執筆開始、その前に: 「悪文」を避けるための考え方

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  • 新評論
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794812490

作品紹介・あらすじ

その文章、大丈夫? 単なる書き方指南を超えて、物事の見方や心構えから問い直す悪文回避法。 文章の書き方に関する本は世にあふれています。書店に足を運べば、一目瞭然でしょう。該当の棚を眺めると、目的やレベルに応じたさまざまな本が刊行されていることが分かります。もちろん、中身は玉石混交ですが、それらに書かれた技術を的確に身に付ければ、下手で分かりにくい文章、すなわち「悪文」を避けることができるようになるかもしれません。 一方、日々ニュースに接していると、文章にまつわる不祥事が相次いでいることが分かります。論文の捏造、記事の盗用、捜査書類の改ざん、コピペの氾濫、SNSへの書き込みの炎上……。こうした出来事が大きな問題として報じられることも珍しくありません。これらは社会に害をもたらすという文脈で「悪文」と呼んでもいいでしょう。そうした広い意味での「悪文」は、文章の上手、下手とは関係ありません。むしろ、うまい文章を書ける人ほど、その当事者になる可能性が高いといえます。先に挙げたような本で作文技術を身に着けても、「悪文」を書くようでは本末転倒です。 上記のような「悪文」を避けるための考え方を体系的にまとめたのが本書です。心理学、認知科学など幅広い分野の知見を援用しながら、書く目的を見定めること、書くための材料を見極めること、読み手を見据えることの3点を柱に、執筆前に頭に入れておきたい心構えや思考法を提示しています。 本書は基本的に、書くことに自信のない人を念頭に作成しています。ただ、本書を読んだからといって、うまい文章が書けるようになるわけではありません。それでも、本書を通じて、書く場面に限らず、物事の見方、考え方をブラッシュアップするヒントを数多く手にすることができるでしょう。その意味では、書くことに自信のある人も、多くの気づきを得られるかもしれません。すでにさんざん書いてきた、という人にも是非手に取っていただきたいと思います。(おおくら・ゆきひろ)

感想・レビュー・書評

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  • 【文章の書き方を根本から問い直す一冊】

    この本は、単なる文章の書き方の指南にとどまらず、物事の本質的な見方や心構えから「悪文」を避ける方法を提示しています。

    著者は、論文の捏造や記事の盗用、SNSの書き込み炎上など、社会に害をもたらす「広い意味での悪文」に着目。作文技術だけでは不十分であると指摘し、執筆前に頭に入れるべき3つの柱を提案します。
    1. 書く目的を明確にすること
    2. 書くための適切な材料を見極めること
    3. 読み手を意識すること

    各項目において、心理学や認知科学の知見を基に、陥りがちな間違った考え方や落とし穴を分析。「結論ありき」に流されない視点の持ち方、情報の偏りを排する姿勢、物事を多角的にとらえる重要性など、書く際の心構えを解説しています。

    作文技術はもちろん大切ですが、本書を読めば、表面的な書き方のコツだけでなく、執筆に臨む根本的な姿勢を身につけられます。書くことに自信のない人はもちろん、ベテランライターにも新たな気づきを与えてくれる一冊です。

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著者プロフィール

1972年愛知県生まれ。新聞社、広告制作会社等を経て、現在はフリーランスのライター。著書に『「衣食足りて礼節を知る」は誤りか―戦後のマナー・モラルから考える』、『「昔はよかった」と言うけれど―戦前のマナー・モラルから考える』など。

「2019年 『100年前から見た21世紀の日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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