- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796617246
感想・レビュー・書評
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(01)
心霊(という用語)の歴史や、写真の歴史という観点から読んでも得るものは多い。心霊写真と呼ばれるものは、70年代後半からのブームのさなかにあったもので、このブームがどうして起こったか(*02)、テレビや雑誌といったメディアや写真の大衆化の問題にも触れられている(*03)。
また、撮影や写真の黎明から既に心霊的な写り込みは、写真に切り離せないものであったことも本書が明らかにしている。
(02)
近代科学とオカルトあるいはスピリチュアルの問題は、これまでも多く指摘されてきたことであるが、本書では念写と幽霊写真の観点からこの問題を整理しており、読者は問題の理解を深めるに違いない。この日本のオカルト初期に関わった様々な学者や出版人、宗教者の名前を眺めるだけでも痛快である。
(03)
心霊写真のブームが90年代以降どのように去っていって、そのスペースにどのようなオカルトが入り込んできたかにまで、終章あたりでは言及されている。そこまでをひとつの画期として、本書が書かれる必然があったのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心霊写真という物を過去から一つの軸としてまとめたものはあまり見かけなかった。
まぁ根本的にはねつ造説が強い内容だが過去から現在やっていることはそう変わってはいなそうだ。
人の心が根本的に解明された暁心霊写真というものもこの世から姿を消してしまうのだろう。 -
[ 内容 ]
写ったのは本物か否か…。
明治の写真師が、日本初の「心霊写真」を撮影した歴史的瞬間から、現代人が、家庭用ビデオの映像に幽霊を発見するまでの120年史。
フィルムに焼き付けられた「幽霊」と日本人の摩訶不思議な関係を辿る。
[ 目次 ]
序章 幕末日本に「心霊写真」はあったか
第1章 日本最古の「心霊写真」
第2章 明治の日本と「心霊写真」
第3章 「幽霊写真」VS「念写」
第4章 「心霊+写真」の成立
第5章 エロ・グロ・心霊
第6章 「心霊写真」のポスト・モダン
第7章 亡者たちの宴の始末
終章 世紀末の「心霊ビデオ」
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2007年6月29日