- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794224972
作品紹介・あらすじ
「頭の良さ」とは習慣である!
誰もが大量の情報を簡単に手に入れられる今、
オリジナリティのある発想力がより強く求められている。
本書はベストセラー『東大教授が教える独学勉強法』の著者が、自らの体験のもと、
情報の収集・整理の仕方から豊かな発想の生み出し方まで、「思考」の全プロセスを伝授するものである。
著者がすすめるのは、まず頭の中に「考える土台」をつくり、考える「クセ」をつけること。
そのためには物事を普遍化したり、抽象化したり、頭の使い方を意識的に練習することが大切だという。
クセさえついてしまえば、あとは「情報は流しっぱなしに」「あがかないで機が熟すのを待つ」など、
豊かな発想は自然に生まれていく。
これからの時代を生きていくうえで、自分の頭でしっかり考えるクセを身につけていることが、大きな武器になる。
1章 情報洪水時代で変わる「頭の使い方」
【コラム❶ 決めていくことで頭に判断基準ができる】
2章 頭の中に質の良い情報が集まる「網」を張る
【コラム❷ 短距離型と長距離型の勉強法】
3章 知的に考えるための「調理道具」を揃える
【コラム❸ ものごとの裏側から見ると本質がわかる】
4章 情報は流れてくるまま、流しっぱなしに
【コラム❹ バランスが悪くてもいい、知識は偏りが個性】
5章 頭に残った情報は熟成し、やがて知性に変わる
【コラム❺ 過去の成功分析をしすぎると、おもしろいものが出てこない】
感想・レビュー・書評
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じっくり知的に考えるためには、どうしたらいいのか、その方法を私なりに解説したものです。
しっかり考えて、自分なりの「解決策」を探してほしい
自分で試行錯誤しながら、自分なりの考え方を身につけていく
気になったのは以下です。
■情報洪水時代の頭の使い方
・インターネットの普及のために、暗記することの価値は相対的に低くなりました。
・必要なのは、ただ情報を集めるのではなく、自分なりの発想や自分の考え方を組み立てて、情報を処理する
・「知っている」を「理解している」にする
・「知識」を「智恵」に変換するためには、「問題意識」をもつ
■情報に網を張る
・洪水のようにやってくる情報にどう対応するか。⇒必要な情報をいかに集め、不要な情報をどう捨てるか
・印象に残っている情報のかたまりを集めればいい
・ぼんやりとした好奇心から情報を集めて、問題と感じたのものを、だんだんと掘り下げていく
・勉強には短距離と長距離とがある、考える力は長距離型でないと身につけることができない
■知の調理道具
・具体と抽象をいったりきたりする。幹をつかむ、共通点を探す、相違点を探す
・情報を分類して、より高度な思考ができるようにする
・情報を構造化して、応用範囲を広げる
・煮詰まってきたら、間を置く
目次
はじめ
1章 情報洪水時代で変わる「頭の使い方」
2章 頭の中に質の良い情報が集まる「網」を張る
3章 知的に考えるための「調理道具」を揃える
4章 情報は流れてくるまま、流しっぱなしに
5章 頭に残った情報は熟成し、やがて知性に変わる
おわりに
文庫版のためのあとがき
ISBN:9784794224972
出版社:草思社
判型:文庫
ページ数:200ページ
定価:700円(本体)
発行年月日:2021年04月26日第4刷詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「考える」とはどういうことなのか、そして地頭力を高めるための「考え方」を教えてくれる指南書。
具体的なトレーニング方法も記載されていてわかりやすい。
本書で言及されている「考える」土台だが、私は好きなことでは抽象化して考える、というのはよくやっているかもな〜と思った。
エンタメ作品内での出来事とか、直ぐに抽象化して別のものとつなげちゃぅたりしている。この考え方を他のものでもするようにしていけば、より知的に考えられるようになるのだろうか。
ただ、本書で述べられていた「人と人とを繋ぐことも抽象化して考えろ」というのはやや危ない気がした。本書内では、異国出身者同士をつなげる手腕的なことに言及されていたが、多国籍の人を抽象化するのは、 自分の中でバイアスがかかっている可能性があることを意識しないと差別を産むかもしれない。そういう意味では要注意かも。
自分なりの考えや独自の考え方も大事だが、個人主義的、利己的にならないように注意していかなければいけないかもしれない。 -
考えるクセを身につける。
知っていると理解の差は自分のものとして異なった環境でもその知識を使えるかどうかということ。それがその知識の本質や構造を掴んでいるということになる。
知識を理解すると知恵に変わる。この変換に必要なのは問いであり問題意識である。
抽象化と具体化を繰り返し、知識を血肉とする。
どんな情報(インプット)が有効な知恵になるかは神のみぞ知る。なのでクセとして(程度の差はあれど)絶えず抽象と具象を行ったり来たりさせるようにする、自分ごととして捉える。
1)幹を掴む→一言で言えばどういうことか。要約力。
2)共通点を探す。→一般化できるか? 法則はないか? 相似な事柄はないか?
