サイボーグとして生きる

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797334210

感想・レビュー・書評

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  • 30代半ばで完全に聴力を失い、頭に人工内耳(コンピュータ制御の耳)を埋め込んだ著者。聴覚を機械に預け、サイボーグとなったことで、自分以外の世界との関わり方が変わり、より人間らしく生きる姿を描く。
    ソフトウエアとともに、彼の聴覚も更新されていき、難聴から人工内耳に慣れてゆくまでの著者のリアルな体験にあっとさせられます。

  • 30代半ばで完全失聴になってから人口内耳を埋め込んだ男性の、試行錯誤の日々の記録。
    「一人称のルポタージュ」と書いてありますが、要するに自伝です。
    文章が読みやすいです。訳者もお上手なのだと思います。

    手術を受けてからの、聞こえ方や考え方の変化が興味深かった。
    著者はちょっと変わった人なのかなという印象ですが
    前向きな考え方や、偏らない意見が読んでいて気分がよいです。

  • 人工内耳をつけた筆者が、サイボーグとしての生き方を探っていく物語。

    自身がコンピュータに詳しく、そのシステムをよく理解しているからこそ書ける、ユニークな体験記であり、身体論であり、技術論になっていて、大変興味深いものだった。

    サイボーグというと、機械のインプラントのビジュアルのインパクトが強いので、ハードの技術に目を奪われがちだが、筆者はソフトウェアの方が重要であるという。当初、二つのソフトウェアが選べるようになっており、その違いから聴こえ方が全く違うことから、「正しい」音などないのだという認識に至る。

    閉鎖的だが濃密な手話コミュニティと人工内耳に親和的な口話主義の対立の歴史、貧困のせいで聾の状態に固定されてしまう階層の問題、高いリスクを伴い技術開発のごく初期に自身の身体を提供した先駆者への敬意、自分もまた未来の世代のために実験データを残そうとする意識などなど、サイボーグ技術の周辺におきる様々な社会的問題も幅広く取り上げられている。

    人工内耳の失敗例についても取り上げ、夢みがちな未来学者にも釘を刺している。

    サイボーグ技術を考えるための、とても良いスタート地点となりうる本である。

  • 作家の性格がかなり鼻を付く。個人的に友達になりそうもない。

  • 2007年9月か10月ごろ。市立図書館で

  • 30代半ばで失聴した著者が内耳手術を受けたルポルタージュ

    感覚ってのはとてもセンシティブなのですね。

  • 2006年8月読了<br><br>若くして、耳が全く聞こえなくなってしまった男性が頭に機械を埋め込む手術を受ける…といった話。
    私は、補聴器をつけると私が今聞いている世界と同じ音が聞こえるのだろうと勝手に思い込んでいたのだが、この本を読んでそれが間違った認識であったことを知った。
    また少し私の世界観が変わった。

  • 人工内耳で聴力を補いながら、手話のコミュニティにあこがれる著者。障害・個性・聾文化について考えさせられます。

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