初恋コレクション (宝島社文庫) (宝島社文庫 C た 6-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796680851

感想・レビュー・書評

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  • 表紙買いをしました。タイトルから学生達の青春物語だと思い込んでいたのですが、実際には大人達のどこか子供のようで初々しい恋模様が描かれていました。官能小説だということにも気づかずに読んでいたので、そういう場面に入っていって凄く驚きましたが、なまなましくも狂おしくも尊いシーンの描写に魅了されました。官能小説自体敬遠していて初めて読んだのですが、なかなか面白かったです。

  • 3人の女性の恋を描いた、連作短編集です。

    まずは23歳の八尾久美子(やお・くみこ)の物語。自分が平凡な女だと信じている彼女は、25歳の石井利樹(いしい・としき)に熱心に口説かれたので、何となくオーケーして付き合い始めたものの、彼とセックスをするという実感を持つことができず、彼女の部屋に行きたいという利樹の依頼をすげなく断ってきました。ところが、ある日利樹は、これまでになく真剣に、彼女の部屋に行きたいと彼女に言い、彼女を愛していると告げます。

    戸惑う久美子は、先輩の谷沙緒里(たに・さおり)からアドヴァイスを受けて、利樹の本当の気持ちを確かめようとします。しかし、部屋に上がらせてもらうことを断られた利樹は、彼女を傷つけてはいけないと思い、彼女と食事をした後、すぐに家路に着こうとします。気持ちのすれ違いに久美子の気持ちはぐちゃぐちゃになって泣き出してしまい、けっきょく2人いっしょに彼女の部屋へ行き、初めて身体を重ねます。

    続いて、谷沙緒里に物語のバトンが渡されます。セレブな雰囲気をまとっている沙緒里ですが、そんな彼女に男たちは近寄りがたいオーラを感じてしまい、少しも言い寄ってこようとしません。そのため彼女は、30歳になるこの年まで処女でした。そんな彼女は、22歳で可愛らしいルックスの後輩・西脇浩一郎(にしわき・こういちろう)のことが気になり始めます。

    そんなある日、沙緒里は浩一郎から相談を持ちかけられることになります。20歳で雑誌の読者モデルをしている妹の西脇みちるが重度のブラコンで、彼の恋人になりそうな女性にケチをつけるため、これまで女性とお付き合いしたことがないというのです。しかし沙緒里は、浩一郎が彼女にこんな相談をしたのは、彼女のことを女として見ていないせいだと思ってしまい、やけっぱちな気分になって彼をラブホテルに誘います。沙緒里は、処女であることを隠して経験豊富な大人の女性のフリをして、浩一郎を責めます。セックスの後、浩一郎は沙緒里に憧れており、彼女とお付き合いをしたいと真剣に告白します。彼の告白を受けて、沙緒里は自分も真実を彼に告げることを決意します。

    最後は、西脇みちるの物語です。彼女は、兄の浩一郎に恋人ができたことに不満を募らせ、ささくれた気持ちを抱え込んだまま仕事を続けていました。そんな彼女の様子が担当者の不興を買ってしまい、読者モデルの仕事を辞めるように言い渡されてしまいます。自暴自棄になったみちるは、幼なじみの岩田雄二(いわた・ゆうじ)を部屋に呼び出し、彼とセックスをしようとします。とつぜん服を脱ぎ始めた彼女に、雄二はキスまではしてくれるものの、それ以上のことをするのはよそうと言います。彼は真剣にみちるのことを愛しているからこそ、自棄になっている彼女とセックスするべきではないと考えたのでした。それでもみちるの気持ちは簡単には収まりませんが、雄二はペッティングまでで行為を中断します。そんな彼の優しさに触れたことで、みちるはふたたび読者モデルの仕事に戻っていきます。

    官能小説というよりも、官能描写を含む恋愛小説といった印象の作品です。変なひねりがなく安心して読めるストーリーです。官能シーンもていねいに描き込まれており、十分満足できる内容でした。

  • 初恋というよりもバージンをテーマにした短編小説。
    最終的に愛する人と愛し合う事はいい事でしょ?といった小説。
    内容は結構面白いが言い回しがあんまり上手な印象がない。
    先が分かってしまう恋愛小説といった感じ。

  • 恋愛にウブな、三人の女性の物語。
    平凡な地味な女なのに、何で彼氏が体を求めて来るのか分からず、頑なに家へは招かない女性。
    外見も仕事も完璧すぎて、男が寄り付かず、30で処女。新入社員の可愛い純粋な男の子に惹かれる女性。
    読モをやり、男は仕事の為にいらないと言い張るが、ある時、読モをおろされ、自分にはセックスが足りないからだと、幼なじみに関係を求める女の子。
    三人とも気が強く、処女というのが共通点。そして男性がとても優しい。それが読んでで羨ましくなった。とても読みやすい。ちょっとエッチな表現あり。

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著者プロフィール

橘真児(たちばな・しんじ)
新潟県出身。1996年『ロリータ粘液検査』(マドンナメイト文庫)でデビュー。
「もっとも青春小説的な官能作家」と評され、注目を集める。
以降、グリーンドア文庫、フランス書院文庫、フランス書院美少女文庫、双葉文庫、祥伝社文庫、竹書房ラブロマン文庫他で執筆。
教員をしながら執筆活動を続けてきたが、のちに専業作家となる。
著作に『診てあげる 誘惑クリニック』『理想の玩具』『語学教室 夜のコミュニケーション』『人妻遊園地』『人事部 夜の悩み相談室』『人妻部 夜の社員研修』『奥さまの細道 人妻めぐり』『人妻の筆下ろし教室』『あの日抱いた人妻の名前を僕達はまだ…』(以上、二見文庫)など多数。

「2022年 『ウチでハメよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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