和・発酵食づくり

著者 :
  • 晶文社
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本棚登録 : 79
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794967282

作品紹介・あらすじ

私たちの食生活の土台を狙っている米、大豆、麦、魚。そんなシンプルな素材を"発酵"させると、素晴らしい生命の味覚世界が広がります。大豆からは味噌、醤油…。米からは麹、甘酒、米糠、みりん…。麦からはパンを作りだすことができます。簡単に市販品を購入できる現代ですが、食の豊かさとは、お金で買えるものではなく、自分で作れる、そして本物の味を知っている、ということではないでしょうか?「秘伝発酵食づくり」の刊行から10年。より生活に密着した、実用的な発酵食づくりをここに披露。

感想・レビュー・書評

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  • 自然発酵のパン作りで有名な著者による、米、大豆、麦、魚を使った発酵食の作り方

    各発酵食品に関する観察や著者のエピソードを加えながらの、実用的なレシピ。
    食べ物に興味があって手にしたが、日本食、発酵食品について考えさせられる。
    ちゃんと料理をする方にはとても良いレシピなのではないでしょうか。

  • 米麹、甘酒、酢、みりん、糠漬、塩辛、熟れずし、豆味噌、たまり醤油、白醤油……このところ発酵ブームで世間は賑わっておりますが、発酵保存食は手間と忍耐のすえに菌環境が整ってはじめてできるもの。なんでも作ってしまう著者の情熱がすごい。

    衛生環境を守って食中毒を防ごうとするのは当たり前だが、細菌と共生することを「汚い」こととして必要以上に潔癖に囚われたがゆえに発生してきた現代病もある。

    白か黒ではなく、域値の存在しないグラデーションの中でちょうど良い塩梅でお互いに心地よく折り合うこと。これって結局、人間同士でも同じことなんだろうな。合理的でないもの、自分では100%コントロールできないものとのうまいお付き合いの仕方。

    p.170
    「発酵食づくりに使う米、麦、雑穀、大豆などの「穀物」、季節の「旬野菜」と「旬魚」は、日常の基礎食品でもあります。それらの原材料をさらに整理、簡素化すると、発酵食づくりの土台は米、豆、魚の三つの基礎食材で成り立っていることに気づきました。これは日本だけのことではなく、アジアの稲作地帯に共通して見られる傾向です。

    水田には米があり、畑には豆や野菜があり、それを潤す豊かな水源には魚が繁殖する。この三つが関連し合う産物は豊富であるがゆえに発酵という加工法を経て保存食や調味料になり、その地域特有の郷土料理や味つけになりました。

    食糧を末永く保存する知恵は、太古の祖先から引き継がれた飢えに対する備えの記憶かもしれません。また、発酵という長い時間の過程を経て生み出された天然アミノ酸の旨味や滋養を人間が好むのも、それが健康や思考に寄与することを知っているのも、DNAに組み込まれた潜在的なサバイバルの記憶のおかげかもしれません」

  • 購入してからレシピは使っていたけど、この機会にきちんと読了。
    とにかく素晴らしい力作。とにかく日々の努力、実験の集大成。伝統的な保存法、発酵食づくりの試行錯誤が綴られている。失敗の顛末も笑いを交えながら盛り込まれていて、さらにそこからの工夫や考察もお見事。
    とにかく経験、ということも知り得たことの一つ。もちろん食べ物を粗末にしたくはないので、きちんと読みこんで実行したいと思います。

  • 588.51-ハヤ 300056512

  • 発酵食大好きで、読み物としては面白かった。
    元彼の話とかちらっと出てきて
    くすりと笑えるんだ。

    パン以外の発酵食で私がつくったものは味噌とパンと豆腐とキムチ。
    それ以外にもつくろうかなとこの本を読んで考えたけど
    失敗のなれの果ては
    ショウジョウバエのこども
    とその後かなぶんのこども
    つまりは
    あの白いおぞましいものの発生の元を作るかもしれないということがある。・・・・
    それはだめだ、
    ゴキよりへびより
    ハエやカブトムシのおこさまが嫌いな私にとって
    無理なはなしだ・・・・。
    ということで実践はむりだけど
    発酵食にはあこがれる。
    おとなしくパンだけつくってよっと。
    あ、ビールは作る予定だけどね。

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著者プロフィール

1996年九州大学法学部卒業、1968年九州大学法学部法学研究科修士課程修了、1970年米チュレーン大学ロースクール卒業LLM。
1976年米イエール大学ロースクール(フルブライト研究員)、1982年米コーネル大学労使関係スクール(ACLS研究員)、1998年米ニューヨーク大学ロースクール・コロンビア大学ロースクール(フルブライト研究員)。
1979年-1985年熊本商科大学(現熊本学園大学)教授、1982年-1983年熊本商科大学付属海外事情研究所所長。
1985年-2013年福岡大学法学部・同大学院法学研究科教授(労働法担当)。
2003年4月弁護士登録(福岡県弁護士会)、女性協同法律事務所客員弁護士。
2005年米ハワイ大学ロースクール客員教授。
2013年4月-2016年11月公立大学法人宮崎公立大学学長。
2016年死去。

「2023年 『未来を展望する女性労働の法理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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