文庫 生き物の死にざま はかない命の物語 (草思社文庫 い 5-3)

著者 :
  • 草思社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794225634

作品紹介・あらすじ

生きるとは、何だろう?
死ぬとは、何だろう?
コウテイペンギン、ツキノワグマ、ホタル、カエル……
限られた命を懸命に生きる様を描いた感動のベストセラー、
『生き物の死にざま』の姉妹本!

明日の命もわからない世界で、生き物たちは「今」を生きている──
土の中から地上に出たものの羽化できなかったセミ、
南極のブリザードのなか決死の想いで子に与える餌を求め歩くコウテイペンギン、
毎年熱帯から日本に飛来するも冬の寒さで全滅してしまうウスバキトンボ……
限られた命を懸命に生きる姿を描き感動を呼んだベストセラー『生き物の死にざま』の姉妹編。
生き物イラスト30点以上収載。


Ⅰ………愛か、本能か 
1……コウテイペンギン 氷の世界で数か月絶食して卵を守り続ける父 
2……コチドリ 子を守るための「擬傷」と遺伝子の謎 
3……ツキノワグマ 一年半の子育てを繰り返す母グマと銃声 
4……オビラプトル 化石から見えてきた恐竜たちの愛 
5……カバキコマチグモ 最強の毒グモの最期の日は、わが子の誕生日 
6……ゴリラ 「幼稚園」での集団保育と、家族に囲まれた最期 
7……チーター 狩りも子育ても一身に背負う母の苦難 
8……ブロブフィッシュ 世界一〝ブサイク〞な魚の深海での愛 

Ⅱ………生き物と人 
9……セミ 羽化をはばまれた夏 
10……シラスとイワシ 大回遊の末にたどりついたどんぶり 
11……ウナギ 南方から日本へ向かう三〇〇〇キロの旅の果て 
12……ホタル ある夏の「こぼれ蛍」の孤独 
13……ゴキブリ 不死身の「生きた化石」 
14……ウシ 最後は必ず肉になる経済動物 
15……ヒョウ 剝製となった動物たちの悲しみ 
16……渡り鳥 バード・ストライクの恐怖 

Ⅲ………摂理と残酷 
17……カエル モズに串刺しにされたものたちの声なき声 
18……クジラ 深海の生態系を育む「母」 
19……ウスバキトンボ 熱帯からの日本行きは死出の旅 
20……ショウリョウバッタ 干からびても葉を離れない「即身仏」の祈り 
21……クマケムシ なぜひたすら道路を横切るのか 
22……カタツムリ 動きを操られてしまった臆病な生き物 
23……日本ミツバチ 世界最凶のオオスズメバチに仕掛ける集団殺法

Ⅳ………生命の神秘 
24……雑草 なぜ千年の命を捨てて短い命を選択したのか 
25……樹木 「生と死」をまとって生き続ける 
26……X 今あなたがいる、という奇跡 
27……人間 ヒト以外の生き物はみな、「今」を生きている

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズ2冊目
    やはり良本!!
    感動、感謝、厳しさを詰め込んだ本

    今現在、70くらいで あと余生10~20年じゃない?という1人の人間が世界に迷惑かけ、悲しみをばらまいてる時代…
    毎日ニュース見てて
    人間としても迷惑…
    1番迷惑なのは自然、生き物や植物が1番迷惑かかってる

    この星で1番やらなくて良いことをヤツはやっている

    ヤツにも読んでほしい本
    まぁ
    何も感じないだろうし
    彼の欲しがる物は、意外とたいした事無い物なのがわかるのだろうか…

    彼の人生は【無い物ねだり】だ

  • コウテイペンギン、コチドリ、モズ、それからゴキブリや動物園のヒョウ。生き物たちがどのように死んでいくのか、心情豊かに綴る。

    もはやどこで見た書評なのか覚えていませんが、どっかでリストした課題図書です。科学的な目線から動物の死を論じる本だと思っていたのですが、これまたイメージと違って、非常に抒情的に動物の死を見つめた本でした。ですので、まあ逆に、サイエンス目線で見たら新しい学びは無いですし、むしろ少し古臭い学説を取り上げている節もありました。
    非常に平易なレベルでの生き物の描写ですのでサラサラ読めます。しかし生き物を人間目線で情緒的に捉えすぎるのは好みではありません。ただ、ゴキブリや動物園のヒョウ、ウシなどの人間に関わる生き物たちの章に関しては、知らないふりをして死を食い潰す現代社会へのかなり批評的(少し怒りも感じます)な目線でけっこうグッときました。
    とはいえ新しい視線や学びはなく、ひたすら情に訴える構成だったのは残念でした。また、太平洋戦争で亡くなった日本兵と働きバチを並べて語ったニホンミツバチの項の戦争観については同意できませんでした。