3)相違点を探す→同じに思えても何処かが違うはず。
1〜3のように考えるのは比較が大事になる。
何を基準として同じなのか、違うのか。
思うにこの「何を基準とするか」がセンスであり、その大部分は知識で補える。 -
本書のポイントは3章の考えるための土台を作ると言う部分だと思う。
本書の中で、現に繰り返し参照されており、著者としても力が入っているように見受けられる。
情報が溢れている日々の暮らしの中で、如何に情報に振り回されずにいるか、そのポイントは抽象化することにある。
なぜなら、個別具体的な情報はそのまま解決策にはできないからだ。情報を抽象化してとらえて初めて、情報や知識を応用して活用することができる。
例えば、歴史上の個別エピソードから、単に誰が何年に何をした、と言う情報そのものだけでは、応用が効かず、その事象から、
・政治とはどうゆうものか
・組織のトップはどうあるべきか
という抽象的な理解に置き換えると、歴史が過去のエピソードにとどまらない価値のある情報に変わる。
自分の直面している問題や会社の課題に対する解決策を与えてくれる可能性がある
抽象化して役立つ情報は本のみならず、会社に関する情報も同じ。同じ企業で働くと特有な情報、ノウハウがたまってくる。それこそが、会社で働く武器になっている人も少なくない。
しかし、そのような情報は会社でしか役立たたないもの。(例えばこの人に根回しが必要、など。)このような情報は会社が変わると役立たなくなる。
だからこそ、個別性の情報を一般化、抽象化できれば武器になる!(会社の例で言うならば、この種のプロジェクトでは、〇〇がネックになりやすい、このような権限を持っている人がキーマンで、その判断でプロジェクトの良否が左右される、といった感じが会社が変わっても使える抽象化だろうか。)
抽象化して理解するのは容易なことではない。抽象化できるに越したことはないが、抽象化して理解しようとするクセが大事。
他の本でも、ちきりんさんのso what?に近い概念、茂木健一郎さんが話す際に用いる、「一般化して考えると、」にも同様なことを言っている。そして何より、細谷功さんの地頭力に抽象化の重要性がある。
結局のところ、「考える」作業というのは、情報を単なる情報で終わらせず、「そこから何が言えるのか」、「なぜそうなるのか」など、一歩進んで事象を捉えることなのかもしれない。
著者によれば、抽象化する考え方を身につける為のステップは以下の3つのステップを取ることを薦めている。
①幹を掴む
②共通点を探す
③相違点を探す
これこそが、考える土台を作る頭の使い方の肝。
①幹を掴む=本質的なところは何か?
情報の枝を取って幹を掴む。一言でいうと?人に簡単に伝えるとしたらなんといえばいいか?パラノイアの本にある「銀の弾丸」。の考え方。
なるほど、と感じたのは、一言でいうと?に正解はない、と言う部分。
情報に接して何が重要か、何に着目するかは人それぞれ。着目する部分によって一言でいうと、も異なってくる。
例えば、企業の不祥事情報に触れたとき以下のaからcでも人それぞれ。着目する点に正解はない。いろんな面に着目するのは大切
a不祥事の原因は何か?
b不祥事が明らかになったプロセスは何か?
c不祥事が与える社会的な影響は何か?
