自分がおじいさんになるということ

著者 :
  • 草思社
3.20
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794225542

作品紹介・あらすじ

いまこの歳になって、わたしは「ただ生きているだけで楽しいんだよ」という感覚を、
ほんとうに手にいれたのではないかと思ったのである。
これは老人にとって、無敵の感覚ではないか。
いまでは晴れても雨が降っても楽しい。
道端の花の写真を撮ることも、川の流れを見ることも楽しい。
歩くことも、自転車に乗ることも楽しいのである。
わたしは、だれ憚ることなく、この「生きているだけで楽しい」という感覚をもって生きていけばいい。
(「まえがき」より抜粋)
                                                              
74歳、いよいよ老後も佳境に突入。押しも押されもせぬ老人になった著者が、
お金も健康も心もとないながらも、思いのほか愉しい「老いのリアルな日々」をつぶさに綴る。
累計15万部突破、人気の『定年後のリアル』シリーズ、待望の最新刊!                                                                共感の声続々。読めば老後の不安がスーッと消えていく。

感想・レビュー・書評

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  • 第1章 「生きているだけで楽しい」という老年

    「末期の目」から生を見返してみる
    息をするだけでこんなにも嬉しい
    「生きる元素」としての自然元素
    自然元素と人間元素は人間の理想郷
    養老孟司のMoreとHere & Now
    物欲は人間をしあわせにしない
    根本は「自然元素」、その他は全部おまけ
    「生きているだけで楽しい」は年寄りにとって盤石の土台

    第2章 それでもやはり健康一番、お金は二番
    思いどおりの凡庸な人生
    求めるのは心の平安
    白内障でわかった「白」のすごさ
    健康一番、お金は二番とわかってはいるが
    歳をとって病気になると、生きること自体が仕事になる 自分の死、人の死

    第3章 ワクワク自転車、ウキウキ歩き
    自転車は年寄りに最適の乗り物
    わたしが自転車に乗る理由
    伊藤礼の『大東京ぐるぐる自転車』
    新しい自転車に感動した
    逆にママチャリに感謝
    あわや大惨事
    ウォーキングは「8000歩/20分」+自己流で
    町の達人にどうしても追いつけない
    八十歳の石川文洋の日本縦断歩き旅

    第4章 またときめきの奈良へひとり旅
    定年退職者のありふれたセンチメンタルジャーニー 母親の故郷の奈良
    うましうるわし奈良へのひとり旅
    映像作家・保山耕一氏の「時の雫」は最良の癒やしである
    沢木耕太郎の『江戸近郊道しるべ』を歩く
    荷物は少なく、生活は小さく
    ああ、青春の欧州ヒッチハイク旅

    第5章 映画と写真と絵画と
    半年間、映画を見つづけた
    食わず嫌いには理由がある
    韓国映画に度肝を抜かれる
    カメラ好き? 写真好き?
    もうコンパクト・デジカメで十分だ
    ソール・ライターの写真
    一番好きなワイエスの絵画

    第6章 喫茶店で音楽を聴きながら外を見る
    好きでなかった「ジャズ」を聴く
    わたしの十五パーセントはポピュラー音楽でできているだんだん世間の流行り事に興味がなくなっていく
    コンテンツも容器も品質が低劣
    中島みゆきの「ベスト10」をつくる
    喫茶店から外を見るのが好きだ

    第7章 死ぬまで読書
    最高の「心の元素」としての読書
    いまや作家も主人公もみんな年寄りばかり
    後続作家に期待する
    読みたい本が続々出てくる
    わたしはわたしに従う
    楽しくなければ「しなくて」いいのだ
    なんと幸運な人生

  • 74歳、いよいよ老後も佳境に突入。押しも押されもせぬ老人になった著者が、 お金も健康も心もとないながらも、思いのほか愉しい「老いのリアルな日々」をつぶさに綴る。
    累計15万部突破、人気の『定年後のリアル』シリーズ、待望の最新刊! 共感の声続々。読めば老後の不安がスーッと消えていく。

    時々手に取る著者の本、今回は単行本で登場。ヘニング・マンケル、マイクル・コナリー、そしてロバート・ベイリーが出てくるのは嬉しい。

  •  とても面白かったです。一気に読了しました。1947年生まれ、勢古浩爾さん「自分がおじいさんになるということ」、2021.12発行。本書の構成は: ①生きているだけで楽しい ②健康一番、お金は二番 ③ワクワク自転車、ウキウキ歩き ④ときめきの奈良へひとり旅 ⑤映画と写真と絵画と ⑥喫茶店(音楽・読書) ⑦死ぬまで読書。なお、本書を更に掘り下げるため読みたいと思った本4冊は: レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」、刀根健「僕は、死なない」、小林武彦「生物はなぜ死ぬのか」、群ようこ「しない。」。

  • 著者の人生を振り返りながら、老後の生活スタイルを考える。
    自転車、旅、映画、テレビ、読書など、著者は自分の好きな事をやってきた。この手の指南書には、残された時間を悔いなく生きるために「頑張る老後」を薦めるものが多いが、著者は違う。自分の人生なのだから、自分が思うように生きれば良いという。そのヒントとして、著者の生活、考え方を紹介する。
    自分も還暦を迎えてサラリーマン生活が終わってホッとしている。プレッシャーやストレスから解放されて、とても良い気分。この本を読んで、著者の生き方にはとても共感した。

  • 語り口が横柄な感じでよろしくなかったけど、音楽嗜好や読書論など面白い部分もあった。読みたい内容ではなかったということ。

  • 作者は私よりかなり年上のはずだけど、かなり共感するところが多かった。それにしても、年寄りが、好き勝手なこと言ってるなぁ。なんの知識増幅にもならないけど、変に面白かった。

  • 目次】第1章「生きているだけで楽しい」という老年
    第2章 それでもやはり健康一番、お金は二番
    第3章 ワクワク自転車、ウキウキ歩き
    第4章 またときめきの奈良へひとり旅
    第5章 映画と写真と絵画と
    第6章 喫茶店で音楽を聴きながら外を見る
    第7章 死ぬまで読書

  • 読書好きのおじいさんの近況です。脳梗塞のあと「生きているだけで楽しい」とのことです。だんだん面白さが少なくなっているような。これが今のリアルなのですね。新刊がでたら又読んでしまうのだろうけど。

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著者プロフィール

1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に入社したが2006年に退社、執筆活動に専念。「ふつうの人」の立場から「自分」が生きていくことの意味を問いつづけ、『まれに見るバカ』(洋泉社・新書y)で話題に。その後も『アマチュア論。』(ミシマ社)、『会社員の父から息子へ』(ちくま新書)、『定年後のリアル』(草思社文庫)など著書多数。

「2017年 『ウソつきの国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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