一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた
- SBクリエイティブ (2018年8月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797397123
感想・レビュー・書評
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日本史と比べて世界史はハードルが高いと考える人は多いのではないでしょうか。おそらく、その原因は世界史では時代の流れに加えて各国間のつながりも意識して平面的に理解する必要があるからだと思います。
例えば日本史では時代の流れに集中すればよいため縄文→弥生→古墳→飛鳥→奈良→…というように時代区分がはっきりしており、ある程度情報が整理されています。それに対して世界史では多くの国が複雑に絡み合うため、世界史全体で一つの時代区分を設定するのが難しく、どうしてもゴチャゴチャとした印象を受けてしまいます。やはり多少無理矢理だとしても、学習者が自分の居場所を見失わないための目印として大まかな時代区分はあったほうが便利です。
本書の1番の特徴は時代を大きく大航海時代以前と以後の二つに分けているところでしょう。ヨーロッパ、中東、インド、中国が各地域ごとに歴史を進め、大航海時代で世界がつながり世界史がはじまるという構図です。そしてそれぞれの地域史はひとまとまりにして通史で一気にやってしまうことで余計な混乱をさせないように工夫がなされています。世界史の教科書は様々な地域の様々な時代を行ったり来たりするため初学者にはとっつきにくいつくりになっていますが、本書はその問題点を見事に克服しています。
個人的に改善した方がよいと思うのは索引がついていないことぐらいでしょうか。やはり索引がないと復習がしづらいです。改定版で索引がつくといいですね。
とても読みやすく無理なく読み返せるのも本書のいいところです。疑問が生じるたびに何度も本書を読み返し、自分の頭に世界史のフレームワークを築いていけたらと思います。
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「第一次世界大戦」「ビスマルク」「マリーアントワネット」など、ピンポイントな世界史本を読んでいたが、世界史全体をざっと学び直したい気持ちが強くなって購入。
この本では、時代、地域があちこち飛んで分かりにくい学校の教科書とは違い、世界史を一つの物語として展開する。年号ですらノイズになるからといって使わない。徹底している。
絶対に忘れない、というタイトル通り、世界史の流れが本当に刻まれた気分だ。どういう理由でその事象が起きて、どういう結果になったか、というのが分かりやすい言葉で簡潔に書かれているからだと思う。
本当に理解できてるかどうか、先生になった気分で一人で「エアー授業」を試してみたが、結構いけたのでそこそこ理解できてると思う。
ただ、分かりやすくするためには仕方ないのだが、人物とイベントの紹介があまりに簡単すぎて、この本だけ読むと、ルイ16世はポンコツすぎるし、ビスマルクが外交以外は割と失敗してることもわからない。
この本で流れを掴んで、気になったコンテンツに飛んでいくってのがいいと思う。
世界史もう一回勉強しなおしたいんだよねー、って人にはこれからこの本薦めようと思う。なかなかいないけど。しばらくしたら再読しよう。 -
学校ではやらないような、面白いエピソードもあり、デザインも好みだった。世界史の内容の流れを知るにはとても良いと思う。
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めっちゃまとまっててわかりやすい。世界史の旅ができる。日本史も読んでみたいなあ。
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高校では世界史は途中までしか履修しておらず、こちらで再勉強。
なかなか分かりやすくコンパクトにまとめられてます。時系列に合わせてページが続くので、全体の流れがわかりやすい。
しかし、受験を考えるとやはり世界史は横文字の人名を覚えるの大変だな(^_^;)選択問題ならまだマシだけど。 -
年号の載っていないあたらしい世界史の教科書。
歴史を物語として捉えるというのは、取っ掛かりとして飲み込みやすい。大体の流れを把握してから、山川の教科書など、詳細の学習に進めばいい。そう思うと歴史の入門書としてかなり完成度が高いと思った。 -
売り文句のとおり、たしかに読みやすく分かりやすかったです。
指摘されているとおり、年号を覚えようとすると大変になるから、本文中には年号がほぼ出てきませんが、人間勝手なもので、まったく出てこないとそれはそれで覚えにくい気もしました。 -
学校指定の教科書と違い、地域ごとに分けてすとーり立てられているので、理解しやすかった。
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世界史の教科書なのに年号が一切出てこない。色んな国をあっちゃこっちゃするのではなく、各地域毎に絞って時間の流れに沿いながら一つのストーリーにしてわかりやすく伝えることを目的に書かれているので、読みながら頭に入りやすい。現代も続いている各国の対立関係を理解しやすくなる良書。
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世界史を一本のストーリーとして読める教科書。地域ごとに世界史を学ぶスタイルが馴染まず苦手でしたが、この本に出会い世界も歴史も繋がっていることが理解できました。今後は各地域を深掘りできればと思います。