤務、現在はバークレーに戻って家族と三匹の猫とともに静かな暮らしを愉しんでいる。著書に『インターネットはからっぽの洞窟』『コンピュータが子供たちをダメにする』(ともに草思社)。

「2017年 『文庫 カッコウはコンピュータに卵を産む 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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