もしインターネットが世界を変えるとしたら

著者 :
  • 晶文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794962751

作品紹介・あらすじ

インターネットはマスメディアでもミニコミでもない。無数の「私」がつくるメディアが相互にリンクしあって世界を覆う。「私」のいるローカルな場が、物理的な距離をこえたトランスローカルな場に一挙に変容してしまう。それが、インターネットなのである。国家による暗号技術の独占など、こうした変容を阻む強大な力に抗して、はたしてそれは、いまある世界を、もっと風とおしのよいものに変えることができるのだろうか?私たちのコミュニケーションを意味あるものにするのは量やサイズの大きさではない。肝心なのは質や差異なのだ。90年代のコンピューターやインターネットと徹底的につきあいつづけた著者による、7年ぶりのラディカルなメディア論集。

感想・レビュー・書評

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  • 000005

    コンピューターやネット網が人間や国家社会をどう変えていくかについて示唆を与える評論。まだまだパソコンとの関係は印刷物やTVといった既存のメディアの代理に過ぎず、それ以上の可能性がコンピュータには含まれていると著者は指摘する。

  • 2011/05/13 読了

  • 2009/12/17購入

  • 2月20日のNHKスペシャル『ネットが革命を起こした~中東・若者たちの攻防』を見た方も多いと思います。

    この番組は、エジプトやチュニジアで続いて起こった長期腐敗政権の崩壊に大きな役割を果たしたのが「フェイスブック」や「ツイッター」など、新しいインターネット・ツールを駆使して独裁政権の言論統制の壁を破った若者たちだったことを取り上げています。

    弾圧で押さえつけられた民衆の怒りは、ネットによってどういうふうにして増幅していったのか、それを潰そうとやっきになった政権に対してどう若者たちは闘ったのかを、熱く語る中心メンバーや敵対する政府関係者を取材して、政権壊滅までの劇的な知られざる攻防戦に迫った貴重なドキュメンタリーでした。

    ムバラク大統領を退陣に追い込んだ2月12日のエジプト政権崩壊のニュースを見た時、この火は、今まさに同時多発的に独裁・抑圧国家の相を呈している他の国にも、きっと必ず飛び火すると確信しましたが、早くも中国でも北朝鮮でも始まったようです。

    もっと前からこういう問題意識を、かつてはラジオとかビデオでしたが、1980年代からメディアの社会変革への積極的な行使を思考・実験・推賞してきたのが、和光大学・武蔵野美術大学で教鞭をとりながら孤軍奮闘してきた粉川哲夫でした。

    私は、たまたま彼が映画好きで、その映画評を高校生の時に読んだことから、いつのまにか27冊位の翻訳書も含めた著作をすべて読むほど好きになってしまったのでした。ですから、現象学などを多少とも知り覚えているとしたら、彼のおかげ以外の何ものでもありません。

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