本当は恐ろしい江戸時代 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797351583

感想・レビュー・書評

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  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    はじめに 江戸時代は北朝鮮そっくりの“地上の楽園”だった/第1章 餓死者が続出し、はげ山だらけ/第2章 サドマゾ趣味のでたらめ刑罰/第3章 自由も民権もなかった暗黒の日々/第4章 旅は自由でなく、しかも歩くしかなかった/第5章 食生活も財政も米のみが頼り/第6章 教育水準が高かったというのはウソ/第7章 地方は「江戸藩」の植民地/第8章 「鎖国」したので植民地にされそうになった日本/第9章 働くのは嫌いで賄賂が大好きなのが武士

  • 社会
    歴史

  • 江戸時代は嫌いなので、溜飲が下がった本。鎖国のおかげで日本は植民地にならずにすんだという本を過去に読んで、「なるほど」と思ったこともあったが、この本によると「それはない」とのこと。こっちの方に説得力を感じた。

  • 江戸徳川云々を批判したものである。興味深く読みはしたが、内容が其々濃いものでなく、あれもこれもとなっており、わかりにくいとさえ感じた。

  • 20130507読了

  • 街は綺麗だしエコロジー。だが・・・・
    要するに今でいう北朝鮮ということを筆者は言う。

  • 江戸時代を褒める奴に気をつけろ、江戸時代は北朝鮮と同じで、貧しく自由がなく、停滞し、地方を見捨てる社会であり、頂点にいるのは将軍様だ、という、いきなりのパンチ。
    「江戸」と「江戸時代」は、混同したらいけないと思うのだけど、意図的に混ぜているのかな。明治と江戸という、急激な変化の部分で江戸を評価するのは可哀想な気もする。以外だったのはイラストが、江戸時代とかを描かせたら抜群な、しりあがり寿であるところ、なのですが、心なしかイラストに力がない。全体的にフワーっと通りすぎていく本。

  • 江戸時代について歴史上の重要な事件について勉強することはあっても、庶民の暮らしはどうだったのかについては、ドラマで取り上げられることもなく、また受験で問われることも少ないので全く知識がありませんでした。

    この本では、歴史で名を残していない普通の武士や庶民の生活について述べられています。考え方も現代とあまり変わっていない様で、少し安心したところもありました。今でも様々な問題はありますが、江戸時代と比較して、現在はとても恵まれた時代であることを再認識できた本でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・明治維新によって大きく変わったこととして、日本人が餓死の危険を感じなくなったこと、地域人口の何割が死んでも平気な徳川幕府からは解放された(p23)

    ・江戸時代の日本は森林を多く切って、ひどい自然破壊をする時代であった、農村部でも農地開発が広がり、はげ山が増えていった(p24)

    ・江戸時代の人口はずっと3000万人程度であったが、明治末年で5058万人へと増加した(p29)

    ・幕末維新期において、人口の多い順に、新潟(144)、兵庫(131)、愛知(122)、広島(113)、東京(109)、千葉(104)、鹿児島(93)であった、都市では、東京(83)、仙台(52)、大阪(27)、京都(22)であった(p35)

    ・奉行は、知事・警視総監・検事総長・裁判所長であり、正式部下である与力(上級)及び同心(現場職員)は少なかったので、私的子分(岡っ引き等)がいた(p41)

    ・明治元年にだされたお触れにより、火刑(火あぶり)および磔が廃止された(p51)

    ・婦人参政権は戦後になって行われた旧憲法下での最後の総選挙であったので、旧憲法により婦人参政権は実現された(p61)

    ・明治2年(1869)の版籍奉還により武士の身分が廃止されて平民と華族になってから、武士間での差別(旗本、御家人等)はなくなった(p68)

    ・江戸時代の将軍に馬鹿殿が多いのは、母親の質の悪さのせいか?、室町将軍は15人中7人が正室の子供、江戸将軍は家康、家光、慶喜の3人のみ(p76)

    ・通行手形は、武士は藩庁へ、農民は村役人や菩提寺に、町人は町役人や菩提寺に発行を依頼した(p86)

