子どもを連れて、逃げました。

著者 :
  • 晶文社
3.22
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本棚登録 : 76
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794972439

作品紹介・あらすじ

DV、モラハラ、浮気、貧困――
それでも「家族」に希望を見出すために。

16人のシングルマザーたちは
困難な状況をどのように生き抜いたのか。
迫真のルポルタージュ。

「妻は私に別れを告げ、まだ3歳の娘の手を引いて去っていった。
私を父親にしてくれた妻と娘にはもちろん愛情はあった。
ずっと一緒にいるのだと思っていた。けれど、実際、そうはならなかった」

なぜ、彼女たちは「子どもを連れて、逃げ」たのだろうか。
妻子に去られた著者は自らの過去を振り返りながら、
女性たちの声に耳を傾け続ける。
はたしてそれは彼の救済へとつながっているのだろうか。

現代の家族と離婚の姿を立体的に描く。

【子どもを元夫に会わせるのは、別れた後、幸せになるため】

第1章:子どもを連れて家を出た
第2章:会いたくない、会わせたくない
第3章:家庭内別居という地獄……からの解放
第4章:会わせたかった。だけど縁が切れてしまった
第5章:離婚して、シングルになっても私は自由に生きる
第6章:再婚すれば関係も変わる……
第7章:「夫」との別れ、昔と今
第8章:夫婦の別れと父子の別れは別
現代の家族をどう考えるか――専門家にうかがう
 男女はなぜもめるのか?      しばはし聡子さん(一般社団法人りむすび代表)
 仕事を減らしてでも子どもの面倒をみる覚悟はありますか  古賀礼子さん(弁護士)
 昭和の頃から行われていた共同養育         円より子さん(政治家・作家)

感想・レビュー・書評

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  • 概要だけ聞くとなんでそんなことなるんみたいに思うけど、人には人の理由があって、まさに他者の合理性。
    とは言え、章ごとの著者のまとめ?感想?が肌に合わんな〜。

  • 「連れて逃げた」女性へのインタビューがメイン。
    片側の話だけだから実際のところはわからないけど、元夫たちの”幼稚博覧会”のようでちょっとクラクラ。
    反面、女性側にも「?」と思うような行動もちょこちょこあり、一概に「逃げられた側」ばかりが悪いこともないケースもあるよね…という思考には至りました。
    丁寧なインタビューと構成のおかげで、読む前にタイトルで抱きかけていた視点の偏りを防げた気がします。

    元棋士の男性や大手食品会社の娘婿の方がSNSで「子どもを連れ去られた」と発信しているのを目にしてから気になっていたテーマだから、男性側のインタビューも読みたい…と思ったら同じ著者がこの本の前に出されているのをまえがきで知ったので、こちらもぜひ読んでみたいです。

  • 『わが子に会えない』に続き、反対に母親側へのインタビューで構成されたルポルタージュ。
    前著の悲惨さに比べて、相手方がダメだというのは共通するも、調停や裁判で理不尽なこともなく、状況がより多様で平和に生きている。タイトルとは印象は少し違う。
    前著の会えない夫とは逆に、父親に合わせたいという言葉も多い。

    何だろう、同じ地平に生きているのかな?

    共同親権を導入すれば解決する話でもなく、父母4人いて幸せみたいなステップファミリーから、子供を育てる資格すらない親迄多様な家庭に向けて、行政や裁判所の権能と調査、調整力の強化、不適格者からの取り上げなど、改善すべきことは多くあろう。

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著者プロフィール

フリーライター。1970年(昭和45年)大阪生まれ。旅・現場・実感にこだわった作品を発表し続けてきた。近年取り組んでいるテーマは、日本が抱える国境離島の問題と防衛のあり方、さまざまな親子のかたちと共同親権、入管法改正案や移民の是非など。こうした賛否の分かれる国内の政治的な課題について、イデオロギーに追随しない、まっすぐで公平な取材・執筆にこだわっている。旧日本領のその後を訪ね歩いたルポ『僕の見た「大日本帝国」』(2005年、情報センター出版局)、書斎の床が本で埋まった体験を出発点に本と人の共存を考えた『本で床は抜けるのか』(2015年、本の雑誌社)、爆発的な経済成長を遂げた中国を四半世紀ぶりに回った『中国の「爆速」成長を歩く』(2020年、イースト・プレス)など話題作多数。

「2023年 『誰も国境を知らない 令和版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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