カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

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著者 : 原田マハ
  • 宝島社 (2008年5月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796663526

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カフーを待ちわびて (宝島社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 沖縄を舞台にした小説が読みたい…
    と思い購入したこの本。

    まさに私が求めている沖縄の空気、
    ゆったりした時間が流れ、
    運命とも言えるような出会いと
    温かい気持ちになれる結末。

    沖縄を旅してみたくなりました。

    原田マハさんは芸術関係の
    攻め挑んで来るような鋭い作品も
    とても好きだけれど、
    実は日常を描いた緩やかな作品の方が
    私は好きだったりします。

  • 「嫁に来ないか。幸せにします」
    「絵馬の言葉が本当なら、私をお嫁さんにしてください」
    から始まるスピリチュアルなほどピュアなラブストーリー。
    ゆるやかな時間が流れる、沖縄の小さな島。一枚の絵馬と一通の手紙から始まる、明青(あきお)と幸(さち)の出会い。偶然に見えた二人の出会いは、思いも寄らない運命的な愛の結末へ。
    第1回「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞作品。
    Amazon より

    絵馬に書いてあっただけで、そんなことにはならないよなぁ・・・
    と思っていたら、やっぱりつながりがあった.
    でも、シリアスすぎず、沖縄のゆったりとした時間を感じさせる文章が二人を取り囲む友人や環境をゆるやかに心の中に広がる作品.
    待ちわびて、だけど、待っているだけじゃ、つかまえられない想いがある.

  • 2005年第1回日本ラブストーリー大賞受賞作。

    沖縄の与那喜島で、小さな店をやりながら、ひとり暮らす友寄明青(ともよせあきお)。
    友寄商店は戦前から続くよろずやで、昼間は中休みをとるのんびりしたやり方だ。
    明青が子供の頃に、母は家を出た。
    祖母もなくなった7年前からは、裏の家に住むおばあが、夕食は作ってくれている。
    おばあは、ユタという沖縄の巫女だった。ユタは今も地域の要で、代々続いている家系もある。神託を受けた後、厳しい修行をしてユタになるのだ。
    島人(シマンチュ)が折節に相談に来たり祈ったりしている特別な家。おばあは本物の神人(カミンチュ)だと明青は感じている。
    ことあるごとに、おばあはそれを予言するウシラシ(お知らせ)を告げてきたからだ。

    犬のカフーも一緒にいる。
    黒いラブラドール犬。
    カフーとは、果報という意味と、幸せという二つの意味がある。

    友達と生まれてはじめて島を出て旅行した先で、飛泡神社の絵馬に「嫁に来ないか、幸せにします」と名前も書いた。
    崖が心中の名所になっているというところだったが。
    「お嫁に行きます」という手紙が来る。
    まさかと驚きつつも、それとなく支度をして、待ちわびる明青。
    あきらめた頃になって、すらりとした綺麗な娘・幸がやってきた。
    笑顔で店を手伝い、すぐにカフーと仲良しになる。

    町では開発計画が進んでいて、乗り気でない数軒も、次第に説得されていく。
    人口800万の島に、観光客を5万集めようというリゾート計画だ。
    かっての級友・俊一がその会社にいるのだが、いかにもやり手で調子がいい男。犬のカフーは俊一が来ると必ず吠え立てていた。
    祈りを重ねてきた家を手放したがらないおばあだったが。
    明青は、幸と結婚するために家を売ろうとついに決心する。
    ところが、幸の正体を友達から聞かされて‥?

    まぶしい日差し、珊瑚の石垣、晴れ晴れとした水平線。
    小学校の校庭にある巨大なデイゴに登った思い出。
    犬のカフーと散歩し、近所の人とおしゃべりする毎日がなんだか羨ましい。
    何気ない生活の中で、ゆったりと育まれるラブストーリー。
    気立てが優しく不器用な二人の、控えめな気持ちが、切ない。
    大ハッピーエンドではないけれど、たぶんそうなるだろうと‥
    想像させる余韻を味わえます。

    作者はキュレーター、ライター。
    大手総合商社、ニューヨーク近代美術館勤務などを経て、2002年独立。

  • 有名人が不倫の果てに波頭崖から身投げしたことで知名度があがった飛泡神社。友寄明青はそこの絵馬に場違いな願掛けをする。
    「嫁に来ないか。幸せにします」

    もちろん本気で書いた訳ではない。

    なのに、幸という女性から手紙が届いた。
    「あの絵馬に書いてあった言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください」
    その後本当に、美しい女性 幸が現れる。まさか神様が本当に花嫁を連れてきてくれたのか…?

    沖縄の美しい風景とリンクして、不器用な2人の恋模様が眩しい。でも明青、不器用すぎるよ…。

    カフー、アラシミソーリ。幸からの手紙があたたかくてせつない。

  • 切なくて温かくて。

    いつになく、ジンと深く長い余韻に浸った。
    沖縄の離島に暮らす明青とそこにやってきた秘めた過去を持つ幸とのひと夏の暮らし。忍び寄る島の再開発を波形に二人の恋の行方が描かれる。

    荒削りだけれど、物語の引力が強くて、読者の私の気分はすでに島人だ。一度も訪れたことのない南国だけれど、明青と幸のカップル二人と親同然のおばあや、友人たちのにぎやかな顔が浮かんできて、とても楽しくゆるやかな時間を楽しむことができた。

