数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797341379

感想・レビュー・書評

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  • 半分くらい理解できた

  • いったん、ストーリーだけ読了。淡い感じのストーリーは楽しめた。
    最初はテトラちゃんを甘くみてたけど、後半は完全にテトラちゃんに追い抜かれた感じ。
    次回は数式を追って読み直したい。

  • フィボナッチ数列、相加相乗平均、ゼータ関数、テイラー展開とバーゼル問題、数学の世界の入り口かもしれないけど、ページをめくるごとにあっけにとられながら、素敵な世界にはまり込ませてくれる。学生時代に授業で受けた数学って、こんな世界だったのか?、と。そして、不思議な世界でもあると。

    本書では意味がありそうな、なさそうな数式が並んでいる。それを解いていくにつれて、数学の世界に引き込まれてゆく。そして、結論にたどり着いたとき、何とも言えない感動を一緒に味わう。
    こうして、数学に嵌っていく人が誕生していくんだろうな、と。

    そして、気が付く。回答を追うことはできるけど、これを自分で解決することは無理だぁ。
    凄い世界だ。

    なんども、読み返したくなる一冊です。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99021024

  • オイラー生誕300年記念。先に後続を読んでいたが、一作目からなかなか難しかったなりに面白かった

  • 数式って言葉なんだね
    自然言語でもあるようだけど
    それらの言葉では
    少しだけ曖昧になってしまうことを
    数式を使って表すだけで
    数学の世界の言葉を使うだけで
    少しだけ明確に表すことができる。

    その明確さを
    私自身が本当わかっているのかと問われれば
    まだわかってない
    まだ感じているだけ
    でもそれでも十分
    物語の興味深さで
    数式で遊んでいる物語の世界で
    遊ばせてもらえています

    わからないことをわからないままにしないから
    その少しだけ分かったと思えることに感動しながら

  • 忘れてかけてた数式を思い出した、
    数学だから仕方ないんですが横書きの本がどうしても慣れなかった……

  • 2021-07-10 読了 一回目

  • 難しくて理解が追いつかない所も何箇所かあったが、数学という言葉の面白さを今までより少し知ることができた。
    相加相乗平均や二項定理、sinxのテイラー展開の話などは理解もできたし面白かった。
    等比数列の和の公式など、今まで公式を知っていただけのものが、武器とガンガン使われている様子には感動を覚えた。

    もっと数学勉強してからまた読み返そう。

  • 『数学ガール』は、プログラマー結城浩による、数学を主題にした小説で、その後のシリーズ名でもある。2007年に第1作『数学ガール』が刊行その後、第2作『フェルマーの最終定理』、第3作『ゲーデルの不完全性定理』、第4作『乱択アルゴリズム』、第5作『ガロア理論』、第6作『ポアンカレ予想』が続いた。2014年日本数学会賞出版賞受賞。

    今回は第1作を読み、そして第2作の「フェルマーの最終定理」の半ば過ぎまで読んだ。最初は第6作まで全て読もうとしたけれども2作目の半ばで中断。またの機会に取って置くことにする。

    ライトノベルは読んだことないが、地の文はライトノベル風らしく、主な登場人物は3人で主人公「僕」と、同級生で数学が学年で1番できる少女ミルカ、一年後輩の少女テトラである。3人が数学について研究していく。

    第1作は数学に取り組むのに大事な心得が沢山あって下に引用したが、高校生の頃に出会っていたら数学観が変わっていただろう。というのは、高校生になって数学におけるレベル高めの数学の問題に苦手意識を持って困っていたから、当時出版されていたらなと思う。

    第2作は「フェルマーの最終定理」だ。証明するのにフェルマーの死後330年経った1995年にワイルズによって完全に証明され、ワイルズの定理あるいはフェルマー・ワイルズの定理とも呼ばれるようになった。

    「フェルマーの最終定理」サイモン・シン(新潮文庫)という本は平成27年に読了した。フェルマーの最終定理が証明される過程をドキュメンタリータッチで書いてあり、ダイナミックな展開が面白かった。

    この記事の下記にある引用部分が人によっては長く感じるかもしれない。この本に書いてある内容を理解し数学と関わったら、間違いなく数学の力がつくと思うので、多少でも数学に興味ある人は数学ガールシリーズは読んだらいいと思う。

    大人になって数学なんてやっていたら、人にどう思われるかと周囲らしきものを気にする人達、まずは自分はどう思うか、から始める方が良さそう。数学ができる人は他の科目もできる傾向があると中学生の段階で見抜いていた。

