【映画化】完全なる首長竜の日 (『このミステリーがすごい! 』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
3.18
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本棚登録 : 1455
感想 : 357
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796679909

感想・レビュー・書評

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  • 胡蝶の夢というテーマが好き。
    この作品に漂う暗さはなんとも印象的でまるで映画を見ているようだった。

  • 夢か現実か曖昧な世界観は、確かにインセプションやシャッターアイランドに通じていて好み。ですが早々にオチが見えてしまったことや、坦々と進んでいったことが物足りなかった。

  • 植物状態になった患者とコミュニケーションできる「SCインターフェース」という医療器具が開発され、それを使用する専用の医療機関もある設定のSFなのだが、主人公淳美が自殺未遂により意識不明となった弟浩市と意識を通わせ合ううちに今が現実なのか、SCによる治療中なのかわからなくなっていく。その描き方は秀逸だが、オチはなんとなく最初の方でわかってしまった。それでも読ませる力はあるし、デビュー作としては選考委員も絶賛するように何も引っかかるところはなかった。
    ただ、最後が悲しすぎた(それすら現実なのかわからない感じもまたよかったけど)。

  • 途中の現実だかセンシング中だか分からない様子に混乱気味でしたが、最後まで読んでなるほど、となりました。そっちだったか。

  • 何となくプロットが分かってしまったので、ああこのシーンもまたアレか、コレもか、って気分で読み進み、最後に武本さんが出て拳銃もあって、あーあ、って感じ。本当に良く出来てるんだけど。まさにインセプション。古くはクラインの壺。でもね、もし植物化してても意識だけこんなに鮮明にあったらマジ地獄ですね。何度拳銃自殺したって死ねやしないんだから。

  • いちおうミステリーだが殺人事件が起きなので個人的には不満足。だが、著者の力量は認めざるを得ない。現実と仮想空間が交錯するけっこう厄介な構造を持つ物語なので、読んでいるといったいなにが現実で何が仮想空間なのかわからなくなってくるが、そう思わせることこそが著者の狙いであり、そして物語の核心を読み解くための最大のヒントにもなっていて、その構成力には舌を巻く。また、文章の書き方も非常に緻密で丁寧。くどすぎず、かといって説明不足にもならないバランス感覚はお見事。

  •  最初はどんな趣向の物語なのかつかめずにとまどった。まったく事前情報無しの読書は珍しいのかもしれない。いつもは何らかの形で、せめてジャンルくらいは知って読んでいるのだ。そんなことに気づいたりした。とまどいはしたけど、漫画家である主人公の日常がなかなか魅力的に描かれていて、ついふわりふわりと読んでいた。

     読んでいるうちに、不気味な不協和音が紛れ込んできて、そういうタイプの小説なんだと納得しながら読んでいたら、それは小説の叙述タイプなのではなく本当に不協和音だったのだと思い知らされて、ひどくびっくりし感心した(ネタバレすれすれで申し訳ない)。特にラストシーンは印象的だった。

     サリンジャーの小説が大きな意味を持っているのがおもしろい。久しぶりにサリンジャーを読みたくなったし、この小説を読んでいるだけで、サリンジャーというのはすごい作家だったんだなと実感できる。そういえば、この作品の作者の文章力もたいしたものだと思って読んでいたけれど、言われてみればちょっとサリンジャーに似ているかもしれない。

  • ん~。途中まではさくさく。
    その後、撃沈。好みではないかも。

  • 前半と後半の違いがおもしろい。
    現実を生きていると思ったら、自分がいる方が夢の中だった
    胡蝶の夢。

  • 最後にどたばたと展開するのが、面白いのか、なんなのかという感じ。
    意外は意外だけど、期待してたほど事件が起こらなかった。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。小説家・劇作家。2010年『完全なる首長竜の日』(宝島社)で第9回「このミステリーがすごい!大賞」を、『忍び外伝』(朝日新聞出版)で第2回朝日時代小説大賞を受賞しデビュー。2013年『忍び秘伝』(文庫化タイトル『塞ノ巫女』)で第15回大藪春彦賞候補。近年は作品の英訳版が発売され、中国のSF雑誌にも掲載されるなど、海外での評価も高い。『機巧のイヴ』シリーズ(新潮社)、『見返り検校』(新潮社)、『僕たちのアラル』(KADOKAWA)、『ツキノネ』(祥伝社)、『ねなしぐさ 平賀源内の殺人』(宝島社)など、著書多数。

「2020年 『ドライドックNo.8 乾船渠八號』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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