    心の洗濯ができた。彼ら与那喜島の人々に幸せな日々が来ることを願ってやまない。

  • 沖縄の小さな島に住む明青は、小さな店を営みながら犬のカフーと裏に住む巫女のおばあと静かな生活を送っていたが、島は明青の友人である俊一が進めようとしているリゾート開発の是非を巡って揺れていた。
    そんな中、明青が旅先の神社で気まぐれに「嫁に来ないか」と書いた絵馬を見たという女性が、本当に明青の元にやってきた…。

    「楽園のカンヴァス」が面白かったのでこちらの小説を読んでみたらビックリ、スタイリッシュでエッヂーな「楽園…」から一転、こちらは胸が締め付けられるほど穏やかで素朴で優しい小説だった。
    「オリエンタリズム」ならぬ「オキナワリズム」とも呼ぶべき、誰しも多かれ少なかれ持っているであろう沖縄に対する憧憬と郷愁と先入観が少なからずこの小説の覚束ないリアリズムを助けていることは否定できない。しかしそれ以上に、登場人物たちの恋愛感情がとても活き活きと、また初々しく書かれているので、ストーリー自体はおとぎ話のようでもこの小説にリアリティを感じることができた。
    沖縄の言葉や習慣を丁寧に調べ、またさりげない伏線にもキッチリと落としどころを付けてあるところもさすが原田マハという感じでぬかりない。

    物語のカラクリとしてはおおむね予想していた通りだったけれど、こういうラブストーリーは、奇をてらうよりもこのくらいの予定調和感で進んだ方が最後のオープンエンディングが活きると思う。

    三浦しをんの「風が強く吹いている」を読んだ時に、今年の上半期ベストは決まったと思っていたけれど、ひと月も経たないうちにこの作品が私的記録を更新してしまった。今年は良い小説に沢山巡り合えて幸せだ。

  • 沖縄の海に吹く潮風を感じて
    ゆっくりとした時が流れていく...

    純情ピュアな純愛物語。
    久しぶりに出会ったような気がします。

    沖縄の海に浮かぶ島、与那喜島。そこで小さなよろず屋をやりながら
    おばあと暮らす青年・友寄明青(ともよせあきお)は35歳。独身。
    島からは一歩も出たことがないという、この素朴な青年が主人公です。

    明青はね、
    優しすぎてお人よしすぎるから...

    そんな彼のことを少しでもわかってあげていたのなら、黙っていないでよ幸...。
    勝手に押しかけてきたのは幸の方なのだから、あなたの事情もわかるけれど
    ほんの少しでいいから心を開いて、明青になにか一言ってあげて欲しかった...。
    明青にも一歩を踏み出す勇気を出して欲しかったけど...
    そうしたらお互いがすれ違わずに済んだかもしれないのに...

    あぁ..でももうそれも過ぎてしまったこと。
    今さらですね...(笑)

    明青はきっと島に帰っているのでしょう♪
    カフーを手にして。^^

    島は賑わっているかな...

  • 原田マハさんのデビュー作で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞した作品。
    カフーとは沖縄の方言で果報、良い知らせのこと。
    沖縄の小さな島で暮らす明青(あきお)。
    本土の神社で「嫁に来ないか。幸せにします」と絵馬に書く。
    「絵馬の言葉が本当なら、私をお嫁さんにしてください」と書かれた手紙が届き、幸(さち)が島にやって来る。
    沖縄の景色がふんわりと浮かび、やわらかな風が感じられるようなラブストーリー。
    ラブストーリー好きの私のツボにはまりました~^^
    玉山鉄二さん主演の映画も観てみたい!!

  • 目を閉じると沖縄の小さな島、青い海と空が浮かんでくる。
    ラブストーリーが読みたかったので納得の恋の話でした。
    読み終えた後は、あたたかく、しあわせな気持ちになりました。

    おばあの言葉「幸せは、いくら待ってても、やって来ない。自分から出かけて行かなくちゃ、みつけられないんだ、って。」
    そうなんだよなー。

    南の国の人や生活って本当にのんびりしていて好きだな。
    南の島で好きな人と犬も一緒にのんびり暮らしてみたいと思う本でした。

  • 美しい。原田さんの文はいつだって美しい。美しいものを書くと尚更美しくて綺麗に感じる。
    舞台は沖縄・与那喜島。雑貨屋を営む明青のところに一通の手紙が届く。差出人は幸。見知らぬ人からの手紙には「絵馬が本当なら私をお嫁に貰って下さい―」。絵馬とは数ヶ月前に神社で書いた「嫁に来ないか」と書いた事だった。
    沖縄には残念ながら行った事はなくて、あくまで想像になりますが、あの表紙のような白い砂浜に、赤いハイビスカス、キラキラの日差しと通り抜ける風。
    もう、想像するだけで楽園のような世界。もちろん実際の離島では作中の財政問題のような事がごろごろしてるとは思いますが、でもやっぱり美しいと想像せざるを得ない位、うっとりしまくります。
    そこへ王道のラブストーリー。映画では幸をマイコが演じたそうですが、ピッタリだわ〜ズボラで面倒くざかりな割に、しっかりピッとした佇まいだったり、くるくる変わる笑顔と肝っ玉母さんのような据わりよう。
    俄然興味が沸きました。
    物語のありえないような出会い、でも過ごしながら、少しずつ距離の縮まってゆく感じが堪らないです。
    ラストは、私はそう願っています。

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