遅い光と魔法の透明マント: クローキング、テレポーテーション、メタマテリアルを実現した光の科学の最先端

  • 草思社
3.16
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本棚登録 : 64
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794220523

作品紹介・あらすじ

実はいま、光の科学が、信じられないくらい進んでいる!光を自転車並の速度に遅くしたり、完全に止めることが可能に! 透明マントも理論的にはできることがわかり、どんどん実験が進んでいる! 光を使った量子コンピュータや暗号技術が世界を変える? いま、現実に起こりつつある革新的な光の科学の進展を、
古今のSF作品で描かれる夢の科学技術と比較しつつ紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 相対性理論を手短に扱っていて面白かった。

    ・これから類推すると、アインシュタインが第二の光波を眺めたとき(光の速度の列車に乗って並進する光を見ると)、それは止まっているように見えるはずだ。だが、マクスウェル方程式には真空中の高速は一定であるという解しかない。言い換えると、山と谷をもつ光波はけっして停止したり遅くなったりせず、真空中ではどんな場合も秒速30万キロメートルで動きつづける。
    …アインシュタインはここから常識を覆す劇的な結果を導いた。一つは、物体の長さと時間はけっして変わることのない一定の値ではなく、速度によって変化するというもので、このため静止している観測者から見ると、運動している物体の長さは縮み、運動している物体上の時計は時間の進み方が遅くなる。

    ・特殊相対性理論からは従来の物理学と根本的に異なる予測が導かれるが、その中で本章のテーマにもっとも関係があるのは、いかなるものも光速を超えることはできないという結果である。なぜせんなことが言えるのかは、特殊相対性理論を記述する数学を見ればわかるし、そこから得られる結果の物理学的意味を考えても理解できる。数学の言葉を使って言えば、物体の速さがcを越えてしまうと、負の数の平方根を扱わなければならなくなって、特殊相対性理論の式に不都合が生じてしまうのだ。

  • メタマテリアルについて知りたくて読んだ。

    SF小説や映画と、物理学における光学の知見が平行して解説されていくんだけど、

    やっぱり、SFの突拍子もないアイデアを、いちいち科学的に可能かどうかを検証していくのって、完全に興ざめだよね。

  • 透明化技術、量子テレポーテーションなど最先端の技術を、光を専門とする物理学者である著者がわかりやすく解説しています。本書では、現実の光の科学技術を単に紹介するだけでなく、どのくらいSFに近づいているかを検証したり、あるいはSFの設定を実現することがなぜ難しいかを解説したりと、最先端の光科学とSF作品の技術とを比較しているのも、面白いところです。(計数工学科)

    配架場所:工6号館図書室
    請求記号:24:P:6

    ◆東京大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2003194508&opkey=B147788290728337&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=6&cmode=0&chk_st=0&check=0

  • ボブ・ショウの名作「去にし日々の光」は、低速の光が研究テーマになる以前の作品だそうです。恐るべしSF作家の創造力。
    とは言うものの、SF作品との絡みの記述が多過ぎて少し面倒くさい。SFを全く読まない人には読むのが少し辛いかもです。文章も、読みにくくはないけど(原文のせいか翻訳のせいか…訳者あとがきから察するに後者か)あんまり面白くなくて、ネタが一級の割にはページが進まない。

  • 案外難しくて途中で読むのやめちゃった

  • 光学迷彩、ワームホール、テレポーテーション、量子コンピュータとか興味ある人にはオススメ。
    SFと現代科学の到達状況についてまとめられている。量子力学の基本知識がないと、若干難しい内容だと思う。

  • いや~、勉強になった。遅い光などがあるとは知らなかった・・・

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著者プロフィール

米エモリー大学物理学教授。ペンシルバニア大学にて博士号。多数のポピュラーサイエンスの著作があり、テレビ等への出演も多い。邦訳されている著書に『泡のサイエンス̶シャボン玉から宇宙の泡へ』(紀伊國屋書店)がある。

「2014年 『遅い光と魔法の透明マント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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