世界のはての泉 上巻 (ウィリアム・モリス・コレクション)

  • 晶文社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794916914

感想・レビュー・書評

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  •  行きて帰りし物語だ! その水を飲めば誰からも愛され、永遠の生命を得られるという泉を求めて世界のはてを目指す男女の物語。世界観は中世ヨーロッパをベースにしたどこにもない世界で、ファンタジーの原点って感じがするけど、訳者解説読んだらトールキンやルイスも影響受けているらしくって、なるほどな~! となりました。魂に刻まれたファンタジーの波動を感じる……。世界のはての描写も宮崎駿の「シュナの旅」に通じるような雰囲気もあってとても好き。森や川や丘から見下ろした景色なんかの自然の描写もその世界に浸れて良い。たまに(?)死体が転がってるけどまあまあまあ……。
     中世騎士道物語がベースなので女性や奴隷の扱いはわかっていてもうっとなるところはあるけど、それでも書かれた時代背景とか考えるとかなり女性が強くて自立しているところはいいな。男性陣のファム・ファタルに対する脆弱性はひどいなって思ったけども! 勝手に惚れて「俺を愛さないお前が悪い!」みたいな理屈で殺しにかかってくる男ってファム・ファタル側から見ると理不尽の極みだよねえ。
     書きながら魂に刻まれたファンタジー感の源、世界のはてから帰ってくるところかもってふと思いました。この主人公、世界のはてまで行ってもちゃんと故郷に帰ってきて理想郷を築くのだなあ。「シュナの旅」も「指輪物語」も「ホビットの冒険」も「ナルニア国ものがたり」も帰ってきてたもんなあ。「はてしない物語」もそうだけど、この世ならざる場所に行って、その世界が夢のように遠ざかってもそこから持ち帰った形のないものはちゃんと残るタイプの行きて帰りし物語、物語の強さみたいなものを感じてとても好きです。良い旅だった!

  • まったりとした、大人のファンタジー。私も飲めば不老長寿をもたらすという、世界のはてにある泉を、愛する人と探しに旅に出たいですわぁ。。。(うっとり)

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著者プロフィール

William Morris(ウィリアム・モリス)1834年~1896年

詩人、工芸職人、デザイナー、社会主義者、環境問題活動家、小説家、出版者として、19世紀の英国社会に多大な影響を与えた。その影響は、没後120年以上経っても衰えず、むしろ重要性が高まっている。デザイナーとしての側面だけでなく、人生の後半に、不平等な社会の変革や環境保護のために献身したことが、とくに最近注目されている。

「2019年 『素朴で平等な社会のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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