    以下引用。

    第1作『数学ガール』
    第1章 数列とパターン
    記憶するだけではいけないのだろう。
    思い出さなくてはいけないのだろう。
    ―小林秀雄

    古い記憶をたどるのが数学ではなく、新しい発見をするのが数学だ。

    問題の条件が与えられたら、材料も道具も、すべてテーブルに並んでいる。記憶の勝負ではなく、思考の勝負だ。

    数式を書くのは自分だけれど、思い通りに数式を書けるわけじゃない。そこにはルールがある。ルールあるところに、ゲームあり。この上なく厳密で、しかも自由。

    歴史的な数学者たちがチャレンジしてきたゲームだ。シャープペンとノートと自分の頭脳があればできるゲームだ。

    第2章 数式という名のラブレター

    理解したかどうかを自分自身で確かめる。
    たとえば、適切な例を作ること。≪例示は理解の試金石≫適切な例を作るのは良い練習。

    数学は言葉を大事にする。できるだけ誤解が
    生じないようにするために、数学は言葉を厳密に使うんだ。そして、厳密な言葉の最たるものが数式だ。

    厳密さに慣れてくると、数式に、そして数学にも慣れてくるんじゃないかな。

    数学を勉強していて、わからないことがあると悩む。何日も考えたり、本を読んだりして、あるとき≪ああ、こういうことか≫
    ってわかる。それはすごく嬉しい体験なんだ。そしてそのような体験を積み重ねていくと、数学がだんだん好きになり、得意になっていく。

    よく読んでも、どうしてもわからなかったら、本の場所に印を付けておく。そして先に進む。わからなかったら、もっと先まで読む。他の本も読む。そして、何度も戻ってくる。

    時間はかかる。とてもかかる。でも、それはあたりまえだ。考えてごらん。数式の背後には歴史がある。数式を読むとき、僕たちは無数の数学者の仕事と格闘しているんだ。理解するのに時間がかかるのは当然だ。

    一つの式展開のあいだに、僕たちは何百年もの時を駆ける。数式に向かうとき、僕たちは誰でも小さな数学者だ。

    数学者になったつもりで数式をじっくり読む。読むだけじゃなく、自分の手を動かして書く。僕は、自分がほんとうに理解しているのか、いつも心配なんだ。だから自分で書いて確かめる。

    第3章ωのワルツ
    数学の本質は自由にあり。

    整数から実数の数直線へ、数直線から複素平面へと、より高次元な世界を考える。すると、表現がシンプルになる。シンプルになったほうが、よりよく≪理解≫したと言えるかな。数式の一部が与えられ、次の数を考えるっていうのは、単なるクイズじゃない。一般項を探すというのは、隠された構造を見抜くことなんだ。

    構造を見抜く、心の目が必要なんだ。

    解決までの道のりが明らかになっているときには、せっかちに先を急ぐのだけれど、森を探索している最中では、急がないしあわてない。

    第4章フィボナッチ数列の母関数

    第5章相加相乗平均の関係

    ≪公式≫という名前だと、そっくりそのまま暗記しなければいけないものって思いがちだ。自分がいじってはいけないもの、みたいに考えてしまいそうになる。でも、式を変形させる練習をしょっちゅうやっていると、公式に対する構えた態度はだんだん薄れてくる。粘土をこねるみたいなものだね。こねているうちに、だんだんやわらかくなる。

    数式の導出は、最初から暗記しようと思っていては、かえって身に付かない。まずは、自分の手を動かして理解することが大事なんだ。理解しないうちに暗記するというのは普通ありえない。

    ≪例示は理解の試金石だ≫

    授業で出てきた式を自分で再構成したりする。自分で納得しながら一歩一歩進む。学んだことをきちんと自分で再現できるかどうか確かめる。

    時間はかかるかもしれないけれど、自分が抱いた疑問に安易に納得せず、ずっと考え抜くのは大事だ。それこそが勉強だと思う。

    好きなことをやっているだけなんだよ。

    僕は、自分の好きなことをしているだけなんだよ。好きなことに時間を使う。好きなことに手間暇かける。誰でもそうだよね。好きってそういう気持ちでしょう?