    本書と関係ないけど草思社の本ておもしろそうなものがほかにもあって、色々読んでみたいと思いました。

  • 前作に続いて、厳しい自然界の中であらゆる生き物が懸命に命のバトンを渡していく姿について描かれています。加えて今作では生きるとは何か、命とは何かについても考察されています。

    人間は生き物の中で唯一未来を想像できる力を持っている。自分が死ぬときに充実した人生だったと思える未来のために、懸命に「今を生きる」姿勢が大切だということを様々な生き物の姿から考えさせられました。

    色々な悩みを抱えている人たちに読んで欲しい一冊です。

  • タイトル通り生き物たちの死に様を書いた本
    子のために死ぬ生き物、人により死に様を歪められた生き物、などなどを連ねたあと、最後に人間の受精と精子の死に様を書く。
    主観的に筆者の思いも合わせて書いてあるからか、全体的に死を描いている本でありながらあたたかい印象を受けた。動物園での人に懐いていたヒョウの殺され方は、動物好きとしては胸に迫るものがあった。
    コウテイペンギンはオスが卵をあたためることはわかったが、何故メスではなくオスが卵をあたためるのかが書かれていなかったためネットで調べたところ、メスは卵を産むことにより体重が25パーセントも減り、エネルギーも消費してしまうらしい。なので、先にメスがエネルギーを補給しに餌を取りに行く必要があるそうだ。こういった細かい所も説明してくれているともっと良かったと思う。

  • 前回の生き物の死にざまが大変面白かった為、引き続き購入しました。
    各々の生き物の死にざまへの持っていき方が、前回の方が自然でした。
    生き物の生態は相変わらず、面白く知ることができました。

  • 先日この本が2冊あると知り、もう一冊絶対買いたいと思います。

    ずいぶん前に読みましたが、手元に残しておきたい本。

    死を意識させてくれる本は、大好きです。生きてる意味とか考えちゃうけど、生きてることが生きてるっていう当たり前で単純なことを、自分で受け入れやすくなるので。今できることを今するのみ。

    また読み返してみよう。いまなら、違う思いが生まれると思う本です。

    追記

    ↑は、最初の1冊目の方の感想でした。
    本日、この本を読み終えました。

    どちらも手元に置いて
    また読み返そうと思います。

    もっとシンプルに、今をちゃんと生きることの大切さ
    生きるって、考えること多いけど
    生きてること自体すごいことと
    自分が今ここにいることが
    それだけで奇跡なんだなと思わせられます。

    人間がなんかすごい高等な生き物で
    なんでもできると思ってるけど、
    雑草やゴキブリがどれだけたくましいか、、、

    ほんとにもっとシンプルに生きていきたいと
    感じます。そして
    あらゆる生命に敬意を感じます。

    子供達に小さいうちに
    ぜひ読んであげてほしい!

    学校で教えてあげてほしい

    いじめや、孤独や、くだらない流行に
    悩む前に
    ただ生きてることで
    生きる価値がみんなにあるということを
    教えてあげてほしいです。

    難しい本をたくさん読んでる
    とても頭のいい大人の方々にも
    文章は簡単過ぎるほどシンプルだけど
    ぜひ読んでみてほしいです。

  • 生き物の出産と育児は、命の危険と隣り合わせにある。いやそれは命と引き換えの行為であると言っても良い。
    そして、その命ははかない。生き物にできるのは、ただ今を精一杯生きるだけ。それは僕も同じ

  • 生き物の死にざまのもう1冊を読みましたが、
    こちらは我々人間についても考えさせられたので、
    より理解できたと思います。
    また、命とはどのようなものか、
    今自分はどれほど幸運なのか、
    など他にもたくさん生きていく上で必要になってゆく考え方をしれて良かった。

    • minkononnoさん
      我々人間についても死に様を考えさせられる本なのですね!
      我々人間についても死に様を考えさせられる本なのですね!
      2022/10/10
  • 最初の方は、動物達の様々な愛の形を知ることができ、人が生物に対して行なっている惨いことを再認識することができた。

    生物間での競争や弱肉強食、食物連鎖も改めて考えると大切だが、自然は厳しいものだと思った。

    最後は植物の話が始まり、自分とは遠ざかるようであったが、急にヒトの話が始まり、今生きている“わたし”の奇跡とも言える状況に考えさせられた。

  • 「生き物の死にざま」を読み、その姉妹編があるということで手に取りました。
    野生の生き物の寿命が正確には分からない、ということに改めてハッとしました。人間ってなんで特殊な生き物なんだろう。
    日々私たちが触れる命に改めて感謝すると共に、今を生きることの当たり前さと難しさを人間として改めて感じました。

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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