100年前から見た21世紀の日本: 大正人からのメッセージ

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  • 新評論
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794811356

作品紹介・あらすじ

長時間労働、政治家の資質低下、教師による体罰、女性差別、フェイクニュースの氾濫、なりすまし詐欺、若者の活字離れ……。
 いずれも、昨今注目されているテーマである。現在の日本社会が抱える問題として、その解決が求められていることは言うまでもない。ただ、これらは決して「現在」という枠に収まるテーマではないことも事実である。実際、右記のテーマは、100年前の日本でも議論されており、その解決の必要性が叫ばれていたのだ。
 本書は、現在の日本を歴史的視点から捉え直すことを目的としている。その際に視座を置いたのが100年前、すなわち大正時代である。
 日本の近代について、明治から大正、昭和へと至る時代の移り変わりを、大雑把に「混乱期」から「発展期」、そして「安定期」への移行と捉えると、終戦から今日までの流れも同じように映る。漠然とした見方ではあるが、ここで言う安定期が今日の日本、そして約100年前の日本に相当する。
 本書では、「安定期」という同じ歴史的局面にあたる二つの時代を対比させながら、現在の日本が抱えるさまざまな課題について考えていく。その手掛かりとして用いたのが、100年前の論者が遺した言葉である。彼らの言葉は100年後を生きる我々を意識して述べられたものではないが、本書ではそれらを現代人に向けたメッセージとして読み取っていく。そして、その言葉が発せられた当時の時代背景を現在に重ね合わせながら、各テーマについて考察していく。
 さらに、この100年で何が変わり、何が変わっていないのか。その変化はなぜ起きたのか、あるいはなぜ変化しなかったのか。そうした時代の推移にも着目することで、先人らの言葉をより価値あるものとして蘇生させていく。本書を読むことで、現代日本をより立体的に捉えるための重要な視点を得ることができるだろう。(おおくら・ゆきひろ)

感想・レビュー・書評

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  • プロローグ 一〇〇年前の日本人は
    第1章 働く人たちへ
    第2章 指導者たちへ
    第3章 すべての日本人へ
    第4章 若者たちへ
    エピローグ 一〇〇年後の日本は

  • 羅列感強いが今にも通用する評論の数々

  • なかなか斬新な視点の本。
    今大人気の『鬼滅の刃』の時代である大正時代から約100年。その頃と今の日本を比較する。
    100年前にも同じようなことがあったことにびっくりする。今も昔も変わらない日本人の国民性にも考えさせられるものがある。
    この本を読んで100年後にも思いをはせよう!

  • とても興味深く読めた。100年前も今も日本人はほとんど変わっていないことがよくわかる本である。「近頃の若い者は」とよく言われるが、100年前も言われていた。また、若者の読書離れも今も言われているが、大正時代も言われていたことが本書でわかる。更にオレオレ詐欺などの特殊詐欺も100年前にもあったとのこと。100年の間に戦争に負け、何もかもがなくなった日本だが、本質的なところは変わっていない事にある意味ショックを受けた。

  • 時代は巡るということかな?

  • タイトルに相当する部分はわりとちょっと。どちらかというと大正時代も今もそれほど変わってない、という話が出てくる。

  • ちょうど100年前にあたる、大正時代と今を比較した考察本。
    今言われている社会問題は100年前も言われていた。人間はさほど変わらない。

  • 東2法経図・6F開架:210.69A/O57h//K

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著者プロフィール

1972年愛知県生まれ。新聞社、広告制作会社等を経て、現在はフリーランスのライター。著書に『「衣食足りて礼節を知る」は誤りか―戦後のマナー・モラルから考える』、『「昔はよかった」と言うけれど―戦前のマナー・モラルから考える』など。

「2019年 『100年前から見た21世紀の日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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