- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796663304
感想・レビュー・書評
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実名を出して、記述するというのは、勇気がいる。
そして、グレーゾーンを駆け抜ける中で、
自分のポジションをどう説明するかも、
難しいし、保身に入ると主観的なものとなる。
法的な問題を起こしていないと言う立場が、物足りなさがある。
金融アウトローの儲けのスキーム。
最後の大物仕手で株価操作をする西田晴夫と
それをサポートする女相場師 白杉恵子。
暴力団と共生する 共生者の存在と操作の内容を明らかにする。
金融アウトローたちの錬金術。
アウトローに限りなく近くに存在すれば、塀の上を歩かざるを得ない。
西田晴夫の独特の勘による仕手戦。
西田銘柄として有名になったのが「宝林」。社名を「ジャパン・オークションシステム」、さらに「サハダイヤモンド」と変えるたびに仕手銘柄となる。わずか一株数十円で投資家から「宝林」株800万株を手に入れた西田は、私募CB(転換社債)を発行するなどの手口で株価を吊り上げ、最終的には2500円を超える大相場を演出してみせた。西田の最高傑作と言われる。
シルバー精工、アイビーダイワ、ボディソニック、キムラタン、YOZAN、クオンツ。
南野建設(現A・Cホールディングス)株による相場操作で、逮捕された。
西田は「カネは表に出すべきだ。税金を払って堂々とやる。」
相場操縦は、ボロ会社を手に入れ、増資引き受け、株化を10億円にして、それを繰り返す。
第3者割当増資。新株予約権。
転換社債の仕組みがうまく利益を上げられる。
投資組合を使った ディストリビューション。
錬金術も、勘とアイデアと度胸なんですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
近代仕手戦の戦略の変化の変遷。カチ上げからMSCBまで。この中では焦点があたってなかったけど、ハメ込まれている個人がたくさんいることを再認識。おれもいくつか肥やしになりやしたw
IBダイワやアーティストハウス、千年の杜や宝林・・・懐かしの銘柄の裏側を知るという意味でもトレーダー必読書。 -
かなり読み応えのある本だった。過去の相場についてあまり経験がないので、文中で語られているストーリーについてはあまり思い浮かばなかったが、経験的に理解しながら読めるよう、また将来是非とも読み返したい本。
著者が、過去に読んだ『海外預金口座&オフショアファンド完全活用ガイド』と同じと知って驚き。一見、ジャンルが異なるが、著者のキャリア上経験した話をまとめたという点では共通している。
p.220
ある創業経営者が言っていた。
「上場を維持するには、監査報酬やらなんやらで年間2億円ほどかかる。いっそ上場なんかせず、そのコストを利益として計上して、社内の給料を増やした方がいい。そうすれば会社も社員も、みんながハッピーだ」 -
担当役員から「勉強するように」と渡された。