「お金」で読み解く世界史 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797388664

作品紹介・あらすじ

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ――。」
19世紀後半、ドイツを統一した鉄血宰相ビスマルクは、そんな至言を残した。
では、教養としての歴史がブームないま、本当に学んでおくべき歴史とは何だろうか?

この本では、政治や戦争、文化で語られがちな歴史を、視点を変えて、
個人の蓄財から商売、貿易、金融、商社や国家の財務まで含めた
「お金の流れ」から読み解き、歴史の本質をつかむもの。

本書を読むことで、国家や王室、政権などの栄枯盛衰のパターン、
国家や王室よりも本当は世界を動かしていた存在、
戦争の勝敗を本当に裏側で左右していたこと、
お金をめぐる執着や欲望が時として世界史を揺るがす大きな事件を引き起こしたこと、
現在の資本主義社会のシステム(金融システム)のはじまりなどが理解でき、
古代から産業革命前の人類がいかに財や富を追い求めてきたかをることで、
歴史を本当に動かしていたのが「お金の流れ」であることが頷けるはずである。

感想・レビュー・書評

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  • 2020/11/5-24読了

  • ●メソポタミアのハンムラビ法典。目には目を、の平等さ。
    ●エジプト文明、ナイルは金の鉱床。永遠不滅のイメージが強い金は貨幣にはなれない。
    ●経済大国カルタゴは地中海世界では異色。ローマ帝国とのポエニ戦争で滅亡。
    ●利子とは、神の与えてくださった「時間」を盗むから罪だ。家畜や穀物が育つ時間を与えてくださった神に感謝すべきである。貨幣も同様であって、神に感謝せずに利子を取るのはいかん。神の代理人である教会に戻すべきという解釈。異教徒からは利子を取っても構わない。
    ●そのうち教会も高利貸しを行うようになり、利子を正当化。そしてその罪を消す為の贖宥状まで発売するように。また、天国と地獄以外に、煉獄という発想を生む。
    ●ヴァイキングの経済活動。毛皮や琥珀、スラブ人奴隷。また、この時期に発見された銀貨はイスラムのディルハム銀貨が多い。やがてキリスト教の普及に伴いヴァイキングは消滅していく。
    ●現代の銀行システムは、中世イタリアから。為替手形の開発。
    ●金や銀を直接手に入れる重金主義。
    ●100年戦争、相手国の貨幣を集め、品質の悪い貨幣に作り直して、相手国の社会に流通させる。

  • 2017.04.15 新書巡回にて
    2017.06.06 シミルボン

  • 世界史をお金の流れから解説するという新たな視点は評価に値するもの。本書はフランス革命までの解説であり、また何も疑問を持たずに、他国と比べて安定している円にすがり生きている日々ではあるが、仮想通貨などの出現で、お金自体の存在の分水嶺となりつつあるかもしれないと思うことは間違いではないのかもしれない。

  • 金や銀などの通貨や交易などがどのように世界史に影響を与えたかを書いています。色んな国の興亡の要因の一つなどが詳しくよくわかります。かなり濃密に書かれていて勉強になりました。

  • 中国の銀を巡るアヘン戦争や、インドとの関係は、イギリスの強かさみたいなものを感じる。
    経済が混乱した時に一番被害を被るのは、経済的弱者であることはいつの時代も変わらないようです。

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著者プロフィール

1944年、三重県生まれ。東京大学文学部卒業後、駿台予備学校世界史科講師を経て著述家。『30の戦いからよむ世界史』『キリスト教からよむ世界史』『「お金」で読み解く世界史』など著書多数。

「2023年 『一冊でわかる東欧史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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