リバーズ・エッジ 愛蔵版

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796666985

感想・レビュー・書評

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  • あたしが引っ越してきた新しい街には沼があった。
    緑色にぬめぬめと鈍く光るそれは、夏には異臭を放ち
    死んだ魚がぷかぷかと浮いていた。

    生きている実感なんてもてない。
    セックスはしてみたら、拍子抜けするほど大したことはなかった。
    鬱々として抑圧された感情はある日突然爆発する。

    死体を宝物だという山田君、
    食べては吐いてを繰り返す吉川こずえ、
    引きこもってあげくには妹を刺してしまう友人の姉、
    まるで自分のようだと思った。

    猫の死体を見て泣きながら吐いている若草が
    もどかしくて、愛おしい。

  • 虚無感、閉塞感、残酷・・・言葉ではうまく出せない空気を切り取ってみせる手腕が秀逸過ぎ。
    読後は、それでも私たちはこんな世界で生きていくのだと、リアルな実感がないことこそがリアルなのだと、妙に納得させられてしまう青春小説的な作品。
    岡崎先生の最高傑作。

  • 「本当にそうだ

    あたし達は
    何かをかくすために
    お喋りをしてた

    ずっと

    何かを言わないで
    すますために
    えんえんと放課後
    お喋りをしていたのだ」

  • CUTIE少女だったころのバイブルです。

  • このマンガは日常を書いているようで、意外と多くの事件やアイテムが登場する。
    だから映画化や、ドラマ化の可能性もなきにしもあらずだと思う。(すでにされているかも知れないが)
    ただ、映画化しても、ドラマ化しても、それは陳腐なものになるだろう。
    マンガでしかこの空気感と、リズムは味わうことは出来ない。
    岡崎京子という人も知らず、ただ表紙を見て買ったが、それは大正解だった。ある意味では、この表紙も作品を語る上ですばらしいと思う。

  • 映画のような、音楽のような漫画です。
    詩がとても素敵。
    宝物です。

  • そんなことがあっても風化していってしまうものなのだろうか。
    川沿いの青春群像、
    みんなどこか駄目なんだけど、その、お互いの歪みが共鳴だったり衝突だったりする、その反応の描き方がとても上手。
    私はヘルタースケルターが岡崎京子の初めてだったので、吉川こずえにも会えて嬉しかった。
    印象に残る作品でしたよ。

  • 現実離れした話が初めてリアルに感じた。

  • 2022.10 再読。小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」を聴いたので。映画の方は観ていない。

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著者プロフィール

著者経歴 80〜'90年代を代表する女性マンガ家。既存の「少女マンガ」ではない、リアルなセックス描写80〜'90年代を代表する女性マンガ家。既存の「少女マンガ」ではない、リアルなセックス描写と巧みなセリフ回しで、愛や暴力、トレンド&カルチャーが描かれたマンガを生み出してきた先駆的存在。『ヘルタースケルター』で2003年文化メディア庁マンガ部門優秀賞、'04年手塚治虫文化賞・マンガ大賞受賞。主な作品に『pink』『ジオラマボーイ☆パノラマガール』『リバーズ・エッジ』『エンド・オブ・ザ・ワールド』など。


「2015年 『恋とはどういうものかしら?新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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