臨床真理 (下) (宝島社文庫 C ゆ 1-2)

著者 :
  • 宝島社
3.12
  • (18)
  • (65)
  • (125)
  • (47)
  • (11)
本棚登録 : 762
感想 : 93
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796675758

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 予想出来てたこともしんどいなあ。胸糞悪い、ってゆうか。
    登場人物は好きな感じなんだけどな。

  • 正直私自身、臨床心理士さんにお世話になっているので、時折表現が特にダイレクトに伝わってきて、患者さんの抱く苦しみを共に味わった気分になりました。
    惹き込まれる感じが強くて、辛いのに読み進めちゃいました。
    真相については「腐れ外道め!」という感想しか浮かびません。
    何と残酷で辛い真相なのでしょう。
    それでもその真相の先で主人公と一人の少年の大幅な成長が感じ取れ、またいつか再会してほしいと願う心地よいラストでした。

  • 声に色がついて聞こえる共感覚の持ち主・司と臨床心理士の美帆。そこに美帆の同級生で警察官の栗原が加わり、事件解明へ挑む。ミステリーとしても面白さだけではなく、障害者の性という問題も提起している。真犯人は想像通りだったけど、終盤に向けて一気に読ませる筆致はすごい。これから追いかけていきたい作家さんです。

  • ワクチン副反応で発熱中に読んだので、なおさら過激さが強まってしまった。確かにすごい作家ですな。すぐにでもドラマや映画になりそうな作品。

  • 共感覚の人を知っている。実際に、共感覚の人はいる。他人には確かめようがないけれでも、共感覚という不思議な症状と、その理由を理解できたわけではないが、その人にとっては間違いなくあるのだと思う。共絶対音科の人にシエ全おあらゆるものが踏め状の音符になって聞こえるのと同じように、音が色となっても不思議はない気がする。感覚の持ち主であるつ藤木司と、彼を担当する臨床心理士の美帆。そして、美穂の友人である警察官の栗原が副施設で起こった事件の真相に迫る。共感覚と失語症が事件の鍵を握る。突拍子もないものとものが結びついているから、不自然と思える飛躍が散見するが、それがおもしろくもある。

  • 上巻レビューで「とっくにわかった」と書いた出来事において、黒幕は違ったので「ごめんなさい」だが、やっぱり私はこの作品は好きではない。
    黒幕がわかった直後の主人公、なんでそんな所に逃げ込んで友人の警察官に電話してるのよ!呆れる…

    解説者は絶賛している。
    その解説によると上巻にあった「そうこ」における事件の描写は、応募時にはあったが一旦単行本化された時には削られ、文庫化の際に再度加筆されたとのこと。
    その割にこの下巻にも誤字脱字が目立つ。(第1刷発行)

  • 真実がどんどん判明していくので、一気に読めた。
    だいぶえげつない欲がからむ話だったけど、ここまでじゃないにしろ現実で似たようなことが起こっていないとは言い切れないな、と思った。
    主人公が大変な目に遭うシーンがあるのだけれど、描写が生々しすぎてちょっと嫌気がさしてしまった。

    下巻でもやっぱり美帆が突っ走るのでハラハラ。それヤバそうだから気付いてー!って思いながら読んでた。

    後味が良い話ではないけれど、真相がきちんと全部わかって終わるのでスッキリ。
    司が変な風に利用されないといいなと思ったり、栗原との関係はどうなるのかなと想像したりした。


    後半、誤字脱字が多かった。その後、直っているのかなあ。
    168ページ『さっきのおじさん見たいに →『さっきのおじさんみたいに
    177ページ
    性癖向き合って→性癖に向き合って
    180ページ
    強制するじゃない→強制するものじゃない

  • 一気読みだけど、嫌悪感だけが残る。
    主人公の美帆の行動も自分の正義感だけで、見境なく行動するし、栗原の面倒な事はあえて突っ込まない精神なのに美帆に引きづられて関わっていく心理の変化がきちんと描写して欲しかった。
    でも引き込まれる文章力は新人の頃からあったのだと実感。

  • 2021.7.16角川文庫版にて読了。

    説明
    内容紹介
    真実を話していると白、嘘をついていると赤……臨床心理士・佐久間美帆の担当患者・藤木司は、「共感覚」によって声に色彩を感じるため、嘘を見破ることができた。その上で彼は幼なじみの少女が自殺するはずがないと力説。信じがたい話だったが、美帆は司の治療のためにも調査を決意。知人の警察官・栗原の協力を得て、2人が暮らした知的障害者施設を探り始めるが、次第におぞましい出来事が明らかになる。第7回『このミス』大賞受賞作が文庫化!
    著者について
    柚月 裕子 (ゆづき ゆうこ) プロフィール

    1968年、岩手県生まれ。山形県在住。フリーライター。雑誌やテレビ局のホームページで作家の対談・インタビューのまとめを担当している。第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞、『臨床真理』にて2009年1月デビュー。

  • 上巻から続けてひと息で読み終えた。話のそこここで無理があるし、登場人物の行動もチグハグ。読後感も決していいとは言えない。でも、一気に読ませるだけの力が文章にある。その後の活躍もうなずける処女作。

全93件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×