ヴェクサシオン (新風舎文庫 あ 102)

著者 : 新井満

• 新風舎 (2003年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[zoeさんの感想 · 2008年11月10日]

「三郎」という人物が主人公の話が二篇おさめられているが、同一人物かどうかは不明。表題作では、三郎はCM製作の仕事の関係で、聴覚を失った女性と知り合う。「ヴェクサシオン」はエリック･サティのピアノ曲であり、メロディが単調に長時間繰り返されるもの。なぜ、この美しい旋律がヴェクサシオン(いやがらせ)と名づけられたのか……それに三郎が気づいたとき、世界はすこし変わる。

著者プロフィール

1946年、新潟県生まれ。上智大学法学部卒業。電通入社後、音楽・映像プロデューサーとして活躍。1987年『ヴェクサシオン』で第9回野間文芸新人賞、1988年「尋ね人の時間」で第99回芥川賞受賞。作家活動以外に、作詞・作曲家、写真家、環境ビデオのプロデューサーとしても活躍中。

「2015年 『生きている。ただそれだけで、ありがたい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」