りゅうおうのおしごと! 7 (GA文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797395501

作品紹介・あらすじ

「文句があるならかかってこい! 八一!!」
 清滝一門の祝賀会。師匠である清滝鋼介九段から叩きつけられたその
言葉に、八一は衝撃を受ける。
 順位戦――名人へと続く階段で、昇級のチャンスを迎えた八一と、降
級の危機にある清滝。師匠の苦しみを理解しつつも八一は己の研究を信
じて破竹の進撃を続ける。
 一方、棋力のみならず将棋への熱をも失いかけていた清滝は――
「衰えを自覚した棋士が取れる手段は二つ……」
 残酷な運命に抗うのか、従うのか、それとも……?
 笑いあり涙ありの浪速ド根性将棋ラノベ、号泣必至の第7巻!

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ最高傑作so far(主観)。主役は清瀧師匠。2回目の棋士室で、鏡洲君に頭を下げるシーンに涙した。最後の一門でプレーオフや、というシーンには号泣。ベタ故の安心感のある感動というか、ともかくそこまでの清瀧師匠の悶々を読み超えての大団円、読了感爽快であった。
    天衣がマイナビ挑戦者。

  • ◆脇に光があたる第7巻。老獪さの裏では、執着のなさと悪しきプライドを持つベテラン。が、彼らが自らの殻をかなぐり捨て、勝つために若き俊才に全力で勝負を挑んだら…。凄まじさと清々しさが重なり合う名対局◆

     先輩が後輩を指導し、後輩が先輩を敬う。こんな、どこでもありそうな関係は、勝負の世界ではおよそ存在しない。
     強い先輩は、嫉妬混じりの敬意を払われるだろうが、負ければ、弱ければ、先輩であろうとなかろうと、虫けらの如き扱いしかされない。
     しかし、献身的に道を究めた様を思い出せれば、自らを革新することが出来れば、弱さを少しでも克服することが出来れば、それがたとえ僅かな積み上げであっても、周囲の見る目は変わり、唯の敬意が、畏怖を伴う敬意に変わっていく。

     全勝で昇級を目指した八一を他力昇級に落とし込めた蔵王の晴れやかさ。
     敗着を粘り腰で勝ちに繋げた降級者清滝の笑み。
     この2人の姿は、その浮き沈みを含め、畏敬を持って見るに相応しい。そんな2局である。

  • 「若々しさ、解き放つ」衰えていることは自分自身が誰よりも知っている。それでも懸命ににあがき続ける清滝師匠らベテラン勢が、台頭著しい八一や歩夢ら若手棋士らに全力で立ち向かう!オッサン勢による熱い戦いに心躍りながら読み進めました。将棋によって深まる清滝一門の絆と、清滝師匠の最後の一言に涙。一門勢揃いの表紙イラストも読書前後で印象が変わりますね。あと姉弟子(デンジャラス・ビースト)の破壊力に悶絶。次回は女流棋士対決編のようで、読むのが楽しみです。

  • 『とんねるずのみなさんのおかげでした』で放送されたコントが批判の対象になったのが2017年9月。
    『はいからさんが通る 新装版』(2016年)に大和和紀先生が寄せたコメントがSNSで話題になったのが2017年12月。
    そして、山刀伐八段を偏見に基づくステレオタイプなセクシュアル・マイノリティとして揶揄する本作の発表が2018年1月。

    物語序盤に清滝九段を「老害」と言い表した本作もまた、この時代にあって現代にアップデートできていない古い感覚が残っていたのが、皮肉でありつつ示唆的。
    次巻以降を見守りたいと思います。

    大学院時代にお世話になった先輩がセクシュアル・マイノリティの研究をされていた関係もあって、私がこのあたりの感覚をアップデートするのは、世間よりも数年だけ早かった(ただし、そこから更新を怠っているので、現代のリアルタイムにはむしろ遅れている可能性がある)。
    そういった事情もあって、少なくとも2010年代後半になってこういったスタンスで同性愛を扱うことに関しては、厳しく捉えざるを得ません。
    なお、そういう意味では女性のバストサイズを人格と結びつける表現にも同様の感覚がありますが、これに関しては「時代遅れ」と評せるようになるまでに、まだ少し時間がかかるかなと思っています。

  • 前巻とは一変し、男の戦いなのだがこれまた胸が熱くなる展開。
    いくつになっても成長出来ることを教えてくれるし、子供達の成長も微笑ましい。
    無邪気さも可愛い。

  • 今回もマジで
    「アツい!!!!」
    この一言!
    涙腺への寄せが凄かったです。

  • ライトノベル

  • 今巻も力の入った一作
    「矢倉は終わった」「もう雁木も終わり」の大転換をかなり上手く描いて感心
    主人公と脇役の魅力を描く場面の緩急もくどくなく
    無理に理屈付けせずご都合主義をきれいに使っていて見事な塩梅
    『らじかるエレメンツ』からよくぞここまで大成したものだ
    成長できる作家というだけでも貴重な存在

  • 名著

  • 6巻で完結したと誤解していたら、先日9巻が発売されたことを知る。とりあえず本屋に行ったら7巻だけ手に入った。

    内藤九段や米長元名人の影が懐かしい。新キャラとして藤井先生(新しい方)も登場、今後の成長が楽しみだ。

    お話はオッサンをスポットした展開。ただ繰り返し趣向のようで意外性はない。プロブレムの2解を意識したのか対称的に仕上げたか。

    それにしても図面皆無でよく書ける。「ヒカルの碁」の将棋版と言えるかも。

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著者プロフィール

白鳥士郎(しらとりしろう)
GA文庫より『らじかるエレメンツ』でデビュー。
代表作として『りゅうおうのおしごと!』『のうりん』シリーズ(GA文庫)など

「2022年 『りゅうおうのおしごと!16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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