人種問題

  • 晶文社
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (617ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794962034

感想・レビュー・書評

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  • 表題のテーマについて、アメリカ合衆国のさまざまな人に話を聞いたインタビュー集。
    訳者あとがきにあるとおり、「名言の宝庫」である。それは、彼らの言葉が自己の体験から出た「なまの声」だからであろう。外部の者にはなかなか窺い知れない、忌憚のない現実がここにはある。

    とはいえ、特筆すべき点のない「普通の人」の物語には、さほど代わり映えしないものもある。とにかく収録数が多いので、中だるみの気味もないとは言えない。そういった時は潔く飛ばし読みするのも、この大部な本を読み遂げるコツかもしれない。

    ひとつ気になったのは、「問題の本質は人種ではなく階級」という結論に至った話し手が多いこと。素直な実感なのかもしれないが、「問題を肌の色から財産の多寡にすりかえただけでは…?」「結局、人間は『己』と『他なるもの』を峻別しないでは生きられないのか」と哀しい気持ちにさせられた。

    ?〜2012/7/19読了

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著者プロフィール

1912-2008。ニューヨーク生まれ。シカゴ大学卒業。多様な階層の人々へのインタビューによって描かれる「口述の歴史(オーラルヒストリー)」は多くの名著を生んだ。著書『仕事!』『よい戦争』(ピューリッツァー賞)他。

「2022年 『死について! 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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