文庫 鬼谷子: 中国史上最強の策謀術 (草思社文庫 た 7-1)

著者 :
  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794224569

作品紹介・あらすじ

数多ある中国古典の中でも、異端の書として名高い『鬼谷子』。
「孫子」こと孫臏(そんぴん)に兵法を授けたとされる鬼谷(鬼谷子)の思想をまとめた、
この知られざる古典は、中国の戦国時代に諸国の王たちを動かした「策謀術」であり、
弁舌と頭脳で乱世を渡り歩いた遊説家の英知が結実したリアリズムの書でもある。
時には道徳すら武器として用いて強者を思いのままに動かす、
恐ろしくも実戦的な中国古典の真髄を解き明かす。

単行本『鬼谷子』の文庫化。副題を「中国史上最強の策謀術」に改めました。


はじめに 『鬼谷子』、ここに解禁
0章:『鬼谷子』とはなにか?
1章:『鬼谷子』の基本言葉を支配する者がすべてを支配する
2章:「象比(しょうひ)」と「飛箝(ひかん)」――相手の本心をえぐり出す技術
3章:「内揵(ないけん)」――「つながり」を利用し心の内側から説得する
4章:「揣摩(しま)」 ――感情の「割り符」で人を動かす技術
5章:「忤合(ごごう)」と「抵巇(しぎ)」―― 一〇〇%安全をはかる身の処し方、去就の操り方
6章:対話の本質はなにか?――最も危険な罠にはまらないために
7章:本経陰符(ほんぎょういんぷ)七術」――言葉のやりとりは気の戦いである
おわりに――なぜ『鬼谷子』だったのか

感想・レビュー・書評

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  • 鬼谷子が実在したかは疑問視されていたり、謎が多いそうです。
    中国戦国時代に各国の王を弁舌で動かしてきた「縦横家」たちの策謀のための言葉の技術と理論を問いた本「鬼谷子」。

    中国の戦国時代の小説やドラマをみていると活躍している縦横家。
    ただの口の上手い人だと思っていたらそうではなく、ちゃんとした「術」なのですね。
    張儀や蘇秦といった縦横家たちはなんであちこちの国を渡り歩くんだろう、と思っていたら理由があったのですね。
    戦国時代への理解が深まりとても有意義でした。
    営業や交渉のビジネス書みたいで勉強にもなりました。

  •  何らかの目標を人を動かして達成するための術とのことで、東洋版の弁論術ともいえる。ただの弁論術と違うのは自身の生命の安全をも考慮したものとなっていることである。相手の考えを見極めるための話し方、聴き方に始まり、相手の性格や、考え方に基づいて説明の仕方や説得の方法を変える方法をいくつかのパターンで示しており、実用の書であることをうかがわせる。さらに、問題が発生した場合の対処法や身の引き方など、目標を達成するだけでなく生き残るための知恵がある。また、芯を持つこと、すなわち何をすべきかという「志」、すなわち目標がしっかりしていることで、惑わされることがなくなる。そのためにどうするべきかという、心の在り方、コントロールの方法についても触れられている。
     残念なのは紙面の都合だろうけど原文が載っていないこと。紙幅の都合だろうけど、本書のような思想であれば解釈違いなどが起きる可能性が高いので原文はぜひとも欲しいところ。
     さて、文庫版あとがきにおいて、不確実性の時代において、目標や計画を立てて実行することは時代遅れ、などと評しているが、鬼谷子を解説しておいてなぜそのような発言が出るのか疑問である。変化をとらえて、それを巧みに利用して目標へ近づくことこそが鬼谷子の真骨頂ではないのか?そもそも目標もなしに何をするというのか?余計な一言で鬼谷子を理解していないことがバレてしまった。著者は実は安定した状況に居るのであろう。まさに「外」での弁舌で身を危うくする、だ。

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著者プロフィール

横浜生まれ。古典や名著、哲学を題材にとり、独自の視点で執筆活動を続ける。近年は特に弁論と謀略がテーマ。著書に、アリストテレスの弁論術をダイジェストした『アリストテレス 無敵の「弁論術」』(朝日新聞出版)、キケローの弁論術を扱った『言葉を「武器」にする技術』(文響社)、東洋式弁論術の古典『鬼谷子』を解説した『鬼谷子 100%安全圏から、自分より強い者を言葉で動かす技術』(草思社)などがある。

「2019年 『欧米エリートが使っている人類最強の伝える技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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