    誰からどう思われようと、誰から何と言われようと、自分で納得するまで考える。

    好きなことを追い求め、本物を追い求めていく。

    第6章ミルカさんの隣で
    解析は連続を研究する。
    数論は離散を研究する。
    オイラーはその二つを結びつけた。
    ―ダンハム

    第7章コンボリューション
    この解法はうまくて間違いがないように見えるけれども、どうしたらそれを思いつくことができるだろうか
    この実験はうまくて事実を示すように思われるが、どうしたらそれを発見できたであろうか
    どうしたら私は自分でそれを思いついたり発見したりできるであろうか
    ―ポリヤ  

    ストレートに書け。必要かつ十分な長さで書け。定式化して書け。用語を定義して書け。あいまいさを残さずに書け。威厳を持ち、香気を放ち、心打つほどの単純さを以て書け。

    最初からこのような展開式を提示してもなかなか覚えられない。でも、自分の手を動かして導出した経験があると、覚えることはそれほど難しくない。いざとなったら自分の導き出せるようになるまで練習すると、いつのまにか覚えていて、導出の必要がなくなる。

    第8章 ハーモニック・ナンバー
    バッハは彼の諸声部を、あたかも仲間同士で語り合う人物のように考えた。三つの声部があるとすれば、そのどれもがときには沈殿して、自分が再びしかるべきことを言いたくなるまで他の音の話に耳を傾けるのである。
    ―フォルケル「バッハ小伝」(角倉一朗訳)

    ≪当たり前のところから出発するのはいいこと≫

    数式はぎゅっと圧縮された短い表現になることが多い。

    自分で考えようとしただろう?それは大事なことだ。たとえ何も見つけられなかったとしても。懸命に考えたからこそ、その後、僕が話した内容がすぐに理解できたんだ。

    きみは数式を何とかして読もうとする。それは、とてもすごいことだよ。数式が出てきたとたん思考停止する人はとても多い。数式の意味を考える以前に、そもそも読もうとしないんだ。もちろん、難しい数式の意味はわからないことが多いだろう。全部はわからないとしても≪ここまではわかった。ここからはわからない≫と筋道立てて考えるべきなんだ。≪だめだ≫って言ってたら読まなくなる。でも、そのうちきっと≪役に立たないから読まない≫ではなく≪役に立てたくても読めない≫になってしまう。

    僕にしても、本当の意味で新しいことを思いついているわけじゃない。どこかで読んだものや、過去に解いたことがベースになっている。授業で習った問題、自分で考えた課題、本に載っていた例題、友人と議論した解法、・・・・・・それらが僕の中で、宝物を見つけ出す力・掘り出す力になっている。

    問題を解くときの心の動きは、不等式を使って数式の大きさを評価するのに似ている。いきなり等式で答えがびしっと見つかるとは限らない≪いまわかっていることから判断すると、答えはこれよりは大きいけれど、あれよりは小さいはず・・・・・・≫などと考える。これまで自分が知り得た手がかりを元にして、少しずつ答えに近づくんだ。すべてが一気にわかるとは限らない。わかったところに楔を打ち込み、梃子を使ってぐいっと岩を動かすんだ。既知の鍵で未知の扉を開くんだ

    勉強しながら、自分の中に≪なるほど≫という実感を積み重ねていこう。自分で思いつかなくてもいい。すばらしい証明を読んで≪これはすごい≫と感動する経験も大事だ

    第9章 テイラー展開とバーゼル問題

    学校で先生から習うことは、学ぶきっかけとして大事。でも、1から10まで、ガッコーでセンセーが教えてくれるのを口を開けて待っているのは受け身過ぎるよ。もしも、興味があるって言うならね

    僕たちは好きで学んでいる。先生を待つ必要はない。授業を待つ必要はない。本を探せばいい。本を読めばいい。広く、深く、ずっと先まで勉強すればいい

    自分で手を動かして数式を書いてみると、その感覚がよくわかるよね。目で追うだけじゃなく、手で書くことがとても大事なんだよ。

    自分の手で証明を追いかけ、さらにその証明を何も見ないで書き下せるまでにならなくちゃな。ミルカさんのように、それを人にリアルタイムに説明できるっていうのは、さらにその次の段階だろうか。

    第10章 分割数
    告白の答え銀河の果てにあり
    ―小松美和

    ≪少ないサンプルでは、ルールは姿を現さない≫

    オイラー先生は自由だよ。無限大や無限小の概念を、自分の研究のために融通無碍に開いた。円周率のπも、虚数単位のiも、そして、自然対数の底eも、オイラー先生が使い始めた文字だ。

    思い出すんじゃなく、考える。

    疲れたなら、休めばよい。道を間違えたなら、戻ればよい。―そのすべてが、私たちの旅なんだから

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著者プロフィール



「2023年 『数学ガールの秘密ノート/数を作ろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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