    ・日本人の7~8割は、秦の始皇帝時代以降に大陸から移住してきた弥生人で、残りがそれより前に移住してきた縄文人(様々な民族の総称)である(p100)

    ・幕末の日本人は、漢字はできるが四則計算ができない武士と、仮名程度の読み書きと簡単な計算が出来る寺子屋出身者(町人)がいたのみ(p143)

    ・明治政府は、旧天領や重要都市を「県」に、諸侯の支配地を「藩」、全国3000万石のうち、天領が400万石、旗本領が400万石あった(p158)

    ・江戸300諸侯のうち、6割近くが愛知県出身、これに岐阜・滋賀・三重・静岡を加えると7割を越す、地元出身の大名は、10家10藩のみ、それ故、武士と地元民との関係は、宗主国の白人と植民地の現地人との関係と似ている(p159、162)

    ・1635年(寛永12年)に武家諸法度が改定され、参勤交代は外様大名の義務、1642年には譜代大名も参勤交代するようになった、これにより正室、世子が江戸常駐となった(p165)

    ・文久二年の幕政改革で、大名家の江戸常駐の義務をなくして正室たちは田舎へ帰って苦労していたが、廃藩置県により東京住まいを始めた(p170)

    ・県の名前は県庁所在地の名前か、それが属している郡の名前、県知事の意向で変えたいものは変えた、明治政府は敗者に寛容であった(p179)

    ・家康は実務的権力者に高禄を与えることを避けた、高禄のものには権力を与えなかったので、賄賂が蔓延するシステムであった(p220)

  • ・江戸時代を素晴らしいと思うのは北朝鮮を素晴らしいというのと同じこと
    ・鎖国をしていなければ和僑が生まれていただろう
    ・寛政の改革・天保の改革は租税負担率を上げて財政難を乗り越えるのではなく、GNPを下げることで不況を乗り越えようとした愚策
    ・江戸時代の教育水準は小学校中学年並み

    など、江戸時代は全然よい時代じゃなかったよ という本

  • 江戸も明治も絶対的な悪でも善でもない。
    単純・一面的な江戸賛美の風潮には確かに違和感を感じるが、
    どちらもそれなりの評価は出来るはず。時代・歴史的背景もある。
    ・・・著者は徳川家と江戸時代に何か恨みでもあるのか?(笑)

    一面的な”江戸時代バラ色説”に対するアンチ小ネタ集としては一読の価値ありかと。
    何とも言えないが色んな意味で、「官尊民卑」と言えばいいのか?
    「官僚の書いた本だな〜」と^^;

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著者プロフィール

1951年、滋賀県大津市に生まれる。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。北西アジア課長、大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任。在職中にフランスの国立行政学院(ENA)に留学。現在は徳島文理大学大学院教授を務めるほか、作家、評論家として活躍中。著書は150冊を超え、ベストセラー『江戸三〇〇藩 最後の藩主』(光文社新書)のほか、近著に『365日でわかる世界史』『365日でわかる日本史』(清談社Publico)、『日本の総理大臣大全 伊藤博文から岸田文雄まで101代で学ぶ近現代史』(プレジデント社)、『日本人のための日中韓興亡史』(さくら舎)、『歴史の定説100の嘘と誤解 世界と日本の常識に挑む』(扶桑社新書)、『令和日本史記 126代の天皇と日本人の歩み』(ワニブックス)、『誤解だらけの韓国史の真実』『誤解だらけの平和国家・日本』『誤解だらけの京都の真実』『誤解だらけの皇位継承の真実』『誤解だらけの沖縄と領土問題』(イースト新書)、『消えた都道府県名の謎』『消えた市区町村名の謎』『消えた江戸300藩の謎 明治維新まで残れなかった「ふるさとの城下町」』『消えた国家の謎』(イースト新書Q)など、日本史、西洋史、東洋史から政治、経済、文化など多方面でリベラル・アーツを重視する斬新な視点で話題となる。

「2022年 『家系図でわかる 日本の上流階級』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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