②共通点を探す
一見異なるように見えるものから、共通点を探すこと。幹にして共通点を探す。(例えば、鞄と食べているものの共通点は?→どちらも赤色、など。)
みかんとりんごは違うけど、果物という点では共通という整理ができる→情報を抽象化する大きな一歩。
違う分野の情報をたとえ話にできれば、抽象化できている。すべての問題を自分の身近な問題にたとえて置き換えて話す人はこの思考法ができている人。
よくお笑いでやっている「〇〇とかけて、XXXととく、その心は?」はまさにこれに近しい発想ではないかと感じた。そう考えると、ねづっちは抽象化の才能抜群なのか??と思う。
根っこは同じ、と言う表現はまさにこれが言いたいのではないだろうか。
普段から、例えば、セーヌ川とカレーライスの共通点は何か?というクイズで遊ぶと訓練できるし、歴史の勉強からもこの訓練ができる。例えば、豊臣秀吉の失敗と足利尊氏の失敗の共通点を考えて抽象化。抽象化できれば、現代にも通じる失敗を考えることができる。
③相違点を探す
似たものに違う視点を見出すこと。似ているように見えるけど、本質は違うのではないか、同じ現象なのに違うのはなぜか、と考えて抽象化の訓練をする。
不祥事が同じようでも、あえてこだわって違う点はないか、違う点はどこにあるのか、ニュースを詳細に見てみる。違う会社である以上、違う点がいろいろある。違う点があるのになぜ同じような不祥事が起きたかを考えてみる。思考を広げることで抽象化ができるようになる
同じような情報に触れて、似てるなぁで流さず、あえて違いを探すことが大事
抽象化する上では比べることが大事
情報を多面的に接する
なんでこのニュースをこのときにこのタイミングで
遠い情報を役立たせる
違うものに共通点を見出す
別々のものを組み合わせる能力がこれから欠かせない
3章が引き合いに出されることが多い
間を置く、時間を置くは思考の整理学の醗酵とまさに同じこと。
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感情を感情のままにしない、整理する癖を。
パワハラがきつい上司がいて、どこが問題なんだと整理する -
目的
人間は考えることに価値がある、作業はAIができる、という話を最近世間でよくきく。
考えることのコツを知りたい。
感想
考えることに正解はない。が印象に残った。まわりがどう思うか、でなく、問題解決のために考える。
具体→抽象化→具体化、で応用。
いろんなジャンルに触れて、いろんな結びつきをしてみよう
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・読んだ理由
仕事や対話を通して、自分の考える力の無さを痛感し(ゲキ浅もやし意見しか出ない)、何かヒントが得られないかと思い、読んだ。
・感想
本にも書かれているが、いろんな選択において、自分がどう思うか、よりも皆んながどう思っているかを重視しがちだなーと思った。
Amazonや食べログでレビューを見るだけならまだしも、就職、転職なんかの大きな決断もネットの記事から正解を探している自分がいることに嫌気がさした。
考える習慣を付ける練習として、著者が紹介していたゲームが飲み会とかでやったら面白そう。
・出題者が2つのモノ(物体でも概念でも何でも良い)を挙げる
・他の人たちはその2つの共通点を挙げる
・共通点に皆んな納得できたらポイント
・だれも納得できる共通点を挙げれなかったら出題者にポイント
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頭の良しあしは習慣で決まる。著者は、「考えることは情報を調理すること」だという。頭に網を張り、流れてくる情報を流しっぱなしにする。ひっかかった情報を抽象化してみる。あるいは具体化してみる。これが情報の調理方法だ。このことを繰り返し習慣づけることによって、頭の網が太くなり、豊かなアイデアが生まれてくる。
本書は、このようなお気軽な思考術を勧めている。体系だった論理的思考法の解説でない分、こちらも気楽に「よし、ちょっとやってみよう!」という気にさせてくれる。 -
情報が溢れる中、どのように思考・発想すべきか? 東大教授が、情報の収集・整理の仕方から豊かな発想の生み出し方まで、「思考」の全プロセスを伝授する。
1章 情報洪水時代で変わる「頭の使い方」
2章 頭の中に質の良い情報が集まる「網」を張る
3章 知的に考えるための「調理道具」を揃える
4章 情報は流れてくるまま、流しっぱなしに
5章 頭に残った情報は熟成し、やがて知性に変わる -
頭に網を張ることで、情報を吸収しやすく。
抽象化して、単純化しておく。
比較して共通点を理解する。
逆に、違いに目を向ける。
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頭の良さには2種類あり「瞬発力があって、速い判断ができる」と「深く考えて判断できる」は別の能力ではないか?という話が面白かった。
深く考えるタイプが、何かを生み出す人ではないか?とのこと。
考えるためには、まずは情報収集が重要。その情報収集のやり方についても、わかりやすく記載されている。
ただ、読みやすいだけに、人によっては読み応えはないかも。