サラ金殲滅

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796672429

作品紹介・あらすじ

武富士ダンサーズ、無人契約機、くーちゃん…。巧みなCM戦略で低所得層を喰い物にした消費者金融。彼らはなぜ金融市場に君臨できたのか?銀行、クレジット会社はいかに共謀したのか?貸金業界の興亡を描き、電子マネー、ポイント制度など、新手の金利ビジネス台頭に警鐘を鳴らす渾身のルポ。

感想・レビュー・書評

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  • 2010年発行であり、4年間でもまだ生き残っているサラ金はいます。
    1980年代から2010年にかけての記録としてもおもしろく読めます。

    サラ金殲滅
    2010年7月1日 第1刷発行
    著 者  須田慎一郎
    発行人  蓮見清一
    発行所  株式会社 宝島社
    ISBN978-4-7966-7242-9

    目次
    まえがき
    序章 サラ金殲滅
     金融庁首脳が筆者に漏らした“退場勧告”
     “金融食物連鎖”の正体
     サラ金丸儲けを演出した“株式上場”
     ソフトヤミ金の債務者たち
     自分が多重債務者だと気づいていない人々
     人を追い詰めてきただけの金融
    第1章 銀行のサラ金喰い
     MUFGがアコムを見捨てる日
     サラ金の上前をはねたメガバンクの罪
     貯めてから使うか?使ってから貯めるか?
     都市銀行が無担保、無保証の「個人ローン」に手を染めた本当の理由
     浮世離れしていた旧三菱銀行の審査基準
     住活ローン、マイカープラン・・・・・・旧富士銀行の問題商品
     全情連情報に不正アクセスまでしていた富士銀系ノンパンク
    第2章 武富士、アイフル 大繁盛の舞台裏
     アイフル・福田社長を富豪にしたマジック
     標的は二流客の不動産!アイフル「おまとめローン」のトリック
     サラ金の「やりたい放題」が許された訳
     武富士「フリーライター宅盗聴事件」の背景にあった「格付け問題」
     自動契約機が増えて、自己破産も増えた
     生活資金ではなくギャンブル融資が大半
     政界工作で悪あがきした業界
    第3章 個人信用情報の争奪戦
     個人信用情報の独占こそが「虎の子」だった
     テラネットをめぐる「武富士vsレイク」の内紛
     テラネット情報をアテにして出来た「モビット」「アットローン」
     与信情報の共有とともに消える旧来型サラ金
    第4章 貸金業界vs金融庁 カネ貸しの敵と呼ばれて
     「貧乏人はキャベツを食え」
     改正貸金業法成立の「内幕」
     貸金業界の敵なのか?手先なのか?
     こうして導入が決まった「総量規制」
     金融庁は「サラ金バブル」をどう見ていたか?
     半数が返済のための借り入れだった
     そもそも健全な借金はあるのか?
    第5章 終わりなき過払い金返還請求
     自殺者増加と多重債務の切り離せない関係
     “獲物”となってきた低所得層の若者
     須田慎一郎vs業界御用達の学者
     グレーゾーン金利を守りたいがための独善的ロジック
     アイフル系列の業者が開けた「パンドラの匣」
     オリックス・宮内義彦の「規制改革会議」がかけた圧力
     コード71問題と過払い金返還特需
     不良司法書士の手口
     ヤミ金に乗っ取られる弁護士事務所
     過払い金返還請求はいつ終わるのか?
    第6章 ノンバンク業界のマフィアな面々
     日本振興銀行のヤミ
     疑惑の数ならメガバンク並み
     カリスマ仕手筋と稲川会の影
     ライブドア残党のハイエナ集団が暗躍か
     振興銀、譲渡債権の一時プール先
     税務調査逃れの政界工作
     株価操縦スキームとバブル期の「リゾート王」
     SFCGから流出した隠し資産
     SFCG-振興銀、二重譲渡債権の暗黒
     「やっていることはヤミ金と一緒じゃないか!」
    第7章 クレジットカードの新しい罠
     専業主婦が借りられないのは是か非か
     流通系企業がポイントカードに力を入れる事情
     財布の中のスペース争奪戦
     クレジット先進国アメリカの知られざる事情
     クレジットヒストリー=「信用偏差値」に覆われる社会
     小口客でも大きな利益になるカラクリ
     ポイントサービスはリボ払いへの誘い水
    第8章 電子マネーとニューウェーブ金融
     電子マネーで「車券」や「馬券」が買える
     トヨタファイナンスがキャッシング、ローン事業から撤退した理由
     3000円以下の小額決済が今後の主役に
     電子マネーから金利収入を得る仕組み
     楽天ポイントが「通貨」になる日
     流通、交通、通信系企業が貸金業を駆逐する!?
    終章 「借金は悪」の時代
     団地金融-現金の出前いたします
     最初は新興中流層が客だった
     生き残るには暴力的な取り立てしかない
     「信用情報」を追い貸しに使ったのが運のつき
     多重債務者の救済コストを社会に押しつけた罪
    主要参考文献

  • 読むつもりはなかったが、全部読んでしまいました。振興銀のカラクリなどもわかりました。

    今後は流通系のポイントカードや電子マネーがヤミ金のあとの問題になってくるそう。丸井のカードですら1度延滞すると、深夜に訪問してドアをけるなどの威圧的な取り立てをするというのは驚きです。

  • 「貸金業法改正」を軸としたサラ金の歴史的背景。キャッチーなCMを流したところで所詮サラ金はサラ金。

  • 貸金業法改正により、ますます厳しい経営が予想されるサラ金業界。まさに殲滅という言葉が相応しい状況であることがよくわかった。

  • この頃の須田慎一郎は良い本を書いていたんだけどなぁ

  •  サラ金の陥った現状についてわかる点は興味深いが、それ以外の考察は、まるで週刊誌のような内容。いろいろ取り上げてはいるが、信ぴょう性について確認が取れるのかどうか。あまり評価できないと思えた。

  • 元いた業界の話だが、他人ごとの様に読めた。
    それ以外の感想は特にない。

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著者プロフィール

須田慎一郎(すだ・しんいちろう)
経済ジャーナリスト。1961年東京都生まれ。日本大学経済学部卒。経済紙の記者を経てフリー・ジャーナリストに。
「夕刊フジ」「週刊ポスト」「週刊新潮」などで執筆活動を続けるかたわら、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)、「そこまで言って委員会NP」(ytv)、など、テレビ、ラジオの報道番組で活躍中。 また、2007年から2012年まで内閣府の多重債務者対策本部有識者会議の委員を務める。政界、官界、財界での豊富な人脈をもとに、数々のスクープを連発している。
著書に『ブラックマネー』(新潮文庫)、『山口組マネー』(宝島社)、『投信バブルは崩壊する! 』(ベスト新書)、『下流喰い 消費者金融の実態』(ちくま新書)、『「階級格差」時代の資産防衛術』(イースト新書)などがある。

「2019年 『なぜカリスマ経営者は「犯罪者」にされたのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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