- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794963314
作品紹介・あらすじ
トウガラシは、人の味覚を挑発してやまない。辛い。なのにやめられない、奇妙な快感。トウガラシと人間の、この滑稽な関係とは?トウガラシの魔力に取りつかれた一人の男がその正体を探る旅に出た。起源を辿ってアンデスへ。世界一の辛さを求めてメキシコへ。各国それぞれのピリ辛料理。知られざる薬効。品種改良の最前線。「タバスコ」商標裁判。俳優グレゴリー・ペック、写真家ブレッソンらトウガラシ中毒者の症状エピソード…。世界の食卓を席捲しつつある「第五の味覚」の謎に迫り、かくもにぎやかな食文化の歴史を明かす、初のトウガラシ大全。
感想・レビュー・書評
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唐辛子好きな私はこの本を読んでると覚醒してきます(笑)
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トウガラシの歴史や文化について、著者1人の目線で調べ、体系化した本として秀逸と思いました。流れはルポルタージュふうなのだが、それぞれのコンテンツは、そのテの専門書を捜さないと得られないような情報がちりばめられていて、しかも俗に言うネタ元が孫引きとかでは決してなく、著者の足がその情報を引き出している点、そして歴史的な流れとして一定の視点を与えてくれる点に、ルポルタージュとしての価値の高さを感じた。
新大陸原産のトウガラシがもたらされる前まで、辛いものといえば胡椒ぐらいしかなかったということを考えると、今世界でこれだけもてはやされ、各地の伝統に入り込んでいる植物としての感染力、浸透力のすごさに、改めて感銘を受けたし、浸透の過程に、様々な人々が介在してきたことや、著者は語らないが、その定着していく不思議さに想像を働かせることができるような、文学的な作品でもあるように思う。 -
トウガラシそのものについてだけでなくトウガラシと人間の様々な関わりについて書かれています。普段あまり気にしたことのないトウガラシが何だかとてもおいしそうに思われてきて、「うん、ひとつ辛いもので暑さを乗り切ろう!」という気になりますよ。