- Amazon.co.jp ・本 (712ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797329155
作品紹介・あらすじ
ファインマンはその生涯で、家族や友人、熱心なファンや学生、同僚の科学者たちに向けて、多くの手紙を書いた。それらの手紙には、良き家庭人、世界的な科学者、優れた大学教師であった、ファインマンの誠実さ、非凡な発想、反骨精神が息づいている。常にユーモアを忘れず、人間を愛し、科学を追究する喜びを語り続けた、ファインマンの姿を伝える感動のドキュメント。
感想・レビュー・書評
-
書店で見かけて、すぐに購入。
「ご冗談でしょう、ファインマンさん」などで垣間見えるファインマンの他人への愛情がよくわかる。
原著も読んでみたいところ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初版を買ってずっと積ん読だったものを、映画『オッペンハイマー』をきっかけに本棚から引っ張り出してきました。ファインマンの書簡集で、年代ごとにまとめられ、意外に読みやすかったです。
序盤は最初の妻アーリーンとの往復書簡がメインになります。アーリーンは肺結核に冒されており、双方の両親から結婚は反対されていたものの、二人はそれを乗り越え、結ばれます。が、アーリーンは入院生活、ファインマンはマンハッタン計画に参加するためロスアラモスへと離れ離れの新婚生活が始まります。そんな二人の愛と思いやりに満ちた手紙のやり取りには胸が熱くなります。
悲しいことにアーリーンは終戦、いや原爆の完成を待たずにこの世を去ります。1945年7月の最初の原爆実験(トリニティ)に立ち会ったファインマンは、その時の様子をつぶさに母に書き送っています。『オッペンハイマー』におけるトリニティの描写はかなり参考にされているのではないでしょうか。(ただし、ファインマンがボンゴを叩いたという記述はありません)。
ノーベル賞を受賞した際のお祝いの手紙とそれに対する返事も楽しく読めました。『オッペンハイマー』にも登場した錚々たる物理学者たちの名前が並びます。
手紙の内容は、家族、友人、仕事仲間、マスコミ、見ず知らずのファンといった世界中のあらゆる人からの手紙と、それに対するユーモアと誠実さに溢れ、なおかつ理路整然とした返事がつづられていて、人間ファインマンの魅力が伝わってきます。中でも、進路に悩む若者や、子供の教育方針に関する相談に対しては「好きなことをとことんやりなさい(やらせなさい)」というアドバイスを、一貫して送り続けています。それは、ファインマンの生き方そのものであるといえます。
手紙は長いものもありますが、総じて短いものが多いし、どこから読んでも差し支えないでしょう。巻末の付録も手紙の内容を理解する助けになってありがたいです。 -
天才物理学者の考え方。感じ方。生き方。学べます。
興味のある方は、どうぞ。 -
8/4読了