東大教授が教える知的に考える練習

著者 :
  • 草思社
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本棚登録 : 295
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794223227

作品紹介・あらすじ

膨大な情報を、頭の中でどう知性に変換すればいいのか?

「考えるとは情報を『調理』すること」
「忘れてしまう情報は、どんどん捨ててかまわない」
「記憶することに能力を費やすのではなく、考えることに能力を使うべき」
「思いがけない組み合わせを考えよ」

本書は、高校へ行かず、通信制大学から独学で東大教授になった著者が、大量情報時代に必要な新しい「頭の使い方」を紹介するものである。
日々インターネットを通じて流れてくる情報を見るだけで精一杯。あまりにも情報がありすぎてじっくり考えることができない。そもそも大量情報時代においてじっくり考えることとはどういうことなのか? たくさんの情報を使って何をすればいいのか? ……このような現代ならではの問題・疑問に答え、勉強においても、仕事においても、人生においても応用できる、あらゆる思考のもとになる「考える土台」が身につく本。著者が日々実践する大量情報を処理するための工夫やコツが満載。「知的に考える練習」を通じて、たんなる情報の受け売りではなく、どんな状況においても、自分自身の独自の考え、メッセージを自由自在にアウトプットする力が磨かれる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 1960年代に出版された「知的生産の技術」、70年代の「父機生活の方法」、90年代の「超整理法」などの流れにのる「現代のような情報洪水の中で、知的に考えるための極意の基本」を誰にでもわかりやすく書いた本であると感じた。東大教授は著者はたしかにそうであるし、「拍付け」の意味もあると思う(笑)

    内容はシンプルながら情報が簡単に検索できるからこそ、「考えること」の重要性が増しているとしていて、その頭の使い方を解説している。

    以下、各章ごとにまとめてみる。

    1章 情報洪水時代で変わる「頭の使い方」

     情報を取捨選択をするうえで、考えることが重要になり、頭の良さには瞬発的な回転力と深く考えることの2種類があるが、日本人は「正解を求める」ことに重きを置くので、「知る」のではなく「わかる」ことに重点を置く。

    2章 頭の中に質の良い情報が集まる「網」を張る

     情報の取捨選択をするためには、自分の専門外も含めて網をしっかりと作り、そこで引っかかるものを待つという姿勢で行く。「問題意識を持つこと」が大切。

    3章 知的に考えるための「調理道具」を揃える

     考えるための土台作りが大切であり、抽象化して構造を捉えることが大切であり、<幹をつかむ><共通点を探す><相違点を探す>ことを情報整理をしながら行うとよい。

    4章 情報は流れてくるまま、流しっぱなしに

     情報そのものよりも、情報をどのように加工して何のために使うかが重要であり、読書は能動的な唯一のアクションである。時が熟することも大切である。

    5章 頭に残った情報は熟成し、やがて知性に変わる

     頭に残った情報が「思考の枠組み」になり、異なる情報の問題等を結びつけることが重要である。

  • たくさんの情報をどう自分のものにするかを説明した本

    捕まえた情報を自分のものにするには
    一言で分かりやすく相手に伝え
    一見関わり合いのなさそうな情報の共通点も相違点を見つけること
    この思考のクセをつけることが大切らしい

    やはり思考には正解はないし
    物事の見方や見え方も人それぞれ
    相手の言うことも受け入れべきだし
    わたしの話したことも受け入れるべき
    多少の好みはあるだろうけど

    考えることには終わりはなくて
    生きるということは考え続けることなんだなあ

    この本から学んだこと
    情報を得たら
    誰かに一言でわかりやすく伝える
    共通点と相違点を見つける
    抽象化と具体化の繰り返し
    自分の生活や環境に置き換えて想像することのは大切さ

  • 時代の変化により、大量の情報にまみれながらも、考えることの重要性が増してきている。
    そのような時代ので、本書は、どのように情報を取捨選択し、どのように考えれば自分の知性にできるのかを具体的に示してくれる。

    日々触れた情報を垂れ流しにするのではなく、抽象化し、他の情報との共通点を見つける、似ているものの違いをみつける、をやってみようと思う。

  • タイトルだけ立派。【2022年4月25日読了】

  • 情報社会でどう入ってきた情報を処理していくべきかが書かれていた。考えること は大切ですね。

  • 変化の激しい今の時代だからこそ深く考えることが重要という本。

  • 最近、情報を流し見しているだけであまり考える事をしなくなっていたのでタイトルに惹かれて購入。
    一見全く違う事でも共通点を見つけたり、逆に同じ事でも相違点を見つけることが大事。
    ためになる部分はあったが、もっと具体的な方法が細かく書かれてと思ったので、個人的には少し物足りなかった。
    また後半は同じ事が割と書かれていて(それが相当重要という事なんだろうが)、流し読みしてしまった。

  • 「正解を探すことは考えることにつながらない」その通りだと思います。これまで正解ばかりを意識していましたが、改めて考えることの重要性を感じました。
    できなくてもいいので、クセをつけることから私自身も始めていきたいと感じられる内容でした。

  • 「『正解』を探すことは考えることにつながらない」ということを再確認。「幹をつかむ、共通点を探す、相違点を探す」で土台を作る、「できなくてもかまわない、クセをつけることが大事」ととく。本のタイトルに「練習」とあるので、考えることの大切さを訴えるよりも、具体的な練習方法にウエイトをおいた内容だともっと良かった。

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著者プロフィール

柳川範之(やながわ・のりゆき)東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授。中学卒業後、父親の海外転勤にともないブラジルへ。ブラジルでは高校に行かずに独学生活を送る。大検を受け慶應義塾大学経済学部通信教育課程へ入学。大学時代はシンガポールで通信教育を受けながら独学生活を続ける。大学を卒業後、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。主な著書に『法と企業行動の経済分析』(第50回日経・経済図書文化賞受賞、日本経済新聞社)、『40歳からの会社に頼らない働き方』(ちくま新書)、『東大教授が教える独学勉強法』『東大教授が教える知的に考える練習』(草思社)などがある。

「2023年 『東大教授が教える 「自分の頭で考える力」の鍛え方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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