- Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794223968
作品紹介・あらすじ
山東京伝や恋川春町らで世を沸かせ、歌麿を磨きあげ写楽を産み落とした江戸随一の出版人・蔦屋重三郎(蔦重)。
出版者であり編集者であり流通業者であると同時に、流行を仕掛け情報を発信する辣腕メディアプロデューサーでもある。
そして何より、新しい才能を見出し育てあげて世に出し、江戸の日本の文化を変えた巨大な創造者でもあった。
時に為政者の弾圧にあいつつ「世をひっくり返す」作品を問いつづけた稀代の男の波乱の生涯を、江戸の粋と穿ちが息づく文体で描き切った渾身の時代小説!
蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)=蔦重(つたじゅう)
寛延三年〜寛政九年(1750-1797)
江戸の名物本屋。話題作を連発する一方、才能発掘や価値創造にも卓越した冴えをみせた。
喜多川歌麿(きたがわ・うたまろ/うたまる)
宝暦三年〜文化三年(1753-1806)
天才的浮世絵師。重三郎との出逢いで美人画に開眼、抜群の才を誇った。春画でも卓越。
山東京伝(さんとう・きょうでん)
宝暦十一年〜文化十三年(1761-1816)
江戸を代表する戯作者。絵師として出発し流行作家となる。長きにわたり絶大な人気を得た。
恋川春町(こいかわ・はるまち)
延享元年〜寛政元年(1744-1789)
黄表紙なる江戸文芸の新分野を拓く。文ばかりか絵も洒脱で滑稽味に溢れる多彩多芸の人。
朋誠堂喜三二(ほうせいどう・きさんじ)
享保二十年〜文化十年(1735-1813)
人気戯作者。黄表紙を中心に作品多数。表の顔は武士で、出羽国久保田藩の江戸留守居役。
北尾重政(きたお・しげまさ)
元文四年〜文政三年(1739-1820)
浮世絵師。親分肌で京伝や政美を育てただけでなく歌麿、鳥居清長にも強い影響を与えた。
大田南畝(おおた・なんぽ)
寛延二年〜文政六年(1749-1823)
狂歌壇の領袖。早熟の文人で天明期に圧倒的な存在感を示した。蜀山人、四方赤良は別名。
葛飾北斎(かつしか・ほくさい)=勝川春朗(かつかわ・しゅんろう)/北斎宗理(ほくさい・そうり)
宝暦十年〜嘉永二年(1760-1849)
浮世絵師。駆け出し時代に蔦重の知遇を得る。後に偉才を存分に発揮、絵師として大成する。
曲亭馬琴(きょくてい・ばきん)=滝沢瑣吉(たきざわ・さきち)
明和四年〜嘉永元年(1767-1848)
読本作家。京伝の紹介で蔦屋に寄宿。寛政期から著作に専念、読本で随一の物書きとなる。
十返舎一九(じっぺんしゃ・いっく)=重田幾五郎(しげた・いくごろう)
明和二年〜天保二年(1765-1831)
戯作者。瑣吉と入れ替わるようにして蔦屋へ。『東海道中膝栗毛』の大成功は享和期のこと。
感想・レビュー・書評
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大河の予習
なかなか読み進められなかった(^^ ;
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やっと読み終わったぁ。
蔦屋重三郎と北尾重政は、大好きな「居眠り磐音」シリーズに出てくるし、こういう伝記っぽい本はだいたい夢中になって感動しちゃうもんなんだけど、これはほとんど入り込めなかったわ。
すごくおもしろそうで、読むのを楽しみにしてたんだけど。
期待が大きすぎたか。
日本史の教科書なんかに出てくる有名な戯作者や絵師たちが登場して、それぞれキャラが立っているところは非常によろしいんですけれども、どうも文章表現が気取っていて、私の好みではなかったのかな。
中でも「〜してみせた[みせる]」という文末が多用されていて、ちょっとうんざり。
ひどいときは一文に二度出てきたことも。
気づけばいつのまにか結婚してるし、蔦重。
なれそめとか、もうちょっと知りたかったなぁ。
ちょこちょこ登場する割には最後まで「妻」で、名前すら出てこないんだもん。
あくまでも「本屋」としての蔦重を描いたということなのかもしれないけど、こういう端折り方も入り込めなかった一因かなと思います。
私としては、恋川春町と幾五郎(十返舎一九)が好き。
この2人が出てくると、ぐっと場面が引き締まる